第12話 ネタバレ
「ほとんど作り終わりましたこれでクエストも完・・・?」巧がスミスにクエスト完了を報告しようとしたところ、作り上げた矢からバチッバチッとなった。
〈伝説の鍛冶職人の息吹〉が発動します
案内が表示され、矢が紫色に輝く。
〈伝説の鍛冶職人の息吹〉Lv.1
作成アイテムの全ての能力値が5%アップします。ごくわずかな確率で特殊機能が付与されます。
「エ…エピック!?」レベルアップはともかく・・・エピックだなんて・・・とできあがった矢に驚く巧。レベルも経験値を300獲得したことによりレベル3になった。
「まったく大したもんだ・・・!!見習いでもないのに完璧な矢を作るなんて!お前も感動しただろ!?」とスミスは言う。
剣とか作らせてくれりゃよかったのに!!エピックが出ちまったじゃねーか!!と素直に喜べない巧は悔しそうに振り向く。
「な・・・何だその顔は・・・?」とスミスが尋ねた。
(でも・・・現存する矢のうち攻撃力が40以上のものはない。しかも『防御力完全無視』の特殊オプション!すごい職業効果じゃないか!
この程度ならそのへんの20レベルの武器なんかと比べものにならねえぞ!!)
金になるヤパ矢の作り方を知った巧はスミスに別れの挨拶をする。
「残念だなもう少しここで過ごしていかないか?」
「縁があればまた会えますって」
「これを持っていきなこんな素晴らしいものを俺がもらうわけにはいかないからな」とヤパ矢100本とヤパの鋳塊3つをくれた。
(好感度が最大値だからか太っ腹だな)
「いろいろと親切にしてくれて・・・ありがとうございますスミスさん」
「一緒に暮らせたら本当に嬉しいんだが・・・」顔を赤らめるスミスに「キモいこと言わないでください・・・」と巧は嫌そうに言う。
プレゼントは嬉しいけどウェイトのせいで村に着くまでかなり時間がかかりそだな・・・とにかく矢さえ売れれば馬車に乗れる!待ってろよユーザーども!今まで見たこともないような矢を売ってやるからな!
〈森の守護者〉レイド現場では、ツェダカギルドがゴーレムに苦戦していた。
「馬鹿どもが・・・あんなに注意しろと言ったのに・・・!!」
ギルドマスターのジシュカが矢を放つ。
レガス・トヴァン・ベントナーのメンバー3人も加わり、やっとボスを倒すことができた。しかし、ほとんどのメンバーがゴーレムにやられてしまっていた。
「痛手が大きすぎるな」とジシュカが言う。今回の戦利品は『黒鉄鉱』30個『オリハルコン』7つそして『青いオリハルコン』1つだった。
「ドロップ率最低の『紫水晶の盾』は今回も出ませんでしたね」
「だが『青いオリハルコン』が1つ手に入った1日がかりで戦って何とか赤字は免れたな・・・」
「トヴァン死亡者の数は?」
「ギルドメンバーを含めて75人です。主力パーティーメンバーがボスを倒している間ゴーレムが増殖して被害が大きくなりました」
(やはりS級連携クエストの難易度は想像以上だな何か策を打たないと・・・)
ツェダカギルドはヴァイラン村に戻った。
「4回目のレイドも成果はなくユーザの間で〈森の守護者〉の価値が落ち込んでいる。このままではレイドに参加するユーザーのレベルが今以上に下がってしまう」
〈ツェダカギルド〉メンバー全員が上位ランカーで構成されるギルドだが小規模なためランクに比べて名声は低い。サティスファイのリリース前のLTS時代から共に戦ってきたメンバーは17人。
人数が足りないためレイドでは常に一般ユーザーと共に行っていたがそれさえも限界が近付いていた。
「『紫水晶の盾』なしには連携クエストは不可能です。しばらくの間はレイドを諦めて戦力増強に集中しましょう」
「僕は戦えるなら何でもいいですよ」
「焦らず少し待ってみよう」
「ツェダカギルドは当面の間、個人のレベルアップと装備強化に注力する!3ヶ月後15レベル以上上げられなかった奴は・・・!殺す」
レガスは最低でも20レベル上げるよう命令した。
ジシュカはその後、競り市に行った。
「『ヤパ矢』を見せてくれ」と店の者にジシュカは頼んだ。
確かにギルドの状況は良いとは言えない。初期の頃は注目を浴びていたのに今ではうちに興味を持つ者など誰もいないとジシュカは思う。
矢を補充しようとしたジシュカは馬鹿げた値段設定に驚く。ヤパ矢の相場は一本あたり6シルバーなのに3倍の値段がついていたのだ。
「む・・・紫色!?エピックだと!?」
(な・・・何だこれは!?今までありとあらゆる鍛冶職人に矢の製作を頼んできたが・・・!いや・・そもそも上位等級の矢なんて聞いたことがない!!しかもこの目を疑うような性能!上位レベルの戦いでは決定的な差になるぞ!!
今すぐ入札しないと・・・でも一体誰が作ったんだ?鍛冶職人ランク1位2位のファンミルとステン・・・!こいつらじゃなければ・・・彼らを超える鍛冶職人が存在している・・・!?)
第12話 感想
スミスさんがイケメンか美少女だったら良かったのにwww誰得なのか聞きたくなる好感度ですね。なんか巧の思った通りに稼げそうな感じです。まさか勧誘を断った相手の製作物とは・・・