第23話 ネタバレ
「今回のテーマは『短剣製作』です!3時間でより質の良い短剣を作った者の勝利となります!」
(これに勝てば称号と能力値が手に入る!ただ・・・クエストの難易度が気になる・・・『不明』?あいつの技術がまだ未公開等級ってことかしら?まあ・・・何であろうと関係ないわ
私の作戦は決まってるんだから!相手が製作段階に入った瞬間製作技術をコピーする!技術力が同じになれば運の良い方が良いアイテムを作れる!賭けにはなるけど勝率は五分五分にすることができる!)
(きっと私なら勝て・・・うそ・・・?もう鍛造段階に入ってる!?焦っちゃダメ!技術が互角なら使う道具が勝利の決め手になるはず!)
〈祝福されし鍛冶職人のハンマー〉
(このアイテムも普段の私なら宝の持ち腐れみたいなものね。だけど・・・あなたの技術力が加われば鬼に金棒よ!)
〈スキル観察〉
「ん・・・?何見てんだよ?」
対象のスキルを分析することができません〈スキル観察〉のレベルが低すぎます
(何ですって!?私のスキル観察レベルは7よ!?レベル5の時に上級鍛冶職人の技術をコピーしたことだってあるのに!つまり・・・この人は上級の更に上をいってるってこと!?鍛冶職人ランク1位のユーザーでさえ中級と言われてるのに・・・
ま・・・まさか!!エピック転職者!?いや・・・そんなはずはないエピック転職者はアグナスとロイそして私の3人だけってことは・・・ユニーク職業転職者!?どっちにしろこのままじゃクエストは失敗する!)
「ラビット!!」
「どうしました?」
「あの男・・・師匠がいるでしょう?その人を対決に参加させてください!」
「・・・対決の途中でルールを変更しろと?」
「どんな手を使ってでも勝たなきゃいけないんでしょ!?」
「分かりました」
「ん?何だ?」
ラビットが司会者に話しかけるのを巧は気付く。
「カン様!ステージへお上がりください!エリナからの特別な配慮です!」
「む?」
司会者の言葉にカンは反応する。
「師弟ならば一緒に対決に参加するべきだとエリナが提案しました!」
「2対1だと!?さすがエリナだ!!」「エ・リ・ナ!エ・リ・ナ!!」
余計に盛り上がる観客。
「チビのくせになめやがって・・・」
「相手の要求通り力を合わせようじゃないか。鍛冶職人としてお前を尊敬するわしに一緒に鍛冶場を守る機会を与えてもらえるとはな」
ふてくされる巧にカンは言う。
「わかりました俺たちを甘く見たことを後悔させてやりましょう!」
(よし・・・今だ!私の狙いはあなたよ!その優れた腕前・・・少しだけ貸してもらうわ!!)
〈上級鍛冶職人の技術〉LV.2の分析に成功しました
〈上級鍛冶職人の技術〉LV.2のコピーに成功しました
〈上級鍛冶職人の技術〉を1回使用できます
(よし!これで技術が手に入ったわ!師匠の方の技術をコピーしたし私には優れた道具もある!勝負はここからよ!!)
カンの技術のコピーに無事成功したユーフェミアは短剣の製作に入る。もうじき完成間際になったユーフェミアは巧とカンの作業を見て(まだ剣身を打ってるなんて・・・2人とものんびりしすぎじゃない?こっちは刀の鍛造なんてとっくに終わってるのに。この調子でいけばいける!)と考えた。
一方、巧は
〈伝説の鍛冶職人の忍耐〉発動!
1時間のあいだ生命力防御力器用さが200%アップします
(よし!!良い手応えだ!カンじいさんとの呼吸もぴったりだ!!鉄と火・・・ハンマーの感覚だけが感じられる完璧な動作!)
〈伝説の鍛冶職人の息吹〉が発動しました
製作アイテムの能力値がアップします
(鉄と火が1つになる瞬間だ!!)と巧は思う。
(・・・・・・!)巧の製作を観察していたラビットは何かに気づいた様子だった。
「素晴らしいな・・・こんな名品の製作に携われるとは!」とカンが言う。
「まだ準備したものが残ってますよ。剣柄に使うミノタウロスの角です10ゴールドもした高級品!」
カンの言葉を聞き巧が言う。
「ワアアア!!」
観客の歓声に巧が振り向くとユーフェミア兼『エリナ』は短剣を完成させていた。
「エリナ選手の短剣が完成しました!!製作者に似て非常に美しい短剣ですね!3時間という短い時間で驚くべき名作が誕生しました!」
(うっ・・・悔しいがすげえアイテムなのは確かだ・・・あのチビ口だけじゃなかったんだな)
「それでは!電光板で性能を見てみましょう!」
〈魅惑の短剣〉
等級:エピック 耐久:60/60 攻撃:122‐127 攻撃スピード:+8%
「おお!!性能も驚異的だぞ!!」「こりゃあエリナの勝ちで決まりだな!」
性能を見た観客たちが言う。
(動揺するな!自分の剣に集中するんだ!)
ユーフェミアの製作した短剣を見たメロ商団側は
「ほお~なかなかな短剣だな」
「はい・・・素晴らしいですね」とラビットがこたえた。
「わしと同じくらいの実力とは若いのに大したもんだ。しかし・・・お前には到底敵わんが・・・そうだろうグリード?」
「当たり前でしょ!こっちもちょうど完成しました。観客がこいつを見たら・・・大騒ぎになりそうだな!」
短剣が完成した巧だったが突如、ドアが開き兵士が駆けつけてきた。
「ん?」
兵士は巧の首に刃を向け「動くな!!」と威喝する。
「お前がテロリスト『フロイ』の仲間だという情報が入っている!今すぐに捕らえろ!!」
第23話 感想
フロイの仲間と勘違いされた巧ははたして無事クエストクリアができるのか?ラビットは巧が脅威に思えて先手でも打ったのでしょうかね・・・