第48話 ネタバレ
【ジンジャーside】
「・・・マズいことになってきた。イザナはララがハメルだってことに気づいてるみたいだし・・・」
(あれからハメルはどうしてるだろ?少しは大丈夫になったかな・・・)
「お嬢様、お客様です」
「誰?・・・まさかキキじゃ——」
「いえいえ!!違います。宮殿からいつも迎えに来られるラキシャン様です」
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「こんにちはジンジャー様」
「ハメル!!きゅ・・・急にどうしたんですか?まだ休暇中だから陛下の命令じゃなさそうだし・・・」
「はい、今日は陛下のご命令とは関係なく個人的に参りました」
「ジンジャー様、私とデートをしていただけませんか?」
(デ・・・デ・・・デート!?)
薔薇の花束を差し出し、デートに誘ってきたハメルにジンジャーは頬を赤くする。
「突然で申し訳ありませんが・・・本日お時間よろしいですか?」
「だ・・・大丈夫だけど。どうして急に私とデートを・・・?」
「私も幸せを見つけたくなったのです。これまで魔法の力で見えてしまった不幸な未来にとらわれどうにかしてみなさんを幸せにしなければという目標しかありませんでした。
ですが私も少しくらい幸せになってもいいかな~と思いまして」
「そうですよ。自分が幸せじゃないと人の幸せなんて願えないし・・・」
「ですので・・・私のデート練習に付き合っていただけませんかジンジャー様」
「実は女性とデートをしたことが一度もないのです。未来のためのプランBの一環だとお考えください・・・」
コソコソとハメルが言ってきた。
「あ・・・そういう・・・ことなら・・・」
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「陛下これをご覧ください。確認のために額縁を開いてみると手紙が挟まっておりました・・・」とレラジエが手紙を差し出す。
【手紙の内容】
ゲシュト私は大丈夫です。いずれ死ぬのですから少し早く逝くだけです・・・どうか兄を恨まないでください。——ヘンドリック
「・・・・・・」
(この手紙が本物ならここに登場する兄というのは俺の父親のことだろう。ゲシュトが叔父さんの死で父を恨んだ理由はなんだろうか)
(これまで知らずにいた叔父さんとゲシュトの関係そして父は何かを握っている)
(もう少し調べてみると手がかりを掴めるかもしれない)
「侯爵令嬢、ネックレスをもう一度見せてくれないか?」
「はい」
(そういえば・・・・この赤いネックレスどうして身につけている人の心を読めないようにしたのだろうか?孫を守るため?
だが小説によるとレラジエはこれを身につけていたことで不幸になる。何か他に理由が・・・)
イザナがネックレスを首にかけると
(ネックレスから光が!!)
『・・・か・・・陛下、イザナ陛下』
(この声は・・・!?)
「陛下?どうかされましたか?」
(気のせい?それとも俺にしか聞こえないのか?)
『陛下、この声が届きましたらアトランタ邸に向かわれてください。ゲシュト・アトランタが陛下にお見せしたいものがございます・・・』
「そなたの邸宅に行こう」
「突然どうして・・・」
「君のおじいさんが・・・ゲシュトが俺を呼んでいる」
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『邸宅に今は使われていない私の書斎がございます。出入り口を背にして右側の壁をご覧いただくとヘンドリック様の肖像画がかかっております。
その肖像画の裏にお見せしたいものを隠しておきました・・・』
「誰もついて来てないな?」
「はい・・・陛下、他には誰もおりません」
イザナが肖像画をずらすと金庫を見つける。
「!?」
「き・・・金庫が隠されていたなんて・・・知りませんでした」
金庫を開けるとそこには一冊の本があった。
(これは・・・本?待て・・・これは!!誰かの日記・・・!?)
第48話 感想
赤いネックレスにはまだ秘密があったようですね。金庫から日記を見つけたようですが何があきらかになるのか楽しみです。