第27話 ネタバレ
お祭り中に爆発があり、アリアはアースに手を引かれて一緒に逃げた。
アース「大丈夫ですか?」
アリア「あ・・・はい」
男がまだ自分の手を握っていることに気づきアリアはパッと手を離す。
(最近気づいたけど私って・・・驚くとすぐに理性を失うのね。あいつを救いの手と勘違いした!)
「大丈夫そうでよかったです」
アースはハハッと笑い「よろしければお祭りでもらったので使ってください」とハンカチを差し出す。
「ありがとうございます。ここは・・・どこですか?」
ハンカチを受け取り汗を拭きながら尋ねると、アースは笑顔で「わかりません」とこたえた。
「自信ありげに走ってたのに。適当ね!」
「そうですね」
アリアは借りたハンカチを返し(一瞬でも理性を失った自分が嫌になるわ!なんであんなやつに・・・!)と後悔する。
(それより・・・まったく知らない場所だわ・・・裏道も知ってるくらいなのに・・・端のほうまで来たのかしら。足も痛いしはやく戻ろう)
コツコツ歩き出したアリアにアースが「どこに行くんですか?」と尋ねた。
「早く戻らないと」
「帰り道はわかりますか?」
「さぁ・・・あっちの空のほうが明るいからその方角に向かえば着くと思います」
「ほぉ、そうですか。おんぶしましょうか?」
「えっ!?結構です!」と断るアリア。アースはウィンクしながら「足が痛そうだったので」と話す。
(痛いけどあいつに助けてもらいたくない!一人で帰れる!)
ムカついたアリアは靴を脱ぎスタスタと歩く。
「ハハ貴族のお嬢様なのに裸足で歩くんですか?そんなに僕におんぶされたくないんですね?」
「どうせあなたにしか見られないもの」
「そんなに警戒しないでください僕はお嬢様にとってプラスになる存在かもしれませんよ」
「そんな感じはしないですけど」
(いまさらいいイメージがつくとでも思ってるのかしら?)
「僕のことをまだ知らないようですね」
「あなたこそ」
「それはどうでしょう」
「僕はお嬢様のこと結構詳しいと思いますよ」
(私の噂でも聞いたんでしょ。ミエールの誕生日の後は悪い噂は流れていないはず・・・ミエールが流す可能性はあるけど)
「お嬢様は外見と性格が違うということはわかっています」
(なにが言いたいのよ!?)
後ろを振り向き睨みつけるとアースはジーッとアリアを見つめていた。
(あの目・・・はじめて会った時からなぜか・・・この視線から目を離せない。どうしてだろう・・・懐かしくも思えてしまう)とアリアは思う。
ギュッと目をつぶるアリアにアースは耳元で「近いうちにお話します僕について・・・」と囁く。
「もう少し仲良くなってからですけどね。またお会いしましょう。近いうちに会える気がします」
「なに・・・」
(私はお断りよ!)
「ではまた」と言いアースはアリアを置いてその場を去る。
「どこに・・・」と尋ねるアリア。
その時、
「お嬢様!」と呼ぶ声があった。
「え?」
「ここにいらしたんですね!ケガはないですか?」
「大丈夫よ」
「そろそろ戻りましょう。またなにが起こるかわからないですし・・・」
(いまのはなんだったの・・・幻覚?夢・・・?夢では・・・なさそうね)と耳を赤く染めながらアリアは思う。
******
「あの爆竹、聞いたところによると公演用に準備したものが客席にあったらしいんです。だからあんな爆音が・・・」とアニーが屋敷で話していた。
「そうだったのね」と本を見ながらアリアが言う。
「きちんと管理できていなかったようですね」
「でもケガ人は王室で治療を受けたそうですよ~」
「それはよかったです」とジェシーとアニーが話していた。
(そんなことはどうでもいい考えてみれば私はあの人のことをなにも知らない田舎の貴族ってことくらいしか・・・マナーもないし知ったかぶりしてるし。あの人を見下してる感じとか・・・あいつが私のなにを知ってるっていうのよ?)
「お嬢様そういえば・・・」
「どうしたの?」
「ミエールお嬢様が・・・言って大丈夫かな・・・」
アニーが言いづらそうにする。
「話したいことがあれば言っていいのよ?このピンあなたに似合いそうね」と物で釣るアリア。
「それがミエールお嬢様がプレデリック公女様にお手紙を送ったそうです。内容が・・・オスカー様についてビッシリ書かれていたそうです!」
******
「いらっしゃいミエールお嬢様。今日は・・・私たちの将来について話しましょうか」
第27話 感想
何とも意味ありげな感じでしたね。アースとは昔どこかであったことがあるのでしょうか?それに、ミエールも動き出してるようでした。