第51話 ネタバレ
「もう遅いから早く家に入るんだ。明日迎えに来させるよ。ゲシュトのことはそのとき話す」
「はい陛下どうぞお気をつけて・・・ララも・・・また明日」
「はいジンジャー様」
******
「はぁ・・・疲れた!」とジンジャーがベッドに飛び込む。
(というか・・・)
回想シーン『まさか・・・デートの邪魔だったか?』
(告白をお断りした直後だったからハメルをあれ以上傷つけたくなくて否定できなかったのよね・・・馬車の中で二人ともひとことも交わさないから気まずかった~!!)
「ハメル、メガネかけてなかったけど大丈夫かな・・・」
(正体がバレちゃったらどうしよう・・・)
******
【馬車の中】
イザナ(自分で自分に呆れる・・・怖じ気づいて彼女を諦めようと思ったくせに二人が一緒にいるのを見て嫉妬してしまった)
ハメル「結局、現実は小説と異なる展開を迎えました。
呪いについて知っているジンジャー様の登場により陛下とレラジエ様が恋に落ちることはありませんでしたし、悲劇を迎える可能性もなくなりました」
イザナ「そなたは・・・」
「そのような変化の中でも唯一変わらなかったのは・・・陛下に対するジンジャー様のお気持ちです」
「陛下ご予想通り私がハメル・ブレイです」
「どうして・・・これまで隠していたんだ?話す機会なら五年間でいくらでもあったはずだ」
「その前に陛下がお読みになった『幽閉された王子と侯爵令嬢』は私が見た悲しい未来をもとに書いたものです・・・
私は陛下のお側で未来を変えようと思ったのです。
ところが師匠が陛下に呪いをかけた理由も知りませんでしたし陛下は力のことを隠していらっしゃいました。
無暗に正体を明かすことができなかったのです。ですので陛下に信頼してもらえるよう努力いたしました」
「そして俺はそのたを信じ秘密を打ち明けた・・・その時点で正体を明かすべきだったのではないのか?」
「言い訳にしか聞こえないかもしれませんが・・・陛下からの信頼を得られたことで余計に申し上げにくくなったのです。何故なら・・・」
「私は陛下に心からお仕えするようになっていたからです」
(ときには友人のように、ときには兄弟のように・・・
早くに両親を亡くし兄弟もいない私にとっていつしか陛下は大きな大きな存在となられていました)
「そんなお方を失うのが怖かったのです。本当に申し訳ございません陛下・・・」
「・・・よく正体を隠してこれたな。それも魔法なのか?」
「あっ私のメガネに秘密がございます。一種の魔法アイテムで私の目をご覧になっても考えが歪んで見えるようになっております」
「・・・待てというかとはこれまでそなたが考えていた内容はすべて・・・!?なんて野郎だ・・・」
「あっ私の考えがすべて歪んで見えるわけではございません。私の正体に関する内容のみが・・・
・・・どのような処分もしかと受け止めます二度と目の前に現れるなとおっしゃるのでしたらそういたします。
心配しておりました不幸な未来はもうやって来ませんので・・・私もこれで安心できます」
******
イザナ(予想はしていたが・・・こうして告げられると裏切られた気になる。だが悪意があったのなら最後まで正体を隠したはずだ)
「では・・・処分について自宅でご連絡をお待ちしております」と馬車を降りる陛下にハメルが言う。
イザナ(それに何より・・・)
「自宅?手がかりを見つけたと言っただろう」
(五年間見てきたララの忠誠心は嘘だと思えない)
「呪いが解けるまで手を貸してくれ魔法使いだから役に立ちそうだ」
「陛下・・・」
「何者であろうとララが別人になるわけではないだろう。それに新しい人を雇うのも面倒だ」と耳を赤くして言う。
イザナが「だがこれまでのように完全に信用しているわけではない」と言うと立ち去った。その姿を涙を流しハメルは見送る。
ハメル(別の目的があり陛下に接近しましたが・・・陛下にお仕えできて幸せでした。呪いが解ければ私は静かに立ち去ります)
(陛下とジンジャー様の明るい未来のために。お二人ともどうかお幸せに…)
******
【イザナside】
「フゥ・・・今日は本当にいろんなことがあった」
(ゲシュトの声が聞こえ日記が見つかりララがハメル・ブレイだということまでわかった・・・)
回想シーン『唯一変わらなかったのは陛下に対するジンジャー様のお気持ちです』
(あとは俺の想いを生姜令嬢に伝えるだけ・・・いや今は呪いを解くことに専念しよう。やっと手がかりが見つかったんだ)
(ゲシュトは俺に何を見せようとしているんだ・・・?)
第51話 感想
ついにハメルが正体をイザナに伝えましたね。そして今度こそ日記の内容がわかるのかな?