第11話 ネタバレ
「諸君、忙しい中集まってくれてありがとう。本日諸君を呼んだのは他でもない間違ったことを正すためである。今まで私はフェーズ公爵を信頼し内政を任せてきた。しかし彼らの動きに怪しい点があると告発がありこれを正そうと思う」とユリアは貴族たちの前で話した。
「これは陰謀です!そんな戯言に耳を貸す必要はありません!」
「そうです!今までフェーズ公爵は陛下に誠心誠意尽くしてきたではありませんか!」
「その通りです!」とフェーズ公爵側の貴族が反発してきた。
ユリアはそれらをひと睨みする。
「ベヌース伯爵、彼が本日フェーズ公爵の告発を要請した」
「はい」
(ここは彼の口を借りて告発することが重要よ。そうすることでユースト側にフェーズ公爵を切り捨てることや私が変わることをアピールできる)
「へ・・・陛下!なぜ罪人の発言に耳を傾けるのですか!」
「罪人?」
「彼の罪状は詳細をまとめてご報告したはずです!」
「彼のことは証拠不十分により釈放した。私の判断に間違いがあるとでも言いたいのか?」
「いいえ・・・そのようなことは・・・」
「私はお前を信じたい」
「ですから・・・それならなお」
「お前の身の潔白をこの場で証明してほしいのだが難しいだろうか」
「わ私は・・・」
「さてベヌース伯爵申せ。私に最も忠誠を誓ったフェーズ公爵の何を告発するのか」
「フェーズ公爵は帝国264年皇帝陛下により内政を代理で任されて以来犯した罪は以下の通りです」
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【過去】
「いやいや~安原さ~ん見やすいようにまとめて来てと言ったのにこれ一枚だけなの仕事なめてる?この前は無駄に長い報告書をあげてたよね?もっと心のこもったプレゼン資料は作れないのか?まあ君は仕事ができないから仕方ないね」
(バカでもすぐわかるようにキレイにまとめてあげるわよ!プレゼンテーションの神になってやる!今に見てなさいよ!!)
(あの時の恨みを晴らしてやるわ!!)
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最初は要点まとめ次ページからは詳細説明をフェリックスの魔法で空中に表示する。
(フェリックスのお陰で本物のプレゼンテーションのように見せることができた)
「本当にこんなことが可能だなんて・・・」
「文章をあんなに大きく・・・」と驚く貴族たち。
「264年から270年にかけて国家予算の約60パーセントを横領した罪。複数の貴族の私利私欲のため賄賂を受けとった罪・・・———以上皇帝陛下より内政を代理で託されたのにも関わらず勝手にその権力を乱用した罪。これらの内容により私はこの場で帝国の父たる皇帝陛下にフェーズ公爵を告発します」
ザワザワとする貴族たち
「私の忠臣であるフェーズ公爵」
「は・・・はい」
「お前を信じていたのにこれはどういうことだ。2日前、私が言ったことを覚えているか?」
「誤解です・・・!彼は罪人ではありませんか!陛下に偽りの証言を・・・!」
「嘘を申す者ほど口数が多いと言ったな?」とユリアはフェーズ公爵に剣を向けた。寸止めしたユリアだったが、フェーズ公爵が手で顔を覆ったせいで公爵の手から血が流れる。
「うわあっ!ま・・・まさかここで私を殺す気なのでは・・・!」
(自分で切っておいてよく言ってくれるわね)
「・・・・・・剣をくだらないことに使ってしまった。お前が処理した文章は穴だらけだった。汚いことをするならもっと賢くすべきだったな。本日で明らかになった罪によりフェーズ公爵を逮捕しろ」
「はっ!」
「彼の処分は3日後、裁判で決定する」
「裁判だって?」
「戦争以来、初めてのことだ・・・」と貴族たちはザワザワしていた。ユーストも眉を寄せている。
(これ以上ユリアが暴君ではないことを証明し腐敗したマヌケどもを炙り出すための裁判よ)
「陛下!私に何てことを!お考え直しください!なぜ私に!!陛下・・・!!」
「本日よりフェーズ公爵が持っていた権限を全て回収する。これ以上、帝国で下手な真似をするものをこのまま野放しにしておくつもりはない」
第11話 感想
現世の技術でプレゼンテーションをしたようです。告発よりもこっちの技術に目がいってしまった貴族もいそうですね。現代の技術で知識チートでもするのかな?文武両道の皇帝になりそうです。