第14話 ネタバレ
アミーナとジャカールは街の探索中、妖精の被害の噂を知り現場に駆け付ける。そこには、妖精と被害に遭っている人間が1人いた。ジャカールから馬を安全なところに連れてって欲しいと頼まれ向かった先には西宮殿で出会ったプリマベーラが避難していた。
プリマベーラに馬をお願いして一人で戦っているジャカールのところへ向かおうとしたアミーナ。しかし、アミーナの腕を掴むプリマベーラが止めた。
「行っちゃダメよあなた何ができるっていうの?あの人にとってあなたは足手まといになるだけだわ」
「私のこと何も知らないくせにどうしてそう言い切れるわけ?」
「相手は妖精なのよ?危険じゃない!」
アミーナはプリマベーラの手を振りほどき「だから行くんでしょ!あなたは隠れてて!」と言い走り出す。
「みなさんはここにいて下さい!絶対に出ちゃダメよ!私は様子を見てきます」と一緒に避難していた者たちに声をかけプリマベーラもアミーナの後を追う。
ジャカールが妖精と戦う姿を荷車に隠れてアミーナとプリマベーラが様子をうかがっていた。「妖精相手にあそこまでやるなんて・・・」とプリマベーラは言うが、アミーナはどうしてあんなに時間をかけてるのかしら?あの時は一瞬で片付けたのにと思っていた。
(・・・あ!
・・・後ろの人を守りながら戦ってるから・・・!まずい状況だわ・・・どうすれば・・・)
妖精と戦うジャカールは妖精のしっぽが上から襲ってきて危険な状況だった。そこへ突然、荷車が妖精に向かって突進してきた。荷車をみて不思議そうな様子のジャカールはアミーナを発見し驚く。
アミーナは道端に落ちていた刃物を拾いに駆け付けた。刃物を拾ったアミーナは自分の手のひらを切ると血で羽織っていた物に術式を書く。媒体が小さいけど・・・これでいいわ精巧な術式は小さな媒体でも最大の効果を発揮するから!!アミーナは妖精の前へと立ちはだかり、術式に手をかざして起動させると妖精に投げた。
顔に被さった妖精はその場で爆発が起き倒れる。
「ごめんなさいお母さんの遺品をこんな風に使っちゃって・・・」
「本当にお前には・・・驚かされてばかりだよ・・・」
「何なのこれは・・・?」
驚くプリマベーラにアミーナは「荷車を押してくれてありがとう」と話した。「そんなことよりあなたは一体・・・」と尋ねるプリマベーラ。アミーナはジャカールに無言で確認し「・・・魔法使いよ」とこたえた。
「・・・ラファの?」
「ううん・・・パーズの失われた魔法」
ここは南の海を越えエノキアから押し寄せた人々の集まる難民キャンプだった。プリマベーラは普段テス宮殿で生活しているが時折ここに足を運ぶのだという。
妖精の被害に遭った者を横たわらせて「それでは祈りを始めます」とプリマベーラは言う。
(これが祈りってやつ?)
プリマベーラがケガ人に手をあてしばらくするとケガ人は目を覚ました。「さすが祈祷師!」「星のご加護があらんことを!」と見ていた民衆が言う。
「星?」
「エノキアの風習だそうだ自分たちの神を星と呼んでいる」
「はるか昔、神が星の姿をして地上に舞い降りたという伝説があります。軍司令官殿あなたもこちらへ
お互いの状況はよくわかっています。しかしこの方をお救いになる際に腕を負傷されたじゃありませんか。エノキアの人間は同胞の恩人を放ってはおきません」
ジャカールは傷ついた腕をプリマベーラに見せた。「・・・治安隊は来なかったんだな」とジャカールが言うと「治安隊がここまで来ることはありません。私たちは帝国民ではありませんから。あなたの地位からは目の届かない問題でしょう・・・」とプリマベーラは話す。
プリマベーラが傷口に手をかざすと傷は一瞬で消える。「ほらあなたも」とプリマベーラはアミーナに声をかけた。アミーナの傷ついた手のひらにプリマベーラが触れる。
(待ってこの感じって・・・魔力の注入?
術式を省略して身体に直接魔力を注入することで生命力を引き上げる。こんな魔力の使い方があったなんて。
方法は違えどこの祈りって魔法のことじゃない・・・!)
「さっき星が舞い降りたって言ってたわよね?私も幼い頃に聞いたことがあるの」とアミーナが話す。「本当に?エノキア以外以外にもそんな伝説があるのね」とプリマベーラはこたえた。
(間違いない
この人も私と同じ『魔法使い』だ!)
プリマーベーラは悲しそうな顔で「・・・あなたの魔法もいつかこの目で見てみたいわ・・・」と話した。
アミーナたちは新市街地から出るとジャカールが見せたかった場所に向かった。
「お前がどんな決断を下したとしても今から行く場所にお前を連れて行くつもりだった」
「軍司令官殿の秘密の観光地みたいな感じ?」とアミーナが尋ねると「行けばわかる」と言うジャカール。2人はどこかの塔の中へと入り階段をのぼった。「・・・ねぇ、あとどれぐらい上ればいいの・・・?」とフラフラなアミーナは尋ねる。
「気が利かなくてすまない少し休むか?」とジャカールに聞かれ、ムカッとしたアミーナは「こんなとこじゃ休むことすらできないわよ・・・!」と文句を言うと・・・
「上るのが辛ければ俺が抱えて行ってもいい」
「あんた何言ってんの・・・!?そういうセリフを平然と・・・
ねぇ・・・私のことランプの妖精じゃなくて異性として見てもらえない?」
第14話 感想
ついに未来の魔法使いに会えたわけですが敵になるのか気になります。また、願いごと以外には魔法は使わないのかと思っていましたが、ちょっとした魔法なら使っても支障はないようですね。アミーナに異性として見て欲しいと言われたジャカールは、固まっていたのか驚いていたのかよくわかりませんが表情が乏しいのはあいからわずでした。