第22話 ネタバレ
「ミエールお嬢様にプレゼントをご用意いたしました。お誕生日おめでとうございます」
ミエールの父と一緒に現れたレインと名のる男がミエールにプレゼントを渡した。
ミエール「これは・・・」
レイン「ご主人がご用意したものなのでぜひお受け取りください」
父「彼は今回の遠征で力になってくれたんだよ」
レイン「ご主人のおかげですよ」
(あれほどの財力がある貴族なのに私が知らないとは・・・見たことない顔いったい何者かしら?予想外のできごとなんてお断りよ・・・!
そういえばミエールが着てるあのドレス・・・あっ!オスカーが私とミエールにくれたやつだ・・・!ウソでしょ・・・婚約相手とその姉に同じものをプレゼントしたの?
センスはないけどお金はあるのね・・・)
アリア「お帰りなさいませお父様」
父「ただいま」
レイン「この方は・・・?」
父「この子も私の娘だよ」
アリア「はじめましてアリアと申します」
レイン「本当に・・・本当にお美しいですね・・・」
(こんな反応をしてもらうのは久しぶりね。そう・・・以前は男性陣はいつもこうして私から視線を・・・)
レイン「そうだ!ミエールお嬢様にもう1つプレゼントがあるんです!」
ミエール「えっ?」
(なによ・・・今ので終わり!?)
「伯爵と選んだ毛皮です!」
「先に言ってしまっては意味がないだろう」
「そうでした~」
(もう!あれだけ伯爵に気を使ってるならたいした人ではなさそうね)
「お先に失礼します」
「アリア待ってくれ。これはアリアへのプレゼントだ。ぜひ受け取ってくれ」
立ち去るアリアを父が引きとめる。
「ありがとうございますお父様・・・」
(これは・・・以前はミエールにしか渡してなかった宝石箱・・・いいわ過去と違ったとしてもいい方向に進んでいるはず)
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「ジェシードレスを変えたいから急いでくれる?」
「えっ・・・?」
「オスカーがくれたドレスを用意して!」
(今日はやるべきことに集中するのよミエールに一生忘れられない思い出を作ってあげるわ!)
アリアは砂時計を見ながら鼻歌を歌う。
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「あれみて・・・」「ウソ・・・」招待された貴族たちがザワザワするなか「ミエールお誕生日おめでとう!」アリアはミエールに花束を渡した。
「お姉様・・・」
「売春婦の娘・・・」「悪い噂ばかりの人がなにをする気かしら?」ヒソヒソと話声がする。
「一生懸命選んだけど・・・気にいらなかったかしら?」
ショボンとするアリアにミエールは慌てて「いえそんな・・・ありがとうございます・・・!そのドレスは・・・!」
「ミエールも気がついたのね!そう・・・オスカー様からいただいたものよ。私もさっきあなたが着ているのをみて気がついたわ姉妹だからってお揃いにしてくれたみたい。オスカー様ったらセンスがおありなのね」
(オスカーからもらったって自慢していたんでしょうね。もらったのはあんただけじゃないことをバラしてやるわ)
「今日は楽しんでね」とミエールに話しアリアはその場を離れた。
「噂で聞いていたより浅はかね・・・」「場の空気も読めないようだな」「自分が貴族だと勘違いしてるのね」「あのドレスだって・・・羨ましいからマネして買ったんじゃない?」「きっとそうよ」「見てよあの食べ方・・・マナーがなってないわね」「マナーが・・・」
悪い噂をしていた者たちはアリアの食事する姿をみて「噂とは違うのね」「伯爵家にふさわしいマナーを身につけたようだ」と少し考えを改めていた。
(実際に見たらそんな噂なんて関係なくなるのよ。これでも悪い噂も少しは収まるかしら?出身は否定できないからどうでもいい。さてと・・・ミエールをいじめようかな!)
席を立ちミエールを見たアリアはミエールの笑顔に思わず立ち止まる。
「お兄様!」
「ミエールお誕生日おめでとう」
(なんだカインが来ただけか・・・)
「オスカー様!」
(・・・今なんて?)
振り向くアリア
「お待ちしておりました!」とミエールがオスカーに言う。
「お誕生日おめでとうございますミエールお嬢様」
(オスカーは一度もミエールの誕生日に来たことなかったのに!どうして過去と違うのかしら?私には手紙の返事すらなかったのに・・・!
私なにかしたっけ?ミエールのほうが好きってこと?そんな感じはしなかったけど・・・)
うつむくアリア。そんなアリアをカインは頬を染めて見つめていた。
(ん?あいつはどうしたのよ・・・?まったく今はカインなんかに笑顔を振りまいてる時間はないのに妹をそんな目で見るなんて笑っちゃう・・・)
それでもニコッと微笑みをみせるアリアにカインとオスカーが頬を染める。
(なるほどねミエールがいるけど私のことが気になって罪悪感を感じているのね?だから参加したのよ完璧ね)
(なんだろこの気持ちは・・・毎日のようにアリアお嬢様のことを考えてしまう・・・失礼なのはわかっているけど視線を離せない)
「えっと・・・こんにちはお兄様とオスカー様」
アリアの声かけに二人ははっとした様子だった。
「あっ・・・!お久しぶりです失礼いたしました」と謝るオスカー。カインは素直になれずに誤魔化そうとしていた。
(子供じゃあるまいしなによあの態度は・・・呆れるわ・・・こいつらにやられた私って・・・今考えたら本当に情けないわね)
「すみません・・・私が参加するような場所ではないようです・・・私はお先に失礼いたします」
「お嬢様・・・!」
オスカーは立ち去るアリアを引きとめようとした。しかし、そのまま去っていくアリア。オスカーは困った様子で裏ポケットから手紙を出していた。そんなオスカーを見つめるミエール。
「オスカー様・・・」
聞こえない声の大きさでボソッとミエールが言う。
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アリアがお茶を飲んでいるとギーッと扉が開き
「あの・・・お邪魔してすみません」とオスカーが部屋に訪ねてきた。
第22話 感想
アリアの計画?通りパーティー会場から立ち去ったアリアをオスカーが追いかけてくれたようです。
レインは一体何者なのか気になりますね。