第41話 ネタバレ
「そちらはお返しいたします」
(このネクタイ・・・僕が投資者Aに送ったものと同じだ
まさか・・・!?)
「もしもまたプレゼントをされるのであれば香油を選ぶとよろしいかと。投資者にも自慢の商品を使ってもらいたいじゃないですか」
アリアが帰り際に言う。
(アリアお嬢様が投資者Aということなのか・・・!?)と驚いた。
「お待ちくださいお嬢様!大変失礼いたしました!」
「何のことでしょうか?私は挨拶に伺っただけです」
「香油は買っておきました」とアニーがアリアに言う。
「じゃあ帰りましょう」
「購入されたのですか!?少々お待ちいただけますか!!」
男爵が慌ててたくさんの香油をプレゼントに持ってきた。
「こちらを受け取っていただけますでしょうか?」
「こんなにたくさんいいんですか?」
お金もアニーにお返しされた。
「それと・・・こちらもよろしければどうぞ」
「花束?」
「延命剤を使用して香りや形を綺麗に保てるように工夫いたしました。こちらもいずれ商品として出す予定です」
「本当に素敵だわ」
(センスがあるのね)
「お嬢様の分もございます」とアニーにも花束を渡す。
「私にですか!?」
「ほかの色のほうがよろしかったですか?」
「いえっ!そんなことありません!」
「彼女の分まで用意してくださってありがとうございます」
「失礼ですがお名前をお伺いしてもよろしいですか?」
「彼女はアニーです。アニーこちらは事業家のボブーン男爵よ」
「はじめましてアニーお嬢様。目がとても美しいですね」
男爵の言葉にアニーは頬が赤くなった。
「男爵は可愛い子に目がないのですね~」とアリアがからかう。
「そんなっ・・・」
「私が投資者だということは秘密にしておいてください」と小声で言う。
「あまり知られたくないんです」
「わかりました!」
(本当に美しい方だ・・・)
******
馬車の中で
「お嬢様・・・ボブーン男爵ってとても素敵な方ですね」とアニーが頬を染めながら言う。
「そうかしら?」
「そうですよ~本当に魅力的でした!!」
(アニーとボブーン男爵・・・悪くないわね。アニーは貴族の一員になりたがっているしボブーン男爵と話してみて彼を利用できると確信した。
アニーと男爵の距離が縮まることは私にとってもありがたい。それに侍女たちだって希望が持てる。
問題は男爵ね・・・彼のようなタイプの男性は顔だけではなかなか落とせない。私くらい美人なら別だけど・・・顔で選んだところで長くは続かないけどね)
「お嬢様こちらは全てお部屋に運びますか?」
「ホールに置いてもらえるかしら?アニー侍女たち全員に声をかけてくれた?」
「えっ、まさか・・・これを全部配るんですか!?」
「そうよ」
「こんな高価なものを!?」
「私1人じゃ使いきれないもの」
「それではいくつか残して・・・」
「まだ使ってる分もあるし大丈夫よ。なくなればまた買いに行けばいいじゃない?その時は・・・あなたがお店に行って好きなもの選んできてね」
「お店・・・ボ・・・ボ・・・ボブーン男爵のお店に私が!?」
「なんなら男爵に選んでもらってもいいのよ?」
「そそそそんなことできません!」
「素敵な人だと言っていたしまた会いたいと思っているんじゃない?」
「お嬢様~!」
「それはそうと久しぶりに外出したら疲れちゃった」
「それでは私がみんなに分けておきますね!!」
「よろしく。香油の管理はあなたに任せるから在庫のチェックを忘れないで」
「かしこまりましたお嬢様!!」
「だからってわざと瓶を壊したらダメよ?」
「もちろんです!」
******
数日後
「行ってきます!」
アニーがおしゃれをしてボブーン男爵のところに向かう。
男爵がアリアの話ばかりしてきたので浮かない顔になった。
「はあ・・・戻りました・・・」
「ベリー暖かいお茶を持ってきて」
「はいっ」
「そんな落ち込んだ顔してどうしたの?」
「あっいえ・・・男爵にはとても親切に対応していただいたのですが、ただ・・・」
「ただ・・・?」
「私の身分で男爵に思いを寄せてもいいのかどうか・・・」
「アニー勘違いしないで」
「・・・えっ・・・?」
「あなたは彼ではなく彼の地位に惚れたのよね?」
「それは・・・そう・・・なんですかね?」
「よく考えてみなさい。男爵が一般の庶民だったら魅力を感じていたかしら?」
「感じていないと思います・・・多分・・・」
「そうよね?彼が地位のあるお金持ちだから惹かれたのよ。彼と同じ空間にいることで自分を満たせるから魅力を感じるんじゃないかしら?」
「・・・・・・そうなのかもしれません・・・」
「表面上美しく見えるだけで愛なんてそんなものよ。それに気づけた人だけが幸せを手にするの。あなたならこの意味をわかってくれると信じているわ」
「・・・・・・そうですね・・・お嬢様のおっしゃる通りだと思います」
(心を閉ざし手段を選ばずやるべきことに集中する。私はそうやって生きていくと決心した)
******
(ん?ドレッシングがかかってる・・・?)
アリアは食事をしていて気づく。
「やっぱり食べれません」
「砂糖を少し混ぜたそうだがそれでも厳しいな・・・皇太子は一体何をしてるんだまったく・・・」
ミエールと伯爵がぼやく。
(私だけ・・・?この匂いは・・・)
アリアが視線を向けるとそこには微笑む使用人がいた。
(ああ)
(アニー私たちは皆利害関係にあるということを忘れてはいけないわ)
第41話 感想
アニーが若干、病んでしまってる・・・そして、アリアはちゃくちゃくと見方を作っていますね。