第18話 ネタバレ
『おまえよりもずっと目上の人が命令するのなら婚約はなかったことにしてやろう』
(は~あいい大人のくせにこんなピチピチの乙女相手によくあんなこと言えるわね!)
(イザナに頼んでこの婚約をなかったことにしてもらわなきゃ!でもどうやって頼めば・・・)
「んっ?」
(ここは前に来た・・・)
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(やっぱりストレスを感じたときは恋愛小説を読むのが一番。クズみたいな公爵のせいで傷ついた心を癒やすの)
本屋に立ち寄ったジンジャーは新しい本を探す。
(んっ?『ローファンの法則』?タイトルからしておもしろそう!この本が私に読んでくれって言ってるみた・・・)
本に手を伸ばすが狙っていた本を先に取られてしまった。
(ちょっと一体どこの誰よ!?)
ジンジャーが本を取った相手を睨む。そこにいたのは、ラキシャンだった。
「・・・ララ?」
「・・・ジンジャー様?宮殿の図書館にない本があり来てみたのです。奇遇ですね」
(まさか・・・その本を探しに来たの?)
「ララって恋愛小説も読むんですか?」
「はい」
「ふ~ん・・・なんだか以外です」
(勉強ばっかしてそうなのに恋愛小説が好きだなんて)
「ジンジャー様 勉強ばかりしてそうなのに恋愛小説を読むなんて・・・と考えていらっしゃるでしょう?」
「ゲッ!ぜ・・・絶対にそんなことか・・・考えてませんよ!?」
(なんでわかったの?こいつも人の考えが読めるってこと!?)
「そんなにも否定するとは逆に怪しいですね・・・恋愛小説を書くこともあると申し上げるとさぞかし驚かれることでしょう。ジンジャー様も読んだことがあるかもしれませんよ」
「えっ?小説も書くんですか?」
(信じられない!こんなに図体の大きな男が胸キュンストーリーを?)
「今度は信じられないと考えていらっしゃるようですね」
(・・・・・・!)
「・・・・・・どうやら私の勘が当たったようです。決してジンジャー様の心を読んでいるわけではありません私は勘がいいのです」
(よすぎでしょ・・・)
「このようなことを申し上げていいかわかりませんが・・・ジンジャー様はとてもおもしろいお方のようです」
(なんだか最近よくバカにされる気がする)
「そんなことありません。その本買うんですか?」
「はい」
「私も読みた・・・」
「読みたいのは私も同じです」とラキシャンにキッパリ言われてしまった。
(チッ・・・かわいさが足りなかったか)
「わかりましたララのために諦めます。その代わりララも私のお願いを聞いてくれますか?」
「お願いとは?」
「イザナ陛下に会わせてください!」
(優しく本を譲ってあげるフリをして交渉するの!私ってば頭がいい~!)
「かしこまりました」
(・・・えっ?)
「そんなにすんなり?」
「陛下もジンジャー様に会うのを楽しみにされていると思います」
「ホントに!?」
(ツンツンしてるくせに私に会いたくて仕方ないのね。ったく~かわいいヤツめ!)
「もちろん楽しみにもいろんな意味がございますが・・・」
「いい意味ですよね?」
「お・・・恐らく・・・では宮殿に戻り次第陛下にお伝えしておきましょう。また手紙を送りいたします」
「わかりました待ってます♡」
(こんなに簡単にイザナとまた会えるなんて・・・手紙早く来たらいいな!)
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二日後
ジンジャーが部屋で本を読んでいるとキースが来た。
「ジンジャー・・・」
「連絡もなしに何しに来たの?あんたとはもう話すことないから帰って」
「待って!うちに来てたんだって?父上から聞いたんだ話をしよう」
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「僕が悪かった。もう二度とあんなことはしない」
「今さら遅いわレラジエと婚約しなおしたらどう?」
「レラジエとはもう終わったんだ。僕にはジンジャーしかいない」
「へぇ?終わったからって私が許すと思うわけ?誰があんたを私の部屋まで案内したのかは知らないけどもう二度とうちには入れないから」
「ジンジャー・・・待って・・・」
「お願いだからもうやめて。レラジエとあんたのことを知った瞬間からこれは決まってたことだったの」
「ジンジャー・・・」
メイドがノックをして部屋に入ってきた。
「お嬢様お手紙です」
(ひょっとして・・・!)
ラキシャンからの手紙には、陛下が本日ジンジャー様に会われたいとのことですので後ほどお迎えに上がりますと書かれていた。
「キキこれから出かけないといけないの私が帰ってくるまでにこの家から出てってちょうだいね。そうそう」
「もう一度言うけど、どう足掻いたって私たちは終わりだから。じゃあねキキ」
第18話 感想
ラキシャンが恋愛小説読むとか確かに以外ですね。