第57話 ネタバレ
「はぁ~久しぶりにパーティーを満喫しました!陛下に会うまではキキとレラジエのことで複雑だったんです」
「パーティーを開いた甲斐がある。俺も生姜令嬢とゆっくり楽しめてよかったよ」
「・・・・・・私のために開いたみたいに言わないでくださいよ~また私勘違いしちゃ——」
「勘違いじゃない」
「・・・はい?」
「勘違いじゃないと言ったんだ」
「陛下・・・」
「陛下ちょっと失礼します!」
(キキ!?とことん邪魔な野郎ねいいとこだったのに!!)
「・・・キース・ミケルセン何か用か?」
イザナの圧力にキースが息をのむ。
「は・・・はい・・・陛下にお・・・お話しが・・・」
「キキ!人の会話に割り込むんじゃないわよ!」
(かわいそうなジンジャー君は騙されているんだ・・・その男はレラジエにも手を出そうとしている。
クズのような野郎・・・化けの皮を剥いでやる)
「なんの用だ?」
キースが目の前で膝をつける。
(???)
「イザナ陛下・・・もうおやめください」
「何を?」
「僕から・・・ジンジャーとレラジエを・・・奪って楽しいですか!!うおぉぉぉぉぉぉ」
(な・・・なにこいつ!)
******
ザワッ
「叫び声・・・?」
「どこから聞こえてくるのかしら?」
愚かな男またまんまと騙されてくれたわ
(でもあの男は一時的な障害物にすぎない。もう二度と私の前に現れないでちょうだい)
「レラジエ様」
(!)
ハメルがレラジエに声をかけた。
******
「かなり酔っているようだ帰った方がいい。次にまた訳のわからないことを言おうものなら・・・ただじゃおかないぞ」
キースがビクッと怯える。
「・・・・・・」
「・・・陛下のその目・・・まるで僕の心を読み取っているかのようですねヒクッ」
「心を読む!かっこいいです。その力で僕からジンジャーとレラジエを奪ったんですね!」
「キキ!いい加減にしなさい!!」
「僕は陛下を信用できません・・・あなたのような軽い男にジンジャーを任せるわけにはいかないのです」
(ふざけんじゃないわよ!軽い男はあんたでしょうが!)
「あんたねぇそれ以上何か言ってみなさい!私がこの手で・・・」
「ジンジャー大丈夫だ」
「で・・・ですが陛下・・・」
「キース・ミケルセンおまえは婚約者を裏切った。信用ならないのはどっちだろうか?何か勘違いしているようだ・・・
おまえが二人の女性に見放されたのは俺のせいではない。おまえの身から出た錆。おまえのだらしのなさが原因だ」
イザナがキースの所まで歩き、うろたえるキースにデコピンをくらわせた。
「陛下ご無事ですか?騒ぎを起こしている者がいると聞き参りました」
「いや大丈夫だ」
キースに小声で
「俺は心の広い王だがこれ以上醜態を晒せば・・・おまえの顔を生姜のようにしてやる」
「くっ・・・!」
キースがジンジャーを泣きそうな顔で見つめる。
さっさとうせろ!と指で感情を表すジンジャー。
「し・・・失礼しました」
(ジンジャー・・・)
すまない・・・
幸せになぁぁ!
キースが泣きながらその場を駆けだした。
「では私たちは外で待機いたします。どうぞごゆっくり」
あんの野郎!本は盗むし余計なことは言うし!!
(私前世であんたになんかした!?)
******
「レラジエ様・・・おやめください」
「なんの話ですか?私が何かしました?」
「ミケルセン公子の耳元で何かを囁いているのを見ました。公子が騒ぎを起こしたのはそのせいですね?」
「あなたの得にもなるはずですけど?」
「ハメル・ブレイ、ジンジャーのことが好きなのでしょう?」
「・・・・・・!」
「女の直感を舐めないでください。伯爵邸で会ったときすぐにわかりました。あなたはいいのですか?このまま陛下にジンジャーを奪られても」
「私は・・・好きな人の幸せを願っています。たとえ私の思いが届かなくても・・・」
「・・・・・・フンッ臆病なだけでしょう。小説でも現実でもバカみたいに遠くから眺めているだけ。私はあなたとは違うのです」
欲しいものがあれば奪ってでも手に入れるそれが私よ。
・・・このまま負けを認めるわけにはいかない。何よりこの勝負には人生がかかっているの。
これが最後の勝負よ・・・
(見てなさいジンジャー思い通りにはさせないわ)
「・・・・・・」
第57話 感想
レラジエが【欲しいものがあれば奪ってでも手に入れるそれが私よ。】と言っていましたがカッコいいですね。