第31話 ネタバレ
【皇太子side】
~ 誕生日パーティーに行く前のできごと ~
「違うのか?」
皇太子が尋ねるとレインは「左様でございます。アーステロぺ様そちらはミエールお嬢様ではなく・・・長女のアリアお嬢様だと思います」
「彼女はもともと平民だったと聞いているが・・・」
「2年ほど前に伯爵が売春婦と結婚して連れてきたとか・・・」
「僕もそう聞いている。平民がたった2年で貴族についての情報をあれほど集められるものか?悪霊にとり憑かれたような顔して暴れまくるって噂もあるが」
「いえ実際はまったくそんな感じではありませんでした。殿下はお嬢様のことを猫のようだと言ってましたね」
「あぁ、人に迷惑かけといて自分だけ逃げようとするところが・・・」
フッと皇太子が笑った。
「僕はお会いしたことはございませんが・・・やはりアリアお嬢様で間違いないかと思います」
「君が言うのならそうかもしれないがすぐには納得がいかないな・・・」
「・・・・・・直接確認されてはどうですか?もうすぐイシース公女の誕生日パーティーがありますよ」
「公女の?」
「公女の弟とミエールお嬢様は婚約の話も出ているそうなので」
「公女の誕生日パーティーか・・・」
「貴族の集まりに抵抗はあると思いますが確認のためなら・・・」
「行く」
「えっ?」
「最近おとなしくしてたから・・・みんな油断してるだろうな」
「問題さえおこさないでいただければ・・・」
「心配するな興味のない貴族のパーティーに参加するんだから・・・もし君が間違えていたら・・・都会に咲いている花を数えるだけで許してやる」とお茶目にウィンクする。
「ハハ・・・勝手にしてください・・・!まったく皇太子は・・・」
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【現在】
ブルブルと震えながら見上げるミエールと思わず無言になる皇太子。
イシース公女は「アーステロぺ殿下・・・なにか問題でも?」と尋ねる。
「いやなんでもない。楽しんでくれ」と話しそのまま引き返してしまった。
「えっ・・・?」
戸惑うイシース公女と
「ミエールお嬢様・・・!」
倒れそうになったミエールを支えるオスカー。
「ミエールお嬢様殿下といったいなにがあったの!?」
「わかりません・・・殿下にはじめてお会いしたので・・・」
「嘘じゃないわよね?」と聞かれたミエールは泣きながら首を振る。
(マズい・・・!皇太子に驚いて強引に聞きすぎた)と思うイシース公女。
「オスカーお嬢様を家まで送ってちょうだい」
「はい」
(まだ14歳の子供だもの。キープはするけどやっぱり子供って面倒ね・・・オスカーに任せましょ可哀想な人に同情しちゃうタイプだからこれを機に2人の距離が縮まればいいけど)
「オホホ!皇太子殿下はここがあまりお気に召さなかったようです。しかたがないので・・・いずれ皆さまを皇室へとご招待いたします」と話しイシース公女はその場をおさめた。
「さすがです!」「未来の皇太子妃様は配慮が素晴らしいです!」と笑う招待客と陰で「公女様には話かけられなかったのかしら~」「情けないわね~」とヒソヒソ話し嘲笑う者がいた。
「ミエールと皇太子の関係を調べてちょうだい」
(嫌な予感がする。私が知らない間に何があったの・・・?)
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【アリアside】
「わぁ・・・!私のために用意してくれたの?」
「シェフに頼みました」
「お嬢様のお口に合うように!」
「具合はいかがですか?」
「もう大丈夫美味しいわ~」
(辛くたってごはんはやっぱり美味しい。あまり考えすぎないようにしよう。冷静に考えればなにか方法があるかもしれないポジティブに考えよう・・・)
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夜遅くにミエールは帰ってきた。
「大丈夫ですか?」と心配するオスカーにミエールは「送っていただいてすみません・・・」と話す。
「心配でしたのでお気になさらず」
「なにがあったんだ?こんなに遅れて・・・」
出迎えた伯爵が尋ねる。
「遅れて申し訳ございません。お嬢様を起こすことができず・・・」
「ごめんなさいお父様」
「そうか・・・次からは連絡をしてくれ。2人ともまだ未成年で結婚もしていないんだから」
「すみません、では・・・」
「今から戻るのか?今日は泊まっていきなさい」
「そうですよオスカー様」
「では・・・お言葉に甘えて」
「なかに入りなさい」
(オスカーッ!!一度もこっち見なかった!!私とはもう関わらないつもりなの?)
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(解決したと思ったのに!やっぱり現実は厳しいのね・・・)
またまた、ベッドで落ち込むアリア。
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(お昼寝したから目が覚めちゃった・・・)
目が覚めたアリアは風でも当たるかと考え部屋から出ると
(!!)
(オスカー!)
オスカーを発見して思わず隠れるアリア。
(隠れる必要ないのに!今がチャンス・・・)
しかし、オスカーは部屋の中に入ってしまった。
(あっダメ!砂時計!!)
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砂時計で時間を戻したアリアはオスカーに話しかける。
「オスカー様・・・」
「アリアお嬢様・・・?」
「私を・・・無視しないで・・・」と涙を流すアリア。
(あれ・・・?どうして涙が・・・)
「お願い・・・」
(オスカー・・・!)
アリアはオスカーにギュッと抱きつき「1人にしないでください・・・」と話す。
(オスカー・・・私を助けて・・・!)
第31話 感想
さすが皇太子!顔だけ確認して去っていったよwww皇族だからできるのでしょうね。そして、アリアは泣きながらオスカーに抱きついていましたが、姉にももろバレするほど可哀想な子が好きなオスカーはどっちを取るのか・・・?