第16話 ネタバレ
「どうかしていたようですお許しを!」とアリタ伯爵が土下座しながら謝る。
「どうかしていただと?」と尋ねるユリアに
「フェーズ公爵の命令で仕方なく・・・!自分の脱出に手を貸さないとただじゃおかないと・・・」
「なんだと!?」アリタ伯爵の言葉にフェーズ公爵が驚く。
アリタ伯爵「どうか信じてください!」
フェーズ公爵「何を言っている!これは陰謀です!やつらの戯言にすぎません!」
ユリア「・・・・・・」
アリタ伯爵「私は真実のみを申し上げているんです!」
(だからあんたたちは罪人なのよ)
自分が持った地位を自分の私利私欲のためだけに使うだなんて無能な者が上に立つことは罪よ。
「一人は陰謀と言いもう一人は違うと申すのか・・・」
「私が言ったことが真実です!」
「いいえ!もうお忘れですか?私はあなた様の一番の忠臣・・・」
「よせ。では・・・嘘つきは誰なのかはっきりさせよう。フェーズ公爵、明日はお前の裁判の日だ裁判所までは私自らエスコートしよう。ここにいる罪人を全員捕縛し裁判所へ連れていけ!」
******
【裁判の日】
「・・・・・・」
「あれを見ろ・・・まさかフェーズ公爵があんなことになるとは・・・」とフェーズ公爵が捕らわれているのを見て貴族が話していた。
「帝国の主、皇帝陛下にご挨拶申し上げます」
「座れ」
(挨拶を拒むとは・・・2週間前にちゃんと挨拶をしなかった男爵が未だに外出できないほど殴られたというのに・・・本当に以前の陛下に戻られたのだろうか。
しかし、まだ完全に信じることはできない。いつ虐殺を始めるかわからないからな・・・という空気が漂ってるわね。まぁ仕方ない反応だけど)と貴族たちを見てユリアは思う。
「では、これよりフェーズ公爵及びその他の反逆を引き起こした疑惑についての裁判を開始する」
ユリアの言葉に息をのむ貴族たち。
「フェーズ公爵を始め・・・————・・・の罪を犯し・・・害した罪——」とベヌース伯爵が話す。
「最後に・・・さらに二つ明らかになった事実があります」
「なんだ」
「皇帝陛下に禁じられた薬物を投与した罪その過程で他国の勢力に国家機密を売り飛ばした罪」
「陛下に薬物を・・・?」とザワザワする。
「はい」
「「陛下!今すぐ処刑すべきです!!」」
ユーストとフェリックスが怒る。
それをユリアが片手を軽く上げ止めた。
「それじゃ今まで陛下がおかしかったのは・・・全てフェーズ公爵が原因だったってことか?」
「急に2年前から陛下の判断がおかしくなっていたのはそのせいなのか!」
「間違いない!どこにいらしてもいつも帝国民を真っ先に想う方だったのに・・・!」
「あの汚らわしい者を生かしてはなりません!」
「陛下に汚名を着せようとしていたんですよ!」
「・・・・・・」
(なんだか・・・前後が変わった感じね・・・)
(シリルのおかげで薬物事件のことはすぐ思い出せたけどそれ以外にもう一つあったような・・・この小説って微妙に不親切で説明が雑なところが多かったから・・・なんだったかしら・・・思い出せないわ)
「処刑だ!」
「処刑を!!」
「静粛に。私は長い征服戦争でこの大陸には多くの犠牲があったと思っている。できるならばこれ以上の血を流したくはない」
「陛下!」
「へ・・・陛下・・・」
ユリアがフェーズ公爵を見つめる。
「しかし、その慈悲は貴様に相応しくない」
「そ・・・そんな!」
「フェーズ公爵そして罪人は聞け貴様らはすでに多くの罪のない者を犠牲にし公爵だからといって他人の命を軽く扱う権限はない。
私の判断では貴様らの罪はその命を持ってしても償いきれはしない。また他の者の鏡となるべき地位に立っている者だからこそその罪はより重い」
「よって戒めとしてお前らを処刑とする」
「あ・・・あり得ない・・・こんなことになるとは・・・話が違うではないか・・・こんなはずは・・・!!」
「処刑台に連れて行け!」
「これは何かの間違いだ。うあああっ!!」
その日ランチェアの処刑場では異例の早さで処刑が執り行われた。ユリアは彼らの悲鳴を頭や耳から消そうとした。
(安原つぐみならまだしも皇帝になった以上気の毒だと思ってはいけないわ。そうよ・・・腐敗した貴族の根を徹底的に絶やしてやるわ)
波乱を引き起こそうとしていた。
第16話 感想
フェーズ公爵を倒すことができましたが他に黒幕がいそうな感じですね。