第43話 ネタバレ
「・・・てやる」
「はい?」
(ね・・・寝たんじゃなかったの?)
「・・・ぶっ壊してやる」
「何をですか?」
「こんな忌々しい塔なんてぶっ壊してやる。粉々にしてやる・・・もう二度と・・・誰も閉じ込められないように・・・」
(寝言?フゥ・・・びっくりした起きたのかと思った。大人だから感情的なことはしないんじゃなかったの?歴史的建造物だって言ってたくせに。まぁ、イチャイチャはできなかったけど・・・かわいい寝顔が見られたからこれでよしとしよう)
「それじゃ塔の見学でもしよっかな?せっかく来たんだし!」
ジンジャーが立ち上がった時、裾を踏んでしまいよろけてしまう。そして、眠るイザナにキスをしてしまった。
(!!!?)
「キャァァァッ」
(陛下!い・・・今のは絶対にわざとじゃありません!!)
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「う~ん・・・」
「陛下お目覚めですか」
(あのジュース・・・いやワインを飲んだ後のことを覚い出せない)
「・・・ジンジャーは?」
「他の者に邸宅まで送らせました。おやすみ中に帰宅し申し訳ないとおっしゃっておりました」
(ほう・・・逃げたのか大した度胸だ・・・この俺を・・・泥酔状態にし逃げるとは!それより・・・気のせいか?まだ生姜の香りがするような)
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「フゥ・・・」
ジンジャーは風呂に入りながら今日のできごとを振り返る。
「まさかミカエルが待機してたとは・・・というか転んだ拍子にキスしちゃうとか・・・すごく・・・キャーッ」
(ラッキー!!母のご加護のおかげ(?))
「お・・・お嬢様!?どうかされましたか?」
「ううんなんでもないすぐに上がる」
「かしこまりました。ではごゆっくり」
(私ってば興奮しすぎ)
(あっそうだネックレス・・・うっかりつけてきちゃったどうしよう・・・まあいっか!何か言われたらまた持っていけばいいんだし)
またまたキャッと喜ぶジンジャーにメイドは「本当に大丈夫ですかお嬢様!?と心配する。
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三日後ノックス伯爵邸でのパーティー
(あの日の事件が忘れられなくて会うのが恥ずかしいけど・・・みんなが集まるパーティーだからイザナとレラジエが会っちゃう可能性が高い)
(あの二人をくっつけるわけにはいかない。万が一レラジエがイザナに話しかければ・・・ネックレスが偽物だってことに気づくはず・・・)
「陛下お変わりございませんか?」
「お会いでき光栄です」と貴族たちがイザナに声をかける。
「招待ありがとう。君たちが元気そうで何よりだ。今夜は俺に気をつかわず・・・」
イザナはレラジエを見つけた。
「・・・楽しんでくれ」
「陛下お元気でしたか。近いうちに是非、陛下とお話がしたいと思っておりました。こうしてお会いできうれしいです」とレラジエが声をかける。レラジエの首には赤いネックレスがあった。
(あのネックレス・・・)
「ちょうど俺もそなたに聞きたいことがあった。静かなところに場所を移そう」
「はいよろこんで」
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「こんばんはみなさん」
「こんばんはトルテ侯爵令嬢。まあ、今日はいつになくおきれいで」
「見違えましたわ!」
「ところで今日のパーティーには陛下もお見えになりましたか?」とジンジャーが令嬢たちに尋ねると
「はい今はお姿が見えませんがお越しになっていました」
「さっき、きれいなご令嬢と二階に上がるのを見ましたが・・・」
(もうレラジエに会ってしまったの!?)
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ガチャッ
「ここにもいない。反対側のテラスかな・・・」
ジンジャーがイザナたちを探しているとハメルが肩をポンッとたたく。
「ジンジャー様」
「ハメル・・・?どうしてここに・・・?休暇を取ったんじゃ。びっくりしたじゃないですか」
「・・・・・・」
「何かあったんですか?あっすいませんが話は後にしてください。反対側のテラスに用があって」
「行かないでください」
「えっ・・・?」
「忘れようとしても・・・ダメなのです」
「何が?レラジエ?愛の告白は当事者同士でお願いします」
ムスッとするジンジャーをハメルがグイッと引き寄せ抱きしめた。
「・・・・・・!?」
(!!!)
「・・・あなたです。ジンジャー様あなたをタンスの中で抱きしめたあの瞬間から・・・あなたの温もりが・・・忘れられません」
第43話 感想
ハメルがついにジンジャーに告白してきましたね。イザナがそれを目撃するのかな・・・?何か進展がありそうです。