第21話 ネタバレ一覧
【シュリー回想】
これは過去のできごと・・・
雨のなか剣を持ち向かい合う二人
「陛下・・・あの2人に争いをやめるよう命じてください・・・!」
「!」
「ジェレミー!危ない・・・っ!!」
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【現在】
「おい!!このコソ泥野郎!どこから忍び込んできた!?ここがどこだか分かってるのか!?」
ジェレミーがノラに言う。
「あれ?この前のウスノロじゃないかそれと俺は正式に招待を受けた客だ。忍び込んでなんかいない」
「あ?この前は恐れをなしてさっさと逃げ出したくせに今さら虚勢を張ったところで無意味だということも分からないのか?」
「お前こそプライドだけ無駄に高いどこかの成金貴族のドラ息子だと思ってたのにノイヴァンシュタインだったのか家門の恥さらしだな」
「腐った林檎みたいな面した奴が生意気な!家門の恥はお前の方だろう!!」
ノラ・フォン・ニュルンベル・・・帝国の有名な少年剣士たちはもちろん大人の騎士を相手にしても引けを取らないジェレミーを帝国暦1118年建国記念祭の剣術大会で最後まで追いつめた唯一の少年。
ジェレミーが猛獣———
すなわちノイヴァンシュタインの獅子だとしたらノラはニュルンベルの飢えた狼として
(ジェレミーのたった1人の宿敵であり生涯の悪縁・・・!!)
エリアス「こんなに大事になるなんて・・・」
レオン「ジェレミー兄様ケンカしてるの?」
エリアスとレオンが二人の喧嘩を除いて話す。周りの招待客もヒソヒソと話し、遠巻きで見ていた。オハラも無言でジェレミーたちを見つめる。
ノラ「さっきからコソ泥とか言ってるが・・・愚かな人間ほど自分の見たいようにしか物事を見ないものだ。その中に自らを投影していることにも気づかずにな」
ジェレミー「ふん・・・逃げ足が早いだけの奴かと思っていたらご大層な哲学家だったってわけか?そんなに剣が好きなら無駄口ばっかり叩いてないでかかってきたらどうだ?」
「そう言えば俺が怖気づくとでも思ってるのか?」
「やってみろその高い鼻を根っこからへし折ってやるよ」
「よしそれじゃあ今すぐ庭園に」
「ジェレミー!!」「ノラ!!」
喧嘩していた二人はシュリーとニュルンベル公爵に叱られた。
「な・・・何だよ!」
「お客様相手に一体何をしているの!早く謝りなさい!」
「なんで僕が!もとはと言えばあいつが先に挑発してきたんだぞ!!商店街で!!」
「この意地っ張り・・・!!まだそんなことを言ってるの・・・!?」
「ノラ!黙ってないで早く無礼を謝罪しなさい!」
「嫌だ!俺がちゃんと金出して正当に買った品なのにしつこくグチグチ言ってくるのはあいつの方・・・!」
「謝罪をしなければならないのはこちらの方です公爵様・・・これも全てうちのジェレミーが意地っ張りな上に怒りっぽいせいで・・・!どうか広い心でお許しいただけますよう・・・」と謝罪するシュリー。
ニュルンベル公爵も「とんでもない!何もかも私の監督不行き届きです・・・!」と互いに謝罪をしていた。
「 ! あなた」何かに気づいたニュルンベル公爵夫人が夫に声をかけた。
「ご機嫌うるわしゅう帝国の若き白鷲」「帝国の若き白鷲 皇太子様」
カイザーライヒ皇太子 テオバルト・フォン・バーデン・ヴィスマルクが宴にきたので貴族たちが挨拶をする。
テオバルトはニュルンベル公爵夫婦に「叔父上!叔母上!」と笑顔で挨拶をする。
「殿下が来られるとは思ってもいませんでしたわ」
「あれ?来ることをお伝えしていませんでしたか?もちろん参席しないわけにはいきませんからね。叔母上お身体の様子はいかがですか?例年よりも寒い日が続いて心配していたのです」
「お気遣いありがとうございます。おかげ様で安定しております」
「甥として当然のことでしょう次に宮に来られる時は母上だけでなく僕ともお茶を飲んでくださいね」
「テオバルトが来たのか皇帝陛下の代理かな?」とジェレミーが話す。シュリーは「そうみたいね」とこたえた。
「・・・ちょっと待て!!つまりあいつはテオの従兄弟ってことか!?」
「あなたがその話を忘れた頃にまた戻ってくるわね」とシュリーが言いテオバルトの方へ挨拶に向かった。
「皇太子殿下お忙しい中ご臨席賜り光栄に存じます」
「ノイヴァンシュタイン夫人ですね。聞いていた通り桜のような髪色に瞳はまるで野の草花のように清らかだお会いできて嬉しく思いますよ。獅子たちの母」
シュリーの片手に皇太子がキスをする。
「おや・・・固まってしまわれましたね挨拶が大げさだったでしょうか?」
「・・・!いいえ皇太子殿下」
(しまった皇太子殿下とこんな和やかに挨拶を交わすのは初めてだったから・・・)
絶えることなく人々の噂にその名が上がる継母。皇室家の方たちとは出会うことすらほとんどない
(もしかしたら私が思っていたよりも温かい人なのかもしれない・・・)
「ノラも来ていたのか!久しぶりに会ったせいか前よりもずっと大きくなった気がするな!」
笑顔のテオバルトと無表情になったノラ。
「それが何か?羨ましいのですか?」とノラは言う。
「ノラ・・・!」
「大丈夫ですよ叔母上。ノラが無愛想なのは今に始まったことではありませんし。彼がこのような場を好まないことも分かっていますから」
「俺は生まれてから今まで状況や相手によって態度を変えたことなど一度もありません。俺が大人しい時にだけ親切なフリをなさるのは皇太子殿下の方ではありませんか?」
「・・・ノラ・・・!」
「慣れていますからお気になさらず叔父上・・・昔はよく一緒に遊んだものですが歳をとるごとに疎遠になってしまうようですね。なんとも寂しいことだ。そう思わないかい?
ジェレミー久しぶりだな僕の幼馴染」
テオバルトがジェレミーに微笑む。
第21話 感想
追悼招宴で喧嘩勃発です。ジェレミーとの悪縁だったようです。皇太子も現れました。ノラの発言的に裏がありそうな皇太子なのかなと思いました。