第20話 ネタバレ
「取り引きをしよう」
「どんな・・・」
「話して。ジンジャー・・・隠していることを正直に話して」
(あ・・・心が読まれちゃう。こ・・・これは誘惑だ!誘惑に負けるな!負けちゃダメ・・・)
「うん俺は今、生姜令嬢を誘惑してる。俺の力のこと・・・どうしてわかったんだ?」
なんとかイザナの誘惑から逃げようとするジンジャー。イザナはジンジャーの顔を両手で包み「どうして俺のことを知ってるのか話してくれ」と迫った。
(ほ・・・本!!あなたのことが書かれてる本を読んだの!)
「・・・本?」
(最悪・・・!私としたことが!ど・・・どうしよ!?うまくごまかす?でもそうしたっていつかはバレること・・・もう知らない!話しちゃえ!)
「うんそうして」
「わかりました驚かずに聞いてください。私は陛下のことが書かれている本を持っています。その本には陛下の過去だけでなく未来も書かれているんです」
「・・・・・・」
(具体的な内容も説明しないといけないよね?それか本を貸せって言われるかも。イザナにあの本を読ませて大丈夫かな?この先も本の通りになるかはわかんないけど受け入れがたい内容が書かれてるのに・・・)
「あの・・・イザナ陛下こんな話、信じていただけませんよね・・・?」
「・・・今のおまえは嘘をついてるようには見えない。ふざけた話だというのに。生姜令嬢その本の中の俺は・・・幸せ?
(いっそ嘘をついてしまいたい。イケメンだし権力もあるし何の不自由ないのに不幸なはずないじゃないですか『あなたは幸せです』って)
「幸せじゃないのか・・・」
「わかった。おまえの婚約白紙に戻してあげるよ」
「えっ・・・?ホントですか?」
「・・・その代わりその本を貸してくれないか?俺も読んでおくべきだと思うんだ。その本の著者は俺の力を知っている今後何が起きるかわからない」
「あ・・・そのお言葉に異議があるわけではありませんが・・・」と悩むジンジャーにイザナは「貸してくれ」とせまる。
(まただ!あぁ・・・魂を吸い取られそう。もうダメ・・・!)
「お・・・お貸しいたします・・・」
(どうすんのよ!貸したらもっと大変なことになるかもしれないのに!)
「それじゃ明日ここに持って来てくれ待ってる」と話しジンジャーの片手にキスをした。
「へ・・・陛下そうすれば私が流されるのをわかっててやってるでしょ?」
「さあ・・・わかってやってたらどうする?」
(悪い男の代表格だ!!)
******
「あんな誘惑に負けるなんて・・・今さらやっぱ貸せませんなんて言うわけにいかないし」
屋敷に戻ったジンジャーは本を探すが本棚になかった。
「あれ?あの本どこだっけ?サラ私の本見なかった?」
「本ですか?テーブルの上にあったものはすべて本棚に戻しておきましたが」
「『幽閉された王子と侯爵令嬢』だけ見当たらないの」
「私はどこにも持ち出しておりませんお嬢様」
「それじゃ一体どこに・・・」
(待って・・・まさか!キキあのピー野郎!!)
ジンジャーはキースが屋敷に来ていたことを思い出した。
第20話 感想
ついにイザナに本のことをばらしました。それにしてもキースに本を盗られてしまったようですが大丈夫なのかな・・・?