第22話 ネタバレ
(しかもこれ・・・発動すると必ず相手を殺す〈必滅〉スキル!!)
「避けられぬ死を・・・お前に贈ろう」
(このままじゃまずい!!残りのマナをかき集めてでも・・・!!)
「〈悪夢の投影〉!!」
スキルを使って幻覚を見せたユーフェミアは一命をとりとめる。
「アスモーフェル!!俺を追いかけて自らの足でここへ来たのか!?」
フィアロはスキルの影響で幻覚を見ていた。
(〈悪夢の投影〉相手を幻覚に陥れる究極の技〈必滅〉に備えて用意しておいた最終兵器・・・ほんのわずかな間だけどフィアロは今アスモーフェルと戦う幻覚の中にいる。その間にマナを回復して!)
お知らせです。技の使用限界超過により身体機能が低下します。しばらくの間スキルを使用することができません。全てのステータスが50%ダウンします。
(う・・・嘘でしょ・・・!クエストクリアは目の前なのに・・・!!で・・・でも!!フィアロがまだ幻覚に掛かっているならまだ可能性が・・・!!)
フィアロに視線を向けるとフィアロもこちらをするどい目で見ていた。
(もう回復したっていうの・・・?どうする・・・?複製術士の身体能力なんてたかが知れてるし・・・)
クエストを放棄します。クエスト失敗。レベルが2ダウンしました。アスモーフェルの信頼度がダウンしました。
(2ヶ月の努力が水の泡ね。新しい称号を手に入れるチャンスが・・・重複して効果が得られる称号の獲得は私には絶対に欠かせないのに・・・)
「ムカつく!!S級クエストなんてなかなか出会えないのに~!!」
「『エリナ』さんですね?伝言をお持ちしました」
クエストが失敗したことで叫んでいるとNPCがユーフェミアに声をかけてきた。
「伝言?」
「よろしければ・・・仕事を1つ引き受けていただきたいのです」
クエストが生成されました
(フィアロのせいでやる気もなくなったのにこんな時に雑魚クエストなんて・・・)
ユーフェミアがクエストを確認する。
クリア報酬:1500ゴールド 称号『勝負師』
*勝負師:闘志能力値解放 幸運能力値解放 スキル〈サイコロ転がし〉生成
(『エリナ』・・・職業特製によって手に入れた複数の身分の中で『エリナ』ってことは・・・アイテム製作の時に使っていた名前ね)
「メロ商団ですね?お引き受けいたします」
『アイテム製作対決!(不明)』
メロ商団の要請を受け上級鍛冶職人カンの後継者との製作対決に勝利せよ
クエスト『アイテム製作対決!(不明)』を承諾しました
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「グリードそろそろ機嫌を直したらどうだ」
「ふん!初対面の奴にあんな任務を任せるなんて・・・」
「わしらがウィンストーンを離れようとすれば商団が黙ってはいないだろう?だがよそ者であるフロイなら監視の目をくぐり抜けることができる。恩人であるお前にそんな危険な仕事を任せるわけにはいかないさ」
「ふん・・・」
「息子のように思っているお前の身に何かあったらわしは・・・」
「・・・何泣いてんすか。そんなことより対決の日は決まったんですか?」
「2日後だ・・・問題ないな?」
「もちろん!奴らに実力の差を見せつけてやりましょう!」
巧はアイテムを製造する。
(一連の作業を繰り返していると技術に慣れていく。自分がより効率的に動けてることを実感する・・・)
レアアイテムを製作しました全ての能力値+2 大陸全域での名声+30
エピックアイテムを製作しました全ての能力値+4 大陸全域での名声+80
根気がアップしました。器用さがアップしました。
(どんどん成長していくのって気持ちいい!)
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「真っ白に燃え尽きたぜ・・・かなり頑張ったしどれだけ上がったか見てみるか・・・数十個以上アイテムを製作したのにたったこれだけ?ヤパの矢の時と違うな・・・」
(メロ商団のせいで上級材料が手に入らないから仕方ないかエピックを何個か売ってもいいけど・・・でもステータスとは別に熟練度が上がっていくのは確かに感じられるな。その上・・・追加ステータスが130ある!
対決のためには器用さに割り振るべきだけど・・・あのチンピラどもにやられたことを考えると基本ステータスも上げておきたいし・・・)
「よし体力に60 器用さに70・・・」
体力が52から112にアップしました。器用さが99から169にアップしました。体力がアップし生命力が936から1536に増加しました。
(すげぇ!!レベル21でこんな能力値なんてあり得ないだろ!!ステータスだけ見ればレベル75にだって負けないぞ!!しかもステータスは上級アイテムを作る度に追加でアップするから・・・戦闘スキルが足りないという欠点もステータスでカバーできる!!もちろんそれなりの製作作業が必要になってくるけど力仕事には慣れてるしな!
明日の決戦ガテン系の底力を見せてやるよ・・・!!)
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〈ウィストーン中央広場〉対決当日
広場の会場はNPCの住民とユーザーたちで混み合っていた。
【観客側】
「すごい数のNPCだな」
「メロ商団から鍛冶場を守ろうとする住民たちらしいよ」
対決を見に来たユーザーたちが話していた。
「グリード頑張れ!絶対に負けるなよ!!」
「鍛冶場を守ってくれ!!」
住民たちが巧を応援する。
「あいつがグリードか?でも何だあの格好・・・低レベルのユーザーなのか?」
「低級鍛冶職人の対決なんだろ」
巧を見たユーザーが言う。
【メロ商団側】
「準備は万全だなラビット?」
「もちろんです」
「それでは!対決をするお二人を紹介いたします!メロ商団の『エリナ』!!」
呼ばれた『エリナ』は片手を上げる。
「おおお!か・・・可愛い!!」
「エリナ頑張れ~!!」
男の観客たちは目をハートにして応援していた。
「皆さん~応援ありがとうございます~!」
ウインクをして愛嬌を振りまく『エリナ』。
「エ・リ・ナ!エ・リ・ナ!!」「勝手くれエリナ!」「応援してるぜ~!!」
観客が盛り上がる。
(可愛いな・・・血色の魔女ユラと張り合うくらいか?でもこっちには村人たちがいるから・・・)
村人の応援を期待する巧だったが、村人たちはエレナにデレデレだった。ショックを受ける巧。そんな巧に司会の男は「あのーそろそろいいですか?」と声をかけた。
「グリードさん!これも何かの縁ですしよろしくお願いします~」
エリナが笑顔で挨拶するが巧は「は?慣れ慣れしくすんじゃねえよ『チビ』」といちゃもんをつける。
「チビだなんて・・・この美貌を前によくもそんな失礼なことが言えるわね?」
「可愛いのは認めるが・・・ガキのくせに色仕掛けなんて悪知恵働かせてんじゃねぇぞ」
(な・・・何こいつ・・・私にこんな態度を取る男は一人もいなかったのに・・・皆の前で恥をかかせてあげるわ!)
「19歳なんだからガキじゃないわよ!」
「俺よりはガキじゃねぇか」
「それでは対決を始めましょう!!」
司会の男が言う。
第22話 感想
スキルコピーの力を持つユーフェミアと巧の対決となりましたが果たして勝てるのか気になります。