ピッコマ『悪役が施す美徳』第35話 ネタバレ&感想

第35話 ネタバレ

ジンジャー
ジンジャー

(自身の生命力を削ってまで誰かを呪うそんな恐ろしいことをするなんて・・・呪いがどれほど人を苦しめるのかはイザナを見ればわかる。誰でも簡単に呪えるなら今頃国がめちゃくちゃになってるはず・・・)

「命の危険が伴う禁断の魔法をかけられるなんて・・・恨みでも買ったんですか?」

「恐らくだけど僕は当時まだ子どもだったどうしてゲシュトの反感を買ったのかわからない」

(いい大人が子ども相手になんてことを・・・しかも命を削ってまで。他に理由があったんじゃ・・・)

『陛下は今あなたの方を向いているかもしれないけど必ず振り向かせてみせる』

レラジエの言葉を思い出したジンジャーは考える。

ジンジャー
ジンジャー

(まさか・・・レラジエは知ってるのかも)

「一つ引っかかることがある」

「なんですか?」

「レラジエ・アトランタの赤いネックレス・・・ゲシュトはどうして孫にあんなものを残して逝ったのだろうか・・・?孫を守るため?はたまた・・・」

「・・・・・・」

「会ってネックレスについて聞いてみるつもりだ。ララ彼女のことを詳しく調べてくれ」

「かしこまりました」

(イザナがレラジエに・・・小説ではあのネックレスのせいでレラジエとイザナがくっつくことになる。そりゃ会ってたしかめたくなるよね・・・)

「生姜令嬢も彼女について何か知っていれば教えてくれ」

「はい陛下・・・」

「呪いを解く方法を見つけることができないのならせめて理由だけでも知りたい。そこから新しい手がかりを得られるかもしれないからね・・・」

ジンジャー
ジンジャー

(すべての鍵を握っているのがレラジエならイザナがあの子に助けを求めるのを止める権利なんて私にはない・・・頭ではわかってるのに・・・このまま小説みたいにイザナがレラジエと恋に落ちたら?)

(これまで必死にそれを阻止しようと重ねてきた努力が水の泡になる。私とレラジエは前世で一体何があったのよ!?)

ジンジャーは手をギュッと握り涙を我慢する。そんな姿をハメルが心配そうな顔で見つめていた。

******

宮殿からの帰りの馬車で

「レラジエ様のことをお考えですか?」

「は・・・はい!?」

「彼女が一体どんな切り札を持っているのか私も気になります・・・」

「ララがどうしてそれを・・・?」

(そういう話を一緒にしたのはたしか・・・)

『レラジエ様はイザナ陛下の呪いを解く鍵を握っているのだと思われます』

(!? あれ?誰と話したんだっけ・・・?)

ハメルがパチンっと指を鳴らすとブレスレットが消えた。

(!!)

「ハメル!そうよあなたよ!」

「思い出しましたか?」

「ブレスレットの効果でさぞかしモヤモヤされたことでしょう」

「ホントですよ・・・思い出しそうで思い出せないし。あのブレスレットいつまでつけないといけないんですか?」

「呪いに関する情報が集まれば正体を明かすつもりです。それまでがんばってください」

ジンジャー
ジンジャー

「まあそれはいいとして・・・陛下が言ってた呪い魔法の話って本当ですか?ハメルは魔法使いだから何か知ってるんじゃないんですか?」

ハメル
ハメル

「魔法使いごとに得意分野が異なります。それに私が魔法をはじめる何年も前に呪い魔法は禁じられてしまいました。呪い魔法に関する資料も回収されたためどこを探しても陛下がお探しになっているような具体的な情報は記録されていませんでした。

毎日いろんな書物に目を通していたところ・・・宮殿の図書館で古い箱を見つけたのです」

「箱ですか?」

「はい地下書庫の本棚の下に隠されていました。その箱の中にはなんと百年ほど前に王国で暮らしていた魔法使いに関する記録が入っていたんです。呪い魔法の実験記録も」

「・・・呪い魔法をテストしてたってことですか?」

「呪い魔法は『戦争兵器』に使われかけていました。考えてもみてください。呪いを自由自在に操ることができれば戦争で勝つことも反対勢力を消すことも簡単にできるようになるのです。

実験結果、呪い魔法には成功しましたが・・・魔力が尽きた魔法使いは数日間生死の境をさまよい十人に七人は息を引き取ったと書いてありました」

「!! 生命力が低下するだけじゃなくて・・・死んじゃうんですか?」

「魔法使いが持つ魔力量によっては死ぬこともあるようです。呪いの被害者を出さないように呪い魔法が禁じられていたわけではなかったみたいです。王国の大魔法使いだった師匠も・・・当然それをご存じだったはずです。少し衝撃的ではありましたが・・・その情報をもとにもっと調べてみましょう」

「急に恋愛小説から推理小説にジャンルが変わったような・・・」

「陛下がジンジャー様を頼りにされているようです」

「はい?」

「正直申し上げますと陛下がジンジャー様に心を開かれるとは思っていませんでした。陛下はジンジャー様を信頼していらっしゃるのでしょう」

「だったらいいんですけど・・・」

ジンジャー
ジンジャー

(でも・・・イザナが私を頼りにしてくれるのは私がイザナの秘密を知る数少ない人物の一人だから。このまま二人で力を合わせて呪いを解いてその過程でイザナの心まで射止めたいなって思ってたのに・・・

レラジエなんかに邪魔されたくない。何か方法を探さなきゃ・・・)

「ハメル魔法でブレスレットを作ったみたいにネックレスも作れる?」

「はい・・・?もちろんできますが」

「よし!決めました」

「な・・・なんでしょう?」

「レラジエのネックレスを盗むんです!」

「はい!?ぬ・・・盗む?それを私にお話になる理由は・・・」

「わかってるくせに~一緒に盗みに行きましょ★

「うっ・・・!」

ハメルが何か言う前にジンジャーは「しっ!ノーとは言わせない」と言い喋ろうとしていた口を指で黙らせた。

第35話 感想

呪いの魔法はやっぱりリスクがあるようですね。自分の命を犠牲にしてまで呪ったのには何かありそうです。そしてジンジャーはまだレラジエのネックレスを諦めてなかったようですね。

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