
第58話 ネタバレ
【ソルレア回想】
「お・・・お母さん・・・お父さん!」
突然ソルレアの口が手で塞がれた。
「!」
「しーっ静かに」
「ロ・・・シェル様?」
「ここにいるのはあまりにも危険だ。私が助けてやるから早く逃げなさい」
最も盛んに暗闇の研究を続けていた一族の没落はある日突然の報いの如く訪れた。
当時10歳だった私は・・・エルラド侯爵家の娘に成り済まし魔塔に初めて足を踏み入れた。
そして魔塔での生活に慣れてきた年の冬
「!」
「私も先代と同じく君たちの力と研究の成果がベルゴットに繁栄をもたらすと信じている。これからも十分な支援を約束するから・・・分かっているな?」
「承知しておりますので心配なさらないでください。陛下のご期待に添える結果を必ずお捧げします」
魔塔の責任者と皇帝が話、傍には幼いエウレディアンがいた。
私の両親と師匠と多くの弟子たちを生きたまま焼き殺した聖騎士の統率者で・・・
私とは正反対の力を持つ者。
私のような存在が表に出ることを許さない種族・・・
そしてあの残酷なまでに美しい少年は・・・
ベルゴットの次期皇帝
地上で最も強い神聖力を持つ者・・・
私の天敵。いつか私の足元に跪かせてあげるわ
エウレディアン『それで私がそなたに首輪をつけたら私の忠犬にでもなるつもりか?他でもないそなたが?』
ソルレア『ええ、そうですね・・・』
目的を達成するためなら今はいくらでもあなたの望み通りに動いてあげるわ。犬のように鳴けと言ったらいくらでも鳴いてあげる。
そうやってユーデタを越えることができたら私の義務は終わる
ソルレア『地上で最も強い神聖力をお捧げしたら・・・私があなたの要求を満たしたら・・・!
この地上からあの銀色を・・・神聖力を抹消してください!私の一族の・・・
抑圧されてきた暗黒の魔法士たちの新しい世界を切り開けるように!』
魔法陣が描かれソルレアは何かを召喚した。
(それこそが亡くなった両親のためにできる私の復讐だから・・・)
そしてそれが主に提示した私の契約条件だった。
******
ソルレア(あの男は私の提案を断れないはずだから・・・全部は無理でも交渉を試みるでしょうね)
でも最後の最後に私の足元に跪くことになるのはあの男でしょうから
少しの間首輪をつけさせることなんていくらでも我慢できるわ。
ところで
ソルレア「・・・今度はまた何ですか?」
ゴキゴキッ
『・・・・・・』
「最近やたらと敏感ですわね」
『・・・時間がない』
カチカチ
「時間?計画を実行に移す時間のことですか?」
『胸糞悪い・・・バレたら面倒なことになる』
グルルル
『ユーデタとレモルディの禁忌を破ったことが発覚する前に』
「レモルディを越えてもう5年も経つではありませんか。今さら心配する必要はないのでは?」
『今度こそ殺すのだ』
コロコロとソルレアの足元に骨が転がってくる。
ソルレア(理解に苦しむはもう勝利が目前だというのに・・・)
なぜ今さら何かに追われているかのように焦り・・・
こんなに急かすのかしら?
ゴキゴキッと骨だけの手が動く。
『今すぐ目障りな小娘を殺し・・・あの男を手に入れろ』
ギギギギッ
「ハデス」
『ソルレアお前はいつも待てとばかり言っているが・・・』
ソルレアの顎をクイッと骸骨の手が持ち上げる。
「!」
『いつまでお前に合わせてやらねばならないのだ。早く・・・今すぐ目障りな小娘を殺し・・・あの男を手に入れろこれ以上待たせたら・・・
この私が直接動くしかないだろう。だがお前もこの私の身体が傷つくのは望んでいないだろう?』
「・・・過激で汚い手を使うのは私の好みじゃないのよ。せっかく時間をかけて計画通りに進めて来たのに・・・
まあ・・・あの男に拒否されたらどうせいつかは通らなければならない道ではあるけどね」
第58話 感想
ラウルス様とは正反対の何かが地上に降りてきているようですね。エレニカにまたピンチが訪れそうです。