第34話 ネタバレ
レラジエの父の来訪をやり過ごしたイザナ。そこに突然ハメルが部屋に入ってきてベッドでジンジャーと一緒にいる姿を目撃する。
「あっ・・・!」
「お取り込み中申し訳ございません。ノックをすべきでした・・・」
「いや大丈夫だちょうど用が済んだとこだった」
(済んだって何が・・・!!)
「はい・・・」
「ララ誤解しないで!」
「誤解・・・と申しますと?」
「誤解・・・?」
ハメルもイザナもキョトンとした様子でジンジャーを見つめる。
(私ってばなに変なこと考えてんの?)
「あ・・・その・・・えっと・・・」
「どうやら生姜令嬢はただの生姜ではなく・・・ヘンタイ生姜だったようだ」
「へ・・・陛下!いくらなんでもヘンタイ生姜はひどいです!」
「やめてください!」
「へぇ・・・?ヘンタイ生姜が嫌なら」
「陛下!」
「なら卑猥な生姜!」
(喧嘩売ってる?)
「え~ん・・・卑猥な生姜だなんてひどいです。こう見えてまだ結婚前の十七歳の少女なのに・・・」
「大丈夫だ責めているわけではない。俺が悪い。十七の少女なら俺のようないい男を見れば卑猥な考えもしてしまうだろう」
「・・・たしかに私がヘンタイ生姜になったのって陛下のせいですよね」
「えっ?」
「陛下がベッドに上がって来いなんておっしゃらなかったら変なこと考えたりしませんでした」
「悔しいです陛下の容姿もズルい」
「俺の容姿にケチをつけるのか?」
「・・・いえ目の保養になっていいですけど・・・」
「それより!どうして侯爵の前であんな演技をされたんですか?」
「あっ、つい先ほどアトランタ侯爵とすれ違ったのですがどこかお怒りのような表情を浮かべていらっしゃいました。まさか・・・また結婚話ですか?」
「恐らくそうだと思うしつこい人だ」
(えっ・・・レラジエをイザナと結婚させようとしてるってこと?)
「俺は人に勧められるがまま結婚なんてしたくない。生涯をともにするのだから一緒になりたいと思える人と結婚したいんだ」
(イザナが一緒になりたいと思える人・・・それが私だったらどんなに幸せなことか。彼の心を射止めることができるなら・・・どんな代償だって払える気がする)
「えっ・・・?生姜令嬢は俺に何を求めているんだ?」
「ご存じのくせに~」
(陛下が探している人は案外近くにいるかもしれませんよ)
ジンジャーがイザナを見つめる。
「ララ・・・休暇中に呼び出したのは他でもなく・・・」
「陛下!無視しないでくださいよ!」
「ララ生姜令嬢の話を聞いたか?」
「いいえ・・・」
(心の中でしか言ってないんだからララに聞こえるわけないでしょ!)
「・・・で私をお呼びになった理由はなんですか?」
「おまえに話があるからだ」
「話?」
「ゲシュトと呪いについて」
(ゲシュトと呪い?でも呪いについては何もわからないって・・・その話は・・・誰に・・・聞いたんだっけ・・・?覚えてるようで・・・思い出せないどうして・・・?)
ハッとしたジンジャー
「あの・・・ララの前でこんな話をしていいんですか?」
「大丈夫ララも俺の力のことを知ってるんだ。今、俺の秘密を知ってる人は生姜令嬢とララの二人だけ」
(いえ・・・実はレラジエとキキも知ってます)
「話を続けると本に書かれていた通り俺に呪いをかけたのはゲシュトだと思う。彼が消えてからこの力が発現したからね・・・しかもこの呪い魔法は誰にでもかけられるものじゃない」
「それどういうことですか?」
塔の外に出てからイザナは呪いを解く方法を調べた。しかし、いくら探してもその答えが見つからないため発想の転換をする。
「どうやったらその呪いをかけることができるのか?」
「呪いをかける方法・・・?」
「・・・呪いをかけることができる魔法使いは数が限られている。大きな魔力が要求されるため優れた魔法使いでなければ不可能だそうだ。魔力だけでなく自身の生命力をも削る禁じられた魔法それが呪い魔法なんだ」
第34話 感想
自分の命を削ってまで呪いをかけるとか何か皇家といざこざがあった感じですね。