第24話 ネタバレ
「ところで陛下・・・小説は最後まで読まれたんですか?」
「うん。びっくりしたよ。これまで起きたことが一寸の狂いなく書かれていたから」
「ですよね・・・小説の内容が現実でも起きるので私も気になって読んじゃいました」
「それより・・・生姜令嬢、俺に嘘をついただろう?
レラジエから俺の力について聞いたと」
「あ・・・あれは初対面でしたので小説について話せなくて・・・それにお話したって信じていただけないと思いましたし・・・ごめんなさい」
「・・・・・・・そっかたしかにそうかもね今回だけは許してやろう。だけど次にまた嘘をついたら・・・そのときは生姜以下の扱いをするからな」
イザナの言葉にジンジャーはゾクッとする。
「それにしても誰がこの本を書いたんだろうか。どうして俺の力のことをこんなにも詳しく知ってるんだ?」
「実は私も気になってこの本を買った書店に行って聞いてみたのですが」
「それで店主はなんて?」
(あれ?あのときどんな話をしたんだっけ)
「・・・店主も著者について知らないそうです。結局何もわかりませんでした」
(ううん店主は知らないって言ってたけど・・・何か手がかりを掴んだ気がしたのに)
「そうか・・・実は一人睨んでる人物がいる」
「誰ですか?」
「ゲシュト。本を読んで子どもの頃のことを思い出したんだ。この本の通りあいつが俺に呪いをかけたのなら、この本もゲシュトが書いたものではないだろうか?どういう意図かはわからないが・・・」
「でもゲシュトは何年も前に死にました」
「生きている可能性は?この目で確認するまでは何も信じない」
(・・・たしかにその可能性もありそうだけど何か忘れてるようなゲシュトじゃなくて誰かもう一人いたんだけど・・・
んっ?ブレスレット・・・?私こんなの持ってたっけ・・・?)
「それより本に出てくるジンジャー・トルテは実物そのままだ」
「具体的にどのようなところが?」
「俺を見ながら変なこと・・・を考えているところが特に」
「な・・・なんのことだかさっぱり・・・」
「それなら詳しく話そうか?こいつ—―」
「陛下!!そのきれいなお顔でそんな汚い言葉を使ってはいけません!」
「あのときは本当に驚いた」
(私もです陛下・・・)
「だけど違うところもある本の中のジンジャー・トルテは愚かな悪役でしかないのに現実のおまえは違う。多少愚かではあるが純粋というか」
「それって褒め言葉ですか?」
「もちろん。俺は小説通りになるとは思わない。現実の俺はレラジエ・アトランタを好きにならなかった。小説の内容通り彼女の心が読めなかったから少し興味が湧いただけ。赤いネックレスのことを知らなかったから・・・」
(・・・あのネックレス盗まなくてホントによかった。もし私があれをつけてたらレラジエの代わりに私が死んでたかも・・・)
「それと現実の俺は小説の中の俺が知らなかった生姜令嬢の魅力に気づいたからね」
「魅力ですか!?」
(頭のよさ?カボチャ色の大きなおめめ?それとも完璧な後ろ姿?おしとやかな話し口調?『おしとやかな話し口調』は違うわね。もう散々汚い言葉使っちゃったもん・・・)
「う~ん・・・なんというか変に中毒性がある」
「ちゅ・・・中毒性・・・?」
「これまで会った人の中で一番謎めいていて新鮮だ」
「あぁ・・・なるほど・・・うれしいです」
(でも魅力だって言ってくれてるから素直によろこぼっと)
「少し暑い上着を脱いでくる」
(わぁ・・・脱ぐ音が・・・妙に色っぽい上着を脱ぐだけなのに・・・いろいろ妄想しちゃう。はだけた胸元から覗く彼の鎖骨透き通ってて柔らかい・・・肌・・・)
イザナが灯りをつけたことにより二人の視線が合わさった。
(!!)
「ど・・・どうして明かりを?」
「いや・・・俺はただ・・・ずっと暗闇の中にいるのもなんだから・・・」
「陛下・・・まさか・・・い・・・今私が考えてたこと読んじゃいました?」
「・・・・・・さっき生姜令嬢は純粋だと言ったのを撤回する」
イザナはそう言い胸元を隠す。
(ギャアアアッ!!間違いなく読まれた!しかも『透き通ってて柔らかい肌』ってとこを!!)
「・・・やっぱり明かりは消した方がいいだろうか?」
(・・・星になったパパ空から私を見ているのならどうすればいいか教えて。パパの自慢の娘は気になってる男の子・・・しかもこの国の王にヘンタイなのがバレました・・・)
(私この先どうすればいいの・・・?)
第24話 感想
イザナが電気をつけたのはわざとなのかなwwwとりあえず、悪いようにはならずにすんで良かったって感じです。