第21話 ネタバレ
(サラや他のメイドたちが持ち出すわけがないしキキの野郎が盗んだに違いない!どうしよいくらキキがバカでもあれを読めば何が書かれてるかはわかるはず・・・
今すぐ取り返しに行くべき?ううんおとなしく白状するわけがない!むしろ私を脅してくるかも。まさかレラジエに見せるんじゃ・・・!そうなったら最悪!
私がどうしてネックレスを狙ってたのかがバレてしまうし、レラジエもイザナをかわいそうに思うはず。極めつけはイザナがあいつの運命の相手だってことまで知られてしまう。
あのレラジエなら死ぬことすら恐れないかも)
「お嬢様・・・大丈夫ですか?私がしっかり片づけておかなかったばかりに・・・」
「サラは何も悪くないわ人の物を盗む野郎が悪いの」
「犯人はキース公子様で間違いありませんか?」
「そうだと思う。どうしよ・・・明日貸すって約束したのに禁書だからもう手に入らないだろうし・・・」
(・・・手に入らない!そっか!あの本はもうどこにも売ってない!それなら・・・!私が書いちゃえばいいじゃん!!『幽閉された王子と侯爵令嬢』一から書き直してやろうじゃん
ヒロインは侯爵令嬢『ジンジャー』数日前に宴でイザナとの間に起きたことを書いて・・・後半はレラジエと私の立場を入れ替えたストーリーにするの。
これまで読んだ恋愛小説の数は数百に上る!私に書けないわけがない!)
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徹夜で書き直したジンジャー。
「やっと・・・書き上げた『新・幽閉された王子と侯爵令嬢』」
(レラジエ ハメル ゲシュトに関する内容を省いて・・・ちょっと短めだけど短編だって言えばいいし)
「私が書いた通りの未来になるといいんだけど・・・」
「えっお嬢様!まさか徹夜をされたのですか!?」
「あ・・・ちょうどよかったサラこれを製本してきてくれない?表紙はピンク分厚い素材でお願い。表紙に『幽閉された王子と侯爵令嬢』って書いておいて」
「かしこまりました」
「そうそう私が書いたってことは二人だけの秘密ね」
「はいお嬢様」
(はぁ・・・これじゃ宮殿に行く途中に倒れちゃいそう。少しくらい寝たって・・・大丈夫・・・だよね・・・)
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「お嬢様お嬢様!」
「う~ん・・・えっ!?今何時!?本は!?」
「本はこちらです」
「・・・いい感じ!」
「それと外に馬車が停まっています。宮殿の馬車だと思われます」
「ナイスタイミング!ありがとサラ」
「いえいえ」
「それじゃちょっと出かけてくるわ!」
意気揚々のジンジャーにサラは慌てて「お・・・お嬢様!その前に髪のセットを・・・!!」と話した。
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「また会えましたねララ」
「はいジンジャー様。陛下命令でお・・・迎えに参りましたが・・・」
(なんで本をじろじろ見るわけ?珍しいもんじゃあるまいし。まさか・・・貸してくれって言うんじゃないわよね?)
「ジンジャー様・・・ククッ・・・その・・・えっと・・・プフッ」
「まさか私のこと鼻で笑ってます?失礼すぎません?」
「いえ・・・そうではなく・・・ククッ あぁ・・・申し訳ありません」
ラキシャンは眼鏡を外して目元をふく。
(・・・笑顔がかわいい。あんな顔もするんだって私何考えてんのよ!)
「何がそんなにおかしかったんですか?」
「本当にその本をイザナ陛下に渡されるのですか?」
「どうしてそれを・・・!」
第21話 感想
まさか、自分で本を書き直すとは思いませんでしたwwwイザナの反応が面白そうですね。