第32話 ネタバレ
「呪いというのは一生解けないわけではありません。かけた呪いは解くこともできるのです」
「じゃあレラジエは呪いを解く方法を知ってるからあんなに自身満々だってことですか?」
「あくまで予測ですが」
(たしかに・・・ずっと苦しめられてきた呪いを解いてあげたらレラジエの好感度は上がるはず。だけど・・・レラジエは呪いをかけたゲシュトの孫。敵の孫を愛することなんてできるの?)
「ハメルは呪いを解く方法を知らないんですか?ゲシュトの弟子なんですよね?」
「呪いを解く方法は・・・」
(知ってるのね!?)
「わかりません」
「えっならなんで今間を置いたわけ!?」
「少し考えてみただけです。知っていればとっくに解いていますよ」
(たしかにそうよね・・・呪いを解く方法・・・)
******
ハメルに会ってからジンジャーは二日間図書館に閉じこもって魔法と呪いに関する本を読みあさった。ヒントを得ることができるかもしれないと思って・・・
(イザナにもう一週間も会ってない・・・レラジエがイザナに呪いを解く方法を教えてあげちゃってたりして?そろそろ私を呼んでくれてもいい頃なのに呼ばれないってことは・・・私にはもう用がないってことなのかな・・・)
「宮殿に突撃するわけにはいかないし・・・」
「ジンジャー様やっと見つけた」
「ハメル!」
「陛下命令でお迎えに上がりました」
「こんなにハメルに会うのがうれしいのははじめてかも!」
「そんなに好きなのですか?」とハメルはクスッと笑う。
「何をですか?」
「イザナ陛下です」
「い・・・いえ!陛下が好きというか・・・きゅ・・・宮殿が好きであの美しい宮殿をまた歩きたいなぁって・・・ただそれだけ!!」
真っ赤な顔でジンジャーはオロオロする。
「へぇ・・・?」
「で・・・陛下が私をお呼びなんですか?」
「はい邸宅で図書館に行かれたと聞き参りました。馬車に移動しましょう」
******
「ハメル呪いを解く方法はわかりましたか?」
馬車の中でジンジャーはハメルに尋ねた。
「呪いを解く方法は呪いをかけた人にしかわからないのです。一応師匠が遺した記録を確認しましたがそれに関する記述はありませんでした。ただ一つわかったことがあります」
「なんですか?」
「それは陛下からお話があるはずです」
(イザナから・・・?)
「ジンジャー様はプランBを考えてくださいましたか?」
(!!)
ハメルの質問にジンジャーはむせた。
「もちろんです!まだ・・・計画途中なので話せませんが数日後には完成するのでそのときにまた・・・会いに来てください。心配ご無用」
笑顔でピースするジンジャーに「さすがジンジャーさん」と感激するハメル。
(レラジエを口説く方法を真剣に考えてみなきゃね・・・)
******
「陛下はここにいらっしゃるんですか?」
「はい。あのジンジャー様今日もこれを・・・」
(ブレスレット!!)
「よろしくお願いします」
魔法のブレスレットを付けられたジンジャーは目がトローンとしはじめ意識がはっきりするとジンジャーはハメルを「ララ・・・?」と呼びかけた。
「はいジンジャー様陛下に声をかけて来るのでお待ちください」
(・・・まだ陛下に私の正体を明かすわけにはいかないのです)
ハメルがドアをコンコンと叩いた。
「陛下ジンジャー・トルテ様がお見えです」
しかし、イザナから返事がない。ハメルは首をかしげる。
「陛下?ラキシャンです。・・・どこか行かれてしまったようです」
「えっ?それなら私はどうしたらいいんですか?」
「探してきますのでここでお待ちください」
「はい・・・わかりました」
(どこに行ったんだろう・・・んっ?あそこは・・・前に私が泊まった部屋だ暗闇の中でイザナと手を繋いだあの部屋・・・)
ジンジャーはドキドキしながらドアを開ける。
(昼に見るとなんだか雰囲気が違う・・・・・・!嘘でしょ!イザナ!!)
部屋でイザナが眠っていた。
(わぁ・・・天使みたいな寝顔。見てるだけで心が浄化されそう・・・夢みたい・・・)
ソ~ッとイザナの顔に触れるとイザナが目を開き手を掴まれてしまう。
(!!)
「へ・・・陛下・・・!」
第32話 感想
なかなか呪いを解く方法が見つからないようですね。しかも呪いをかけた人にしか解く方法がわからないなんて・・・