第60話 ネタバレ
「・・・お嬢様もう舌に感覚が残っておりません・・・」
「いやーっ!また生姜味なの!?何がダメなのよ!?」
「やっぱり私の手・・・呪われてるのかも・・・どうせ私は生姜しか生み出せないバカよ・・・」
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ガチャッ
「あら?サラ~!お嬢様が泣いてるみたいだけど何かあったの?」
「もうすぐで陛下のお誕生日なのにお料理が上達されなくて悲しまれてるの。毎日朝から晩まで練習されてるのに・・・どうして何をお作りになっても生姜の味がするのかしら」
「生姜の香りが抜けないのね・・・サラいいこと教えてあげる・・・これ今流行りの貴重な調味料なの一滴垂らすだけでなんでもおいしくなるんだって」
「えっ・・・貴重なものをもらっていいの?」
「当たり前じゃない友達なんだから」
「ドロシー!あら?それ・・・ジンジャーお嬢様のドレスじゃ。イザナ陛下のお誕生日に着られるもの・・・」
「うん、そうよ。飾りが取れちゃってたから・・・別のものをつけようと思って。特別な宝石を・・・」
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「・・・うん?」
「どうですか、どうですか?」
「なんだか・・・マシになってるような・・・」
「まさか・・・舌が麻痺してしまったのか!?」
「なるほど!これがおまえの言っていた生姜に染めるというやつか!」
「生姜じゃなくて愛です愛!!でも上達してるのならよかったです。何度も何度も練習したんです」
「・・・・・・!・・・ジンジャー、手が赤くなるまで努力することはない。そこまでしなくても・・・」
「俺は生姜に染まってしまったからな」
「・・・・・・!」
イザナがジンジャーの手にキスをする。
「陛下って・・・妙に慣れてますよね」
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数日後、イザナの誕生日
「おめでとうございます!」
「陛下、おめでとうございます!」
「みんなありがとうパーティーを楽しんでくれ」
スッと袖を引かれた。
「?」
「お見せしたいものがあるんです」
ジンジャーが小声で言う。
ガチャッ
「サプラーイズ!!」
「お誕生日おめでとうございます陛下」
扉を開けるとそこには、ハメルもいてケーキが用意されていた。
「何がサプライズだよ。散々練習に付き合わせたくせに」
「ほらほらいいから早く私の力作を食べてみてください。陛下はただおいしく召し上がってくださればそれでいいんです」
「?」
(あれ・・・?いつもなら【ほら早くそのきれいな口を開いてお食べなさい】って聞こえてくるはずなのに・・・
どういうわけかジンジャーの心が読めない・・・)
イザナが食べようと口を開けると
「お待ちください!」
「・・・レラジエ?」
「陛下!ジンジャーの手料理を召し上がってはいけません!」
「?」
「今度は一体なんなのよ・・・」
『ジンジャーはこれまで料理に毒を入れていたのです。少しずつ中毒になるように・・・』
レラジエの心の声を聞いたイザナは
「そんなわけないだろう・・・」と笑う。
『いえ、、仲のいいメイドに毒を盛らせていました」
・・・メイド?まさかジンジャーといつも一緒にいるあの・・・?
『愛する人がそのようなことをするはずがないと否定されたいお気持ちはわかります。ですがララとあまりに親密そうではありませんか・・・
ノックス伯爵邸のパーティーで見た二人の抱擁をもうお忘れですか?』
とレラジエが惑わす。
その頃、ハメルがジンジャーに小声で話かけていた。
「それより・・・生姜の呪いは解けたのですか?」
ハメルの質問に頷くジンジャー。
「・・・アトランタ侯爵令嬢、度の過ぎた嘘はやめたまえ」
「えっ?嘘!?心の中で何かを訴えかけてるってことですか!?」
レラジエの声を無視してケーキを食べようとした。
「陛下いけません!!」
『そのケーキを召し上がれば体内に蓄積した毒が全身に広がってしまいます。そんなにもジンジャーのことを信用されているのですか?
命が惜しくないのですか?』
あの目は・・・嘘をついていない。本当に毒を盛られていたのか・・・?
それに何故・・・ジンジャーの心が読めないんだ?
いつもと違う・・・
おかしい
(ジンジャー・・・一体何を考えているんだ・・・?)
第60話 感想
うわーやばいですね!
果たして毒が入っているのかな?いくら主人が泣いていても味を変えちゃったら意味がないのではとも思いますし・・・
レラジエが混入した毒に詳しすぎるのも謎ですよね。
生姜パワーで毒を帳消しにしたりしないかな?