第24話 ネタバレ
「ミエールお嬢様にプレゼントをお持ちしました!」
「まぁ・・・こんなに・・・よかったら一緒にお食事でも?」
屋敷に来たレインを母が食事に誘う。
「光栄です」
(あの人・・・また来てる。相手は公爵家だって・・・どこから過去と変わってしまったの・・・?)
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「主人からのご好意です」
食事中にレインが言う。
母「ご主人様はどのような方なのですか?」
レイン「すみません、今はまだお伝えできません。有名な家門の後継者だと思っていただければ、ミエールお嬢様のような才能のあるかたがお好きなようです」
母「あら?ミエールに会ったことがある方のようね?」
ミエール「私はどなたかよくわかりません・・・」
レイン「会ったのは偶然だったと聞きました。その日から好意を持たれたと・・・」
ミエール「この前お兄様と一緒にお会いした方かな・・・」
レイン「近いうちにお会いできると思います」
(後継者か・・・今日は砂時計を持ってこなかった。遠回しに聞いてみようかな)
「お話を伺った限り外国の大貴族のようですね」
アリアが言うと
「どうしてそう思われたのですか?」とレインが尋ねた。
(侯爵はサラと出会う)と考えるアリア。
「理由は簡単です。帝国にはこれほどの財力を持つ方がいないので侯爵でもなさそうですし」
「それはなぜ・・・」
「ミエールが公爵家と婚約することを知らない貴族はいないので結論から言うと・・・この国の情報を知らない外国の大貴族か・・・公爵を上回る皇太子ですかね」
「ハハ・・・」と笑いながらもアリアの言葉を聞いたはレインはギクッとする。
「説得力に負けてしまうところでした」
「え・・・どっちも違いますか?」
「今はお答えできません。そのうちわかることなのでお待ちください」
「しかたないですね・・・」
(待てないわよ!放っておいたら面倒なことになるかもしれないアホ貴族なら無視しようと思ったけど・・・気をつけよう。これも砂時計のせいかしら・・・まずは今やるべきことに集中しよう)
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「よく眠れましたか?」
目が覚めたアリアに侍女のジェシーが言う。
「うん・・・」
「お嬢様目が・・・」
「やっぱり腫れてる?冷水を持ってきて」
「はい!」
(お嬢様たちと久しぶりに会うからウキウキして眠れなかったのかな・・・違うよね遅くまで本を読んでいたのかも)とジェシーは考える。
(成人式が終わって初の集まりよ!サラ・・・サラ!!侯爵に会ったの?会ったと言って!!)
「お嬢様・・・私も・・・行っていいんですか?」
侍女のアニーがアリアに聞く。
「いいのよ?」
「お嬢様が参加される集まりに行くのは初めてで・・・いいのかなって・・・」
「この集まりにはあなたを嫌がる人はいないわ」とアリアは言う。
(私がなにも考えていないとでも?)
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「アリアお嬢様お久しぶりです!」「今日は可愛らしい侍女もご一緒なんですね!」「元気そうでなによりです~」いつものお茶会メンバーが和気あいあいに話す。
「最近は食欲もあって元気です。今日を楽しみにしていました!」とアリアは言う。
アリアが「成人式はいかがでしたか?」と尋ねると
「いろいろあったんです!」「私たちも今日聞こうと思って!」「サラお嬢様の話を!」と目を輝かせて言う。
「サラお嬢様がどうしたんですか?」
(この反応・・・成功したのねサラ・・・!)
「聞きたいことがたくさんあるのに今日に限って遅いですね」「たしかに」
「遅れてすみません~!」とサラは花束を抱えながら部屋に入ってきた。
「サラお嬢様~!」「なにかあったんですか?その花束は?」
「行く途中でお客様が・・・」
「お客様ですか?」
「えっと・・・侯爵様のお使いの方がいらして・・・」とサラが言う。
「やっぱり!あのときビンセント侯爵様といましたよね?」
「なにがあったんですか!?」
「それが・・・私がハンカチを落としてしまって振り返ったら・・・侯爵様が拾ってくださって」
「でも・・・すぐには返してくださらずこのハンカチをくれないかと聞かれて・・・お持ちくださいと・・・」
「それからダンスを申し込まれて無愛想な方だと思っていましたがとても優しかったです」
(ビンセント侯爵・・・成人になる前から侯爵になって仕事ばかりの人だと聞いていた。女性とも関わりを持たずパーティーにも参加しなかった。成人式は家紋の代表だから参加せざるをえなかったのだろう)
「今日はネックレスと花束をいただいて今度は・・・雪が溶けるまえに一緒に湖に散歩に行きたいとお手紙を・・・」
(思ったよりロマンチストなのね。ハンカチで一目惚れするのもビックリだけど)とアリアは思う。
「新しいドレスを買わないと!」「ネックレスに合うものがいいですね!」
「サラお嬢様はどんなお気持ちですか?」
「えっ?」
「サラお嬢様も侯爵様がお好きですか?」とアリアが尋ねる。
「当たり前よ~ビンセント侯爵なんだもの!」「王宮の次にお偉い方ですからね!」と周りのお嬢様たちが言う。
「私は侯爵様のことはわかりませんが話を聞くかぎり悪い方ではないと思います。それよりもサラお嬢様にとって幸せだと思える方を選んでほしいです」
「アリアお嬢様・・・まだ自分の気持ちを確認していませんでした。ありがとうございます」
「私は本当にサラお嬢様に幸せになってほしくて・・・」
「アリアお嬢様とお揃いのハンカチのおかげです」
(侯爵・・・?子爵家で・・・とくに美人でもないのに侯爵と?
私の外見はそこまで悪くないはず・・・貴族の集まりに出られれば私にも・・・チャンスがあるかも・・・!)
アニーは微かに震えながら考える。
(アニー覚えておきなさい。あなたのその願いを叶えてあげられるのは私だけよ)
第24話 感想
レインはやはり皇太子側の人間のような気がしますね。また、サラは今のところ筋書き通りに進んでいるようで安心しました。