第25話 ネタバレ
「独房にぶち込んでおけばその内自分から口を開くさ」
(何だって!?そんな!このままじゃカンがヤバい!!何よりも再度ログインしたって牢屋の中じゃプレイもできやしない!全部吐くからこれを外してくれ!!カン・・・ごめん!)
口枷で喋れず巧の思いは残念ながら伝わらなかった。巧は「口を割るまでぶち込んでおけ!」との命令がくだり牢屋にとらわれてしまう。
クエスト『正義の使徒(S)』が生成されました。
『正義の使徒(S)』
フロイを救出せよ!
クリア条件:7時間以内にフロイを救出
クリア報酬:称号『正義の使徒』フロイ同伴連携クエスト生成
*正義の使徒:勇気能力値解放 全ての能力値+10 スキル〈折れない正義〉生成
失敗時:レベル-2称号『卑怯者』
*卑怯者:NPCとの関係性悪化 クエスト獲得確率ダウン 正義志向のNPCから軽蔑を受ける
(この報酬内容どこかで見たような・・・あっ!!フロイから共有されたクエスト・・・!!
つーか俺も捕まってんのに7時間以内にどうやって救出しろって・・・しかも失敗時のペナルティおかしいだろ!こんなクエストやってられっか!!)
このクエストは拒否できません。クエストを承諾します。
(なんで俺ばっかこんな目に!?)
******
(すでに3時間が過ぎた・・・!やっぱりな・・・俺みたいな奴が最近こんなにツイてんのがおかしいと思ってたんだ・・・生まれてこのかた1円玉拾ったことさえなかったってのにレジェンダリー職業を手に入れた時点で気付くべきだった・・・!もし幸運の女神がいるなら・・・その面ぶん殴ってやりてぇ・・・!!)
巧が嘆いていると自分を呼ぶ声が聞こえてきた。
「グリード~どこにいるの?グリード~」
(この声・・・エリナ!?あのチビがどうしてここに・・・?よくわからないけどこれはチャンスだ!)
「あのいけ好かない男いったいどこにいるのよ・・・」
(こんのクソチビ・・・)
クエスト制限時間残り2時間です
(チクショウ時間が・・・!!とにかく気付いてもらわないと!!)
巧は牢の扉に頭突きを何度もして気付いてもらおうとした。その甲斐あってユーフェミアに気付いてもらえたが、ユーフェミアは血だらけの巧に驚く。
「きゃあああっ!!もう・・・驚かさないでよ。でも見つかってよかったわ。助けてあげるからちょっと待ってね!その前に・・・これ返すわ。苦労して作ったものでしょ」
(俺が作った短剣じゃないか!顔が可愛いだけの性格ブスかと思ってたけど・・・性格も可愛いとこあるじゃねーか!!)
「その代わり条件があるわ『オーブ』を作ってほしいの。できるだけ多くの魔法を封じ込められるものでお願いね」
(オーブ?魔法アイテムじゃないか!武器しか作ってない俺に何で・・・?
いや・・・とりあえず引き受けよう!!)
「それともう1つ!チビって呼ばないでユーフェミアって名前があるんだからちゃんと呼んでちょうだい」
(何だよエリナは偽名だったのか?)
巧はユーフェミアの要望に頷き牢から出してもらった。
「プハー・・・助かった!」
「はいこれ」
ユーフェミアが巧の作った短剣を渡す。
「・・・何で俺を助けに来てくれたんだ?そもそも鍛冶職人のくせに一体どうやってここまで・・・」
「私鍛冶職人じゃないもの」
「あ?」
「隠し職業の〈複製術士〉よ対決の時はコピーして使っていたの」
「か・・・隠し職業!?3人しかいないって言うあの・・・!?お前がその内の1人だって?どうして俺にそんなこと教えてくれるんだ?隠してたんだろ?」
「どうせすぐお互い知ることになると思ったからよ!あなたも隠し職業の持ち主でしょ?それもユニーク等級以上の」
「知って・・・たのか?」
「やたら詳しいけどもしかして俺に惚れたんじゃねーだろうな?俺の好みはグラマーなタイプなんだけど・・・」
「バカなこと言わないでよ!何の職人かは知らないけどその能力・・・使いこなした方がいいわよ。」
「さもなければあなたも私もここで死ぬことになる」
兵が押し寄せる。
「ひいいっ!!多すぎだろ!」
「軽く100人は超えてるわ・・・助かりたかったらあなたもちゃんと戦ってよね!」
「クソ・・・戦うったって短剣1つしか武器がないのに・・・」
「?」
巧が短剣を抜く。
〈理想の短剣〉
等級:ユニーク 耐久力:168/168 攻撃力:242-242 攻撃スピード:+11%
*ごくわずかな確率で対象が即死
*素早さ+20
*スキル〈刃風〉生成
*スキル〈迅速な身のこなし〉生成
使用条件:レベル180以上 素早さ450以上 上級ダガーマスタリー
(なっ・・・これほどの名剣だったのか!?)
直接製作したアイテムです理解度100%を達成しました
使用レベルを満たしてないためペナルティが適用されます
攻撃力20%オプション効果50%ダウン
(俺が直接作ったものなのにペナルティかよ・・・)
「え・・・あなた・・・アサシン系だったの!?上級ダガーマスタリーが使用条件でしょう?その上、匠級の鍛冶職人技術まであるし・・・」
(このチビ・・・短剣情報を見たのか貴重なアイテムだって知りながら返してくれたってことはやっぱり意外と良い奴なのか・・・?)
「あっ!」
「え?」
前方から棒状の物が飛んできた。慌てて避ける巧。(危ないって言ってくれたっていいだろ・・・!!)
「〈刃風〉!!」
さっそく短剣で戦う巧。短剣のスキルで敵が勢いよく飛ばされた。
「おお~すごい・・・!」
「おい見てるだけかよ!」
「私の仕事はあなたを牢屋から救出してあげることだけ。それ以外は超過任務よ。それに・・・ただ手を貸してあげるほど安い女じゃないのよねぇ」
「こんな状況で取引しようってかよ・・・!!」
クエスト制御時間残り1時間25分です
「ううっ・・・!!」
(チクショウ!!時間がねぇ!俺1人でこいつら全員相手するのは不可能だ!!)
「ユーフェミア・・・!頼むから助けてくれ!人の命がかかってんだ!」
「人の命?ああカンじいさんだったらここに来る途中で助けてあげたわよ」
「カンじいさんも捕まってたのか!?」
「じいさんが助かったのは良かったけど・・・俺が助けようとしてるのはフロイって奴なんだ」
「フロイ?誰それ?」
「俺も一度しか会ったことがない奴だから詳しくは知らない」
「知らない人の救出ってこと?そこまで関わりたくないんだけど面倒事なんてゴメンだし~」
「俺だってやりたくてやってるわけじゃねえんだよ!いいから手を貸せってこの生意気チビ!!」
「・・・さっき確かに言ったわよねぇ・・・?」
「・・・・・・?」
「『チビ』って呼ぶなって・・・〈滅殺の槍〉!!」
ユーフェミアの攻撃を巧が避けると後ろにいた兵に攻撃が飛んでいき爆発が起こる。
「気を付けろ!手強いぞ!!」
(呪文も唱えずにこれだけの威力の魔法を・・・!!こいつユラレベルじゃねぇか!!)
「とりあえず手は貸してあげるけど・・・チビだなんてもう二度と呼ばないで・・・ね?」
「も・・・申し訳ありませんでした・・・」
第25話 感想
牢にいるのにクエスト拒否ができないとか酷いですねwwwそれでも運よくユーフェミアに助けてもらうことができましたが、助けに来たユーフェミアにPKされそうな気が・・・