ピッコマ『小説の中の悪女皇帝になった』第18話 ネタバレ&感想

第18話 ネタバレ

「私を宰相宰に任命することは賢明な選択ではないと思いますが、それでも私を宰相の席に座らせたいのであれば従うつもりではあります」とベヌース伯爵は言う。

ユリア
ユリア

(どうして?ユリアが死んだ後にあんなに積極的に働いたのに。この2年間の出来事のせいで信用できなくなったということかしら)

(困ったな・・・当然引き受けてくれると思っていたのに・・・他の貴族が悪いわけではないけどシリルの有能さはみんな知っているはず・・・これからやることは山積みなのに・・・意欲がない人を任命してもよくないわ。)

「宰相は簡単な職業ではない。それゆえ無理に任せたくはない。重大な責務を急いで決めようとしすぎたようだ。このことはまた今度話そう」

「「「はい」」」

******

ユリア
ユリア

(シリル以外に考えたことなかったのに)

(フェーズ公爵のことや反逆の件がスムーズに解決できたことで簡単にいくと思いすぎていたのかしら。

だけどシリルは最初から協力的だったもの。彼は腐敗を毛嫌いしていて無能な者が上に立つことをひどく憎んでいたから。

権力を与えれば喜んで引き受けてくれると思っていたのに!正直裏切られた気分だわ)とユリアは執務室でため息をつく。

「そんなにベヌース伯爵をお傍におきたいんですか?」とフェリックスが飲み物を置きながら尋ねる。

「彼は頭が切れるからね」

「ですが彼だけではありません。戦争中参謀に任命された侯爵とか・・・」

「お前も彼のことが好きではないのか?」

「ボクは陛下がお決めになることならなんでも従います」

「顔は嘘をついてるようだが」

フェリックス
フェリックス

「そりゃ・・・陛下から任命されたのにあまり喜ばないから・・・」

「ん?」

「他の人も同じ気持ちのはずです。もちろん彼は本来他国の貴族で若いこともありますが」

(そっか!安易に考えていたのかもしれない・・・!あの場で不満を言った貴族はいなかったけど今日はユリアに許しを請う場で大前提としてユリアに好意を持っていたからでしょうね。

彼らは長いことユリアに忠誠を誓い本来ランチェア王国を支えてきたのにそんな彼らを差し置いてシリルを任命した・・・もちろん間違ったことではない。

実力を優先することは大事なことだからね。だけど人の心をそれだけで治めることは難しいわ。余計なことをしたんじゃないかしら・・・

だからといってシリルをこのままにするのはもったいないし・・・)

******

ベヌース伯爵
ベヌース伯爵

「・・・・・・もう一度・・・話していただけますか?」

ユースト
ユースト

「陛下にお会いし宰相の座を引き受けると言ってください」

「・・・・・・本気ですか?」

「わざわざあなたに会いにきてまで嘘をつくような者に見えるのですか?」

「公爵がどんな方かはよく存じてます。一度決めたことは最後まで貫く方だということも。しかし私はランチェアの出身ではありません。公爵もよくご存知だと思います。

ランチェア出身の貴族を差し置いて私が宰相になると亀裂が生じるでしょう。いくら陛下に忠誠を誓ったところで・・・」

「たかがそんな理由なんですか?」

「・・・はい?」

ユースト
ユースト

「たかがそんな理由で陛下のお心に影を抱かせたというのですか?」

「・・・・・・自分のせいで多くのことをダメにするよりはマシだと思いました」

「ならその考えを撤回していただきたいです」

「マルカス公爵」

「宰相の座を断ったことやランチェア出身でないあなたが宰相に就くことよりも私たちの忠誠心が軽んじられていることの方が不愉快です」と睨む。

「・・・・・・」

(思っていたより重大なことだったのか・・・)とベヌース伯爵は思う。

******

【ベヌース伯爵回想】

フェーズ公爵が処刑された後、全員が一斉に皇帝に許しを請いに行くのが不思議であった。その場で反逆罪として処刑されるかもしれないのに。まるで皇帝が正気に戻ることを待ち侘びていたかのようで。皇帝を裏切ろうとしていたことが屈辱だとでも言わんばかりの。

しかし彼らが私をよくない目で見ていることもまた事実。皇帝に腐敗を取り除く意思があるなら私との利害が一致する。宰相の座に居座り他の貴族を牽制しながらそれを成すことは

『私を宰相に任命することは賢明な選択ではないと思いますが』

とばかり思っていた。

******

「何よりも大事なのは陛下のご意志です。あの方が望めば従うことが我々の仕事です」

「・・・・・・」

(しかし昨日のことを考えるとたった1日で私を受け入れたとは思えない)とベヌース伯爵は思う。

「公爵の言葉を疑うつもりはありませんが・・・」

「なんですか?」

ベヌース伯爵
ベヌース伯爵

「他の方も賛成されたのですか?それとも公爵一人だけの意志ですか?」

ユースト
ユースト

「全員の意志です」

「・・・・・・」

「信じがたい話なのはわかっています。ですが昨夜全員を説得致しました」

「公爵自らですか・・・?」

「ええ、ですが1日だけで説得できたのは」

******

【ユースト回想】

『お恥ずかしいですが我々がベヌース伯爵を説得するにはまだ時間がかかりそうです』

『公爵が行ってくださるなら大変助かります』

******

ユースト
ユースト

「みんなそういう想いがあったからです。1つお聞きしましょう。あなたは自分に不満を示す者がいたら働く自身がないのですか?

それすらも突き通せない方なのですか?」

「・・・・・・」

「そんなことは気にもしていません。私が引き下がったのはむしろ自分の存在が足手まといになる可能性があったからです」

「それは言い訳にしかなりません。あんな些細なことを認めさせる自身すらもないようにしか聞こえません」

「いいえ、違います。そんなことに怯えていたのならここにはいなかったでしょう」

ユースト
ユースト

「では証明してください」

「・・・・・・」

見え透いた挑発・・・この真っ直ぐで素直な挑発に乗ってしまった。

「いいでしょう」

だが悪い気分ではない。

「陛下には喜んで引き受けると伝えます」

むしろ心の底にあったことを言えてスッキリした。もやもやして残っていた欲望、未練や迷いは全部消えた。

ベヌース伯爵
ベヌース伯爵

「自分の価値を自ら証明してみせます」

第18話 感想

他国の貴族ということもあり断ったベヌース伯爵でしたがまさかのユーストが伯爵を説得に行ったようですね。

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