第26話 ネタバレ
「どこまで降りなきゃいけないんだよ!?地下3階で終わりじゃないのかよ!?」
「少なくとも4階までは降りてみないとダメよ!」
クエスト制限時間残り1時間10分です
「本当にここで合ってんのか?フロイのやつもしかして上にいるんじゃ・・・」
「あなたを探すために1階と2階を回ってみたけどそんな名前の人はいなかった。それにフロイが地下4階にいることは確かな筋からの情報よ」
「だから・・・どこまで降りたらその4階に着くんだよ!」
残り時間がないなか階段を降りてもフロイはなかなか見つからない。しかも、敵が押し寄せてきた。
「下に降りたぞ!!全員追いかけろ!」
「・・・・・・!!とりあえずあっちに逃げよう!!」と巧が言う。
「・・・・・・!あら!光も届かない地下なのにこんなキレイな花が咲いてるなんて・・・」
ユーフェミアが青い花をみつけて手をのばす。
「触るな!!」
「え?」
「見てみろ通路全体に罠が張られてる!幸い罠は簡単なものばっかだし慎重に進めば大丈夫・・・」
しかし、ユーフェミアが花を摘みとってしまった。罠が発動して、巧の前を刃物がよこぎる。
「・・・・・・き・・・気を付けろよ」
(こいつ・・・そんなことしてる場合じゃないだろ!)
巧が注意してもユーフェミアは数々の罠を発動させ、そのつど危険なめに遭うのは巧だった。
「おいユーフェミア!!いい加減にしろよ!!罠だっつってんだろうが!!」
「先に確認しておかなきゃ安心して進めないじゃない。そもそも超過任務だって言ってるんだしそこまであなたに合わせてあげる義務はないでしょ?」
「いたぞ!!こっちだ!」
「・・・・・・!!」
巧は罠が発動してできた穴から下の階へと降りる。
「グリード!どこに行くの!?」
「下の階ならここから行った方が早いだろ!そっちは頼んだぞ!!防御アイテムもない状態で一緒に戦うのは無理だ!俺はフロイを捜してくるから火炎魔法か何かで一気に片付けてくれ!」
「捕えろ!!」
「もう・・・!!本当に自分勝手なんだから・・・!!こんな密閉された地下で火炎なんか使ったら私まで丸焼きになっちゃうでしょバカ!!」
「そうなのか?どうせ乗りかかった船だ最後まで手伝ってくれよな!」
(複製術士か・・・他人のスキルを全てコピーできるってことかな?魔法は強力だけどその反面呪文を唱えなきゃいけないっていうデメリットがある・・・詠唱なしに即座にスキルを使える魔法士だなんて・・・そんなん完全にチートだろ。まぁおかげで後ろは心配しなくても良さそうだな。しっかり食い止めてくれよなチビ!)
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「霧の女王の吐息〈ホワイト・クイーンズ・ブレス〉!!ふぅ・・・こんなに倒したのに全然 数が減ってないじゃない・・・」
(広範囲技の火炎魔法を使えたら楽だけど・・・そんなことしたら私まで黒焦げになっちゃう。フィアロのクエストで残った魔法が11個。警備隊相手に負けることはないと思うけど・・・問題はこの大勢の警備隊の中に『5人のウィンストーン騎士』が見当たらないこと!)
「1人は逃げたぞ!分かれて追いかけろ!」
「はっ!!」
「〈光の剣〉!!」
「こ・・・こいつ!!まだ抵抗を続けるつもりか!?」
(とりあえず約束は守るわよ!これで残り魔法は10個!こっちにだって限界があるんだから急いでもらわなきゃ困るわよグリード!)
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(現実では約50時間が過ぎた・・・誰か助けてくれ・・・もう・・・無理だ・・・これ以上は・・・)
「うああああっ」
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「!!」
「フロイの声だ!!」
フロイの叫が聞こえた巧は急いで声が聞こえた方へ向かう。
「こっちか!?クソッ面倒なことに巻き込みやがって・・・!見つけたらただじゃ・・・お・・・お前はさっきの・・・!!」
「ウィンストーンの騎士『レオ』だ!!お前の脱獄の知らせを聞いた。フロイの仲間なら当然 目的はここだろうからな」
(クソ・・・!!騎士ってことは少なくともレベル180・・・どうすりゃいいんだ!?)
「さっきはペチャクチャしゃべってばっかいたけどやっと腹くくったってわけか?」
「口の減らん奴だ。この俺相手に死ねることを光栄に思え!」
(まずい・・・挑発しすぎたか!?)
「〈鍛冶職人の憤怒〉!〈迅速な身のこなし〉!」
20秒間攻撃とスピードが大幅にアップします。
1分間素早と回避率が大幅にアップします。
(こうなりゃ戦うしか・・・)
「!!」
(は・・・速・・・!!ううっ・・・とんでもないスピードだ・・・!この短剣の〈迅速な身のこなし〉がなけりゃ間違いなく死んでたぞ!!)
「俺を腰抜け扱いした上に渾身の一撃まで防ぐとは・・・!鍛冶職人の分際でよくも騎士のプライドを傷付けてくれたな生きて帰れると思うな!!この究極の火炎剣で・・・その身を灰も残さず焼き尽くしてやる!!」
「ぐっ・・・!!」
17300のダメージを負いました。生命力が最小値となったため〈不死〉が発動しました。5秒間ダメージが無効化します。
「何つー爆発力・・・!!とりあえず飲み薬で回復だ!!・・・ん?あいつ何やってんだ?」
「!!」
「き・・・貴様・・・」
『こんな密閉された地下で火炎なんか使ったら私まで丸焼きになっちゃうでしょバカ!!』
ユーフェミアの言葉を巧は思い出す。
(粉塵爆発!?)
「な・・・何を・・・した・・・ぁ・・・」
「実力の差だろ」
(超ラッキー!!)
「ぐ・・・ぅ・・・クソ・・・」
ウィストーンの騎士を倒しました。称号〈ナイトスレイヤー〉を獲得しました。監獄の鍵を獲得しました。レベルアップしました×13 現在のレベルは45です
「よっしゃーっ!!」
******
巧はフロイが捕らわれている牢を見つけだし扉を開けた。
「見つけたらぶん殴ってやろうと思ってたけど・・・殴るまでもなく今にも死にそうじゃねーかフロイ」
「あ・・・あ・・・あなたはカンさんの・・・」
〈クエスト完了〉
セカンド職業〈正義の使徒のパートナー〉を獲得しました。
フロイ「あなたが・・・僕を助けてくれたんですね」
勇気能力値解放
スキル〈正義のための犠牲〉生成
称号〈試練を克服した者〉獲得
不屈能力値解放
スキル〈屈強な意志〉生成
〈クエスト完了〉
巧「ん?」
称号〈正義の使徒〉を獲得しました
巧「おお・・・!」
勇気能力値解放
全ての能力値+10
スキル〈折れない正義〉生成
ウィストーンでの名声MAX ウィストーン住民の好感度MAX
フロイ「グリード様・・・」
巧「・・・え?」
(誰だっていいこのクエストさえ手伝ってくれるなら・・・僕の全てを捧げて忠誠を誓おう!)
「青い狼の血を引く者ダンバ・アルンバタールあなたに付き従いこの恩をお返しします〈正義の使徒のパートナー〉の名にかけて」
「お・・・お?」
(何だこいつ?気でも狂ったのか・・・?)
第26話 感想
まさか敵が自爆してくれるとは・・・フロイは長時間拘束された影響がでてるのかな?