
第25話 ネタバレ
「・・・やっぱり明かりは消した方がいいだろうか?」と話すイザナにジンジャーは「もう変なことは考えませんのでご安心ください!」と恥ずかしそうに顔を赤くして言う。

(よりによってなんであのタイミングで明かりをつけるかな!目も合っちゃうし!)
「そんなことを考えてもいいと許可したことはなかったはずだが・・・」
「えっそれって・・・陛下に許可をいただいたら好きなだけ妄想していいってことですか?」
目を輝かせて尋ねるジンジャーにイザナは
「・・・・・・それについては少し検討してみよう」と話した。
(いやいや今のは冗談だから!冗談!真に受けないでよ!)
「まぁたしかに俺の肌はやわらかいかな」
(余裕ぶったフリしながら後ずさりしてる)
「ハハッ・・・そうですか・・・お肌・・・がやわらかいイザナ陛下・・・いつまでそこに立っていらっしゃるつもりですか?こちらに来てください襲ったりしませんので」
「いいやもう遅いからそろそろ帰った方がいい。こんな時間まで男の部屋にいるおまえの言うことは信用できないし」
「えっ!もうこんな時間!?」
帰りたくな~い・・・と思うジンジャー。

(イザナは今何を考えてるんだろ?イザナも私の別れを惜しんでたらいいな。私にもイザナの心を読む力があればいいのに・・・)
チラッとイザナを見上げるジンジャーに「どうしたんだ?」と尋ねた。
「あの~・・・泊まっちゃ・・・ダメですよね?」
「・・・なんて危ないことを言うんだ」
「別にいいじゃないですかもう陛下の肌のやわらかさまで妄想しちゃったんだしせっかくだから触らせてもらうのも悪くないかな~・・・なんて・・・」
「ジンジャー・トルテ度が過ぎた冗談はよせ」
ジンジャーの言葉にビクッとするイザナ。
(私は本気なんですけど?冗談なんかじゃありません)
またまた目を輝かせるジンジャー。
「・・・こんなに心を読むのが怖い相手ははじめてだ」
「男なら恐怖に負けてはいけません!」
「なんだよそれ」と笑うイザナ。

(イザナとの距離が縮まった気がする。ヘンタイなのがバレたのは無念だけど・・・このままいけば小説に書かれた不幸な結末は回避できるかも。
いいぞこの調子だ!)
「とにかく今日はもう帰れ明日の朝ミケルセン公爵と会う約束をしてる」
「まさか私の婚約のことでですか?」
「うんでもまだ、どうやって婚約を破棄させるか悩んでる。公爵令息の婚約をなんの理由もなく解消させるわけにはいかないし・・・破談にするしかない理由を考えないといけないんだが」

(たしかに・・・いくら王でも理由なく命令を下したりはできないよね。イザナは王位を継承したばかりだし。破談にするしかない理由・・・)
「あっ!いいこと思いつきました!陛下やっぱり私今日はここに泊まります」
ジンジャーの言葉に(えっ・・・?)と驚くイザナ。
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イザナは部屋で本を読んでいた。
「・・・・・・」
『私と一夜を共にしたことにするんです』
ジンジャーの言葉を思い出す。
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【イザナ回想】
「なんだって?」
「私と陛下がそういう関係だってことにすれば公爵もさすがに私と自分の息子を結婚させたりしないはずです。もちろん・・・実際に一夜を共にするわけじゃありませんが陛下がお望みなら実際に共にしてもいいですし・・・」
「へ・・・変なことを言うな!」
「はぁ~い・・・」
「・・・生姜令嬢のイメージが悪くなりそうで引っかかるがおまえが気にしないのであれば止めはしない」
「わっ!陛下!私の心配をしてくださるんですか?」
「心配ではなくただ引っかかるだけだ」
「ということで今日はここに泊まっていいですか?」
「わかった君の母親には俺から連絡しておこう」
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「頭の中が生姜令嬢でいっぱいで集中できない」
(本当に怖いもの知らずでおかしな子だ。もう寝ただろうか・・・)
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イザナがジンジャーの泊まる部屋に訪ねると、ジンジャーは気持ちよさそうに眠っていた。
(『イザナの部屋にお泊まりだなんてドキドキして絶対に眠れない!』・・・って言ってたくせに)
イザナはジンジャーの顔に触れる。
「生姜令嬢・・・どうしてくれるんだよ?」
「う~ん・・・」と寝言を言うジンジャー。
(俺は今何をしてるんだ?小説の内容はなかなか衝撃的だった。呪いをかけられ塔に閉じ込められただけでなく受け入れがたい結末が俺を待ち受けているなんて。
生姜令嬢が傍にいなければ絶望していたことだろう)
「・・・ありがとうジンジャー」
イザナは部屋を出て行った。
第25話 感想
ミケルセン公爵はイザナとジンジャーが一緒にいるところを見たらかなり驚きそうですね。素直に婚約解消が出来るのかは謎ですが・・・