
第16話 ネタバレ
家族で服を買いに出かけたシュリー。レイチェルとレオンは「お出かけだぁ~」とはしゃいでいる。
「ママ!あそこのお店に行きたい!」「やだ!!キャンデイーのお店が先!」と騒ぐ2人にレオンが「チビどもはまずあそこに飛び込んだ方がいいんじゃないか?」と巨大噴水を指差してからかう。
レイチェルは「——あれはお家にあるもん!!」と言いお外で見れるものじゃなきゃ興味がない双子だった。
街の人々にノイヴァンシュタイン家の子供たちではと注目をあびていた。

(・・・やっぱり注目されちゃうのね
どこに行ったって目を引くこの容姿!!でもこの子たちの本当の姿を知っても可愛いなんて言えるかしら!!)
思わず本音が出るシュリー。ヨハネスが病にかかる前にも何度か一緒に外出したことがあったけど彼は厳格な人だったから・・・今日は少しお遊び気分で回れるわよね?でも・・・「あなたたち2人はすでにウンザリしているように見えるんだけど・・・!」とジェレミーとエリアスに言う。
「でも何で急に服を買おうなんて言い出したんだよ?」

「招宴のための服よ」
「パーティー?」「どこでやるの?誰が来るの!?」と聞く双子に「あなたたちのお父様の追悼招宴よ見知った人たちは皆来ると思うわ お友達の方やその家族たち」
シュリーがこたえると「じゃあ大人ばっかり来るのか?俺たちは退屈だろうな」と話していた。
「ここはつまらないな武器商はないのか?」

「それじゃあ騎士たちと一緒に見に行ってくる?私たちはブティックに行ってくるから その代わり一時間後には必ず合流してね」
「エリアスあなたも一緒に行っておいで」とシュリが言うとエリアスは「分かった」と言いジェレミーの横にかけて行った。行きたかったのね・・・と思うシュリー。
「いらっしゃいませノイヴァンシュタイン夫人!メリシャのブティックへようこそ~!うちの店にいらしてくださるなんて光栄ですわ」
「マダムご機嫌よう忙しいシーズンなのに時間を空けてくださってありがとうございます」
「とんでもない夫人はお子様方の宴会服を作られるのですよね?」
「はい後で残りの2人も来ますので」
「それでは愛らしい双子の天使のサイズから測らせていただきましょう!夫人はお待ちいただく間レースをご覧になってください!」
「レイチェル レオン良い子にできるわね?」とシュリーが言うと「はぁい~」と返事をするレオンとキョロキョロ店の中を興味津々で見わたすレイチェル。
(ふぅん・・・サファヴィー国のデザインも仕入れてるのね すごく豪華で大胆・・・)待つ間、長椅子に座り冊子を見ていた。
背後にある窓から視線を感じてゾクッとしたシュリーは後ろを振り向くが特に変わりはない。・・・なんだろう・・・?誰かに・・・見られていたような・・・気のせいかな・・・?
サイズが測り終わり、自由だ~とはしゃぐ双子が戻ってきた。
路地裏に人影があった。その者は
「見つけた・・・」
二イッ——と笑い「シュリー」と言葉にする。
「ムカつく!!」
イライラするジェレミーが店に戻ってきた。「ジェレミー?」とシュリーが声をかけるが、エリアスはにやけながら「ほっとけよジェレミー兄貴が頭にくるような出来事があったんだよ」と言う。

「何があったの?」
「武器商で兄貴がすごく気に入った剣があったんだけど~」
ヒソヒソ話す2人にジェレミーは「エリアスうるさいぞ!!」と怒る。
【武器商でのできごと】
急に現れたどこの誰とも知れないチビが——
「何だ?人が買おうとしていたものだぞ」
「ずっと見てただけだったからさ」
「ちょうど今手に取ろうとしてたんだ!!」と怒るジェレミーに「なるほどな・・・でもこの剣はお前よりも俺に買ってもらいたがってると思うけど?」とそいつは言う。
「何・・・だと・・・?」ジェレミーが剣呑な雰囲気になるが「それに——悪いけど商品ってものは・・・先に支払った奴が手に入れるもんなんだよ!!」とダッシュで買われてしまったのだ。
【現在】
「それで兄貴の機嫌がこうなったってわけだ」とエリアスは笑って言うが「エリアス・・・殴られたいのか・・・?」と不穏な様子のジェレミー。
「あの野郎次に会ったらただじゃおかないからな!」とジェレミーは言い「ジェレミー物騒なことを言うのはやめなさい」とシュリーが窘める。

「エリアスと一緒にサイズの計測をしに行ってちょうだい」
「そんな気分じゃない」

「騎士を目指す者がそんな小さなことで怒りを爆発させていいと思ってるの?それと背も高くなってるでしょうからサイズは絶対に測らないとだめよ
お父様を称えるための招宴じゃないちゃんとした服装で臨まないと」
シュリーに言われエリアスに続いて測りに行くジェレミー。
「まったく兄様たちったら~言うことを聞かないんだから」とレースを触りながらレイチェルが言う。
サイズ測定が終わり完成までひと月程度かかると言われシュリーは「重要な招宴のために急ぎで必要な服なのです半年以内に送って下さったら報酬は3倍でお支払いしますわ もちろん無理を聞いてくださる従業員の方々への謝礼もさせていただきます」と話した。
シュリーの言葉を聞いた店の者たちは喜び、「またのご来店をお待ちしておりますノイヴァンシュタイン夫人!!」と盛大に見送られた。
店を出るとシュリーは思う、服を数着仕立てただけなのに・・・!何でこんなに時間がかかったんだっけ食事もさせないといけないのに・・・!ダメよシュリー元気を出さないと・・・疲労困憊のシュリーは自分を励ました。
「そうだシュリー僕の狩猟服も」

「そう?それなら皮を見ないといけないから——」
ジェレミーと話をしていたシュリーは何かに気づく
「・・・・・・?・・・どうした?」
街で、ある人物を見かけたシュリーは「・・・エヴァレット少しの間子供たちを見ていてくれる?急用を思い出したの」と頼む。「・・・あまり長い間戻ってこなかったら探しに来て ジェレミーあなたも弟妹たちと大人しく待っていてね」と話すとシュリーは出かけてしまった。「はぁ!?どこに行くんだよ!」と呼びかけるが返事はない。
「・・・どうしたんだ急に・・・?」とジェレミーは話す。皆ポカンとした様子だったが、レオンとレイチェルがお腹空いたと言いはじめた。
ブティックで感じた視線は気のせいじゃなかったんだ。でも一体何をしに首都まで・・・?とシュリーはある人物を追いかけ路地裏に入る。

「私をつけ回していることは気付いているわ いい加減出てきたらどう?
・・・ルーカス!」
「久しぶりだなシュリー2年ぶりだっけ?顔を忘れちまうかと思ったぜ!
元気だったか?俺の——可愛い妹よ!」
第16話 感想
やっぱりただの買い物だけじゃ終わらないみたいですね。今度はシュリーの兄が登場です。金持ち一家の主になった妹にたかりに来た感じかな?