第31話 ネタバレ
「ど・・・どうしてタンスから人が！？」
「！」
「大丈夫ですか？」と慌ててジンジャーが駆け付ける。
「・・・うっ」
「大変・・・どうしてこんなになるまで我慢したんですか！」
（やっぱり無理させるんじゃなかった・・・）
「ううっ・・・私はもう終わりです・・・」
「お・・・わりって？」
「・・・それとない色っぽさ・・・」
「あ・・・」
（たしかにこれじゃもう挽回できそうにないわねハメルのそれとない色っぽさに哀悼の意を表し・・・アーメン。それはそうと大の大人が泣くほど怖がるなんて・・・かわいそう・・・）
ジンジャーはハメルの肩をたたき慰めた。
「これはどういうこと？その人は誰？」
「ハッ！忘れてたレラジエ！！」
（・・・まさかハメルってことに気づいてない？それなら・・・無理矢理誤魔化すことができるかも！）
「大丈夫、私を信じてください」とハメルに言いジンジャーは立ち上がった。
「はい・・・？」
「レラジエ今日はもう帰ってくれない？」
「ふ～ん・・・」
「見ての通り先に来てたお客さんがいるの」
「お客さん？バカを言わないで」
「バカって何が？約束もなしに来たのはそっちでしょ？今すぐ帰って」
「・・・・・・」
（あら？あの髪色は・・・）
「ちょっと！私のお客さんをジロジロ見ないでよ！」
ジンジャーはスカートを広げてレラジエからハメルを隠した。
ビクッと驚いたレラジエは「はぁ・・・呆れてものが言えないわ。理解しようとしても到底理解できない。いいわたしかに約束もせずに来たのは私だから帰ってあげる」
「うんうんさっさと帰って！」とジンジャーはスカートをバサバサする。
「ホント変な子！！」
「それより・・・ハメルさんとそんなに仲がよかったとは思わなかったわ。次は三人で会いましょう」
（！！）
（えっ！バレてたの！？お・・・終わった！ハメルを隠してあげようと思ったのに！）
「少しはよくなりました」
「ご・・・ごめんなさい私を信じてなんて言ったのに結局バレちゃったみたいです・・・」
「大丈夫です・・・耐えてみせると言ったのは私です。自分が情けなくなってきました。それより・・・さっきは慌てていたので聞けずにいましたが、どうして私は隠れなければいけなかったのですか？」
（言われてみればなんでだろ？レラジエが急に来て・・・好きな女に他の女といるところを見られちゃ困るから？）
「あー・・・それはえっと・・・」
（閉所恐怖症の人を閉じ込めるほどの理由ではなかった・・・どうしよう・・・大きな罪を犯してしまった・・・）
「ハハッ・・・たしかになんで隠れなきゃって思ったんだろ・・・」
「・・・ジンジャー様ひどいです」
「でも心配しないで！レラジエにバレちゃったけどプランBがあります！」
「プランB？なんですか？」
「それはこれから一緒に考えましょうヘヘッ・・・」
「・・・・・・早くに亡くした母がこれほどまで恋しくなったのははじめてです」
（ごめんハメル・・・私はただあなたとレラジエをくっつけてあげたかっただけなの！）
「ですが・・・さっきは感動・・・しました」
「感動？どうして？」
「あのスカートをパタパタさせていたのがかなり・・・」
「かなり？」
「かわい・・・かったです」ヒナを守るアヒルみたいで・・・とハメルは言う。
（えっ？か・・・かわ・・・）
「たしかに私・・・ちょっとかわいいとこありますよね」とかえすジンジャーにハメルは思わず笑いそうになった。
「本当にジンジャー様には敵いません。ここまで行動が読めない人ははじめてです」
「そうなんです。私って予測不可能なんです」
「・・・褒めているのではありません」とハメルはキッパリ言う。
「あ・・・はぁ～い・・・」
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（まさかここにハメルがいるとは・・・小説の内容から推測するとジンジャーが何か企んでいるに違いない。ハメルを利用して私と陛下を邪魔しようとしてるのね。
そんなことをしたって無駄よジンジャー私はどんな手を使ってでも陛下をモノにしてみせる）
「小説を先に読んだのが自分だからって優位に立ってると思ってるみたいだけど私はジンジャーにない重要な切り札を持っているもの」
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「それよりどうしてレラジエ様が私の本を持っていたのですか？」
「部屋に置いておいたらキキに盗まれてキキの手からレラジエに渡ったみたいです」
「・・・そうでしたかレラジエ様があの本をまだ読んでいないとは思えませんし・・・イザナ陛下と恋に落ちればどのような結末が待ち受けているのかももうご存じのはず・・・信じる信じないは別として自分が死ぬシーンは衝撃的だったはずです」
（たしかに作り話だとしても小説の中で自分が殺されてしまえば気味が悪い・・・）
「でもあの子結末を知っても陛下が諦められないみたいです。結末を覆す自身があるのかも」
「自身・・・あっ！」
「何か心当たりがあるんですか？」
「恐らく・・・あてにしているものがあるのだと思います」
「あてにしてるもの？」
「ゲシュト」
「レラジエのおじいさんでありハメルの師匠であるゲシュト？」
「レラジエ様はイザナ陛下の呪いを解く鍵を握っているのだと思われます」
第31話 感想
速攻でバレちゃったようですね。あんなに色っぽさを頑張っていたのにwwwそれにしてもゲシュトは何故呪ったのか気になるところですね。呪いは解けるのかな？
