第34話 ネタバレ
【バレリー回想】
先生が去ってから退屈な日々を過ごしていた間、私はずっとこんなことを考えていた。
(・・・どうせ去るなら私には魔法の才能がないとわかった時にすぐに行けばよかったのに)
『お前は本当に才能がないんだな。それから身の程知らずなことをすれば野たれ死にするぞじゃあな』
いっそのことさっさと終わらせてくれたならみんなにとってよかったのに
『こんな静電気を起こすために魔法の数式を覚えたっていうのか?手をこすればいいことだろう!』
『魔法探知をしろって言ったのにこれじゃあ丸焼きだな!』
『マッチで火をつければいいことだろう?人間と動物の違いが何だか知らないのか?道具を使って・・・』
どうしてあの人はあんなにねちねちと魔法を教えてもっと私を惨めにさせたいのかな?
「あのときの私の努力はすべて無駄だったのかな・・・」
(いつかもう一度あの人に会うことがあったら一発、一発ぶん殴ってやりたい!!)
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【現在】
「・・・その魔法使い腕を痛そうに押さえながら哀れな姿で歩いていったが・・・」とカイロスがうちあける。
「あらまぁ~酷いことを!」と満面の微笑みを見せるバレリー。
「・・・??」
「どうしてそんなことをなさったんですか~?今度からはそんなことしちゃダメですよ!わかりましたか?」とカイロスの背中を撫でる。
(これは・・・怒られてるのか?)
「これはすべて・・・僕が感情的になり過ぎたせいだ。僕は本当に無力だ」と話し酒を飲む。
(私が空気を読めずに喜び過ぎた?何か慰めの言葉を・・・)
「カイロス」
「?」
「元気を出して!ほらあそこに私たちの明るい未来が見えるでしょう?」と肩を引き寄せて天井を指差しながら言う。
「天井の隅にの蜘蛛の巣しか見えないが」
「・・・まぁ、いいですけど。子どもの頃、妹や弟が褒められるようなことをしたり落ち込んだりすると必ずやってあげてたことをカイロスにもやってあげます!」
「カイロス・・・りんごのタルトは好きですか?」
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「うっ!!」
「今日は集中できないようね。何かあったの?」
木刀で追いつめながら皇太子にセレニアが尋ねた。
「・・・それが心配してる人のポーズですかね?」
「剣術を教えてくれと言ったのもあなただし突然やって来て一戦の相手をしてくれと頼んだのもあなたよ」
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【セレニア回想】
寝ようとしてたところ突然訪ねてきて
「エドウィン?こんな時間にどうしたの?」
「セレニア真面目な話があるんだが・・・」
「そんな顔をしてるとこ見ると今日も一戦交えに来たのね?熱心だわ」
「う・・・うん!一生懸命やらないとな!」とでまかせを言ってしまった。
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【現在】
「・・・あのさセレニアもしかして君がいた世界では君みたいに強い人がたくさんいるのか?」
「やっぱり皇宮で何かあったのね。どうかしら・・・」と言いながら皇太子の胸元に手を入れる。
「うわぁぁぁぁっ!!なっ何をするんだ!!この変態!!」
「ごめんなさいね。さっきから嫌な焦げた臭いがしてるから危ないものを拾ったらすぐに私・・・に・・・」
セレニアは皇太子から取り出した物をかかげて見つめる。文字が書いてある木の札のような物だった。
それを見つめていたセレニアは元いた世界の先生を思い浮かべる。
『ラン』
『 』
(・・・先生?)
第34話 感想
セレニアが何かを思い出したようですが残念なことに先生の言葉にモザイクがついていてわからない感じでした。気になりますが次回でもあかされないのかな・・・?