第15話 ネタバレ
プクッとむくれるジンジャーにイザナは「生姜令嬢は俺が身辺調査をしたことがそんなに気に入らないのか?」と尋ねた。
ジンジャーは怒って「身辺調査されて喜ぶ人なんていないと思いますが?」と話す。
「そうか・・・なら俺が知りたいことを教えてくれるのならもう調べるのはやめにしよう」
「知りたいことってなんですか?」
(・・・聞いてはみたけどわかりきってる)
「何もかもおまえが俺について知ってることを俺も知りたい」
「・・・私の心を読まないと約束していただけたらお話します」
(だけどすべて正直に話してあげられるわけじゃない。これまでほぼ小説通りに進んでるイザナが不幸になるかもしれないんだもん・・・!)
「それは難しい・・・俺の意志とは関係なく人の心が読めるからな」
「それならいい方法がございます。私が目をつぶるのです」
ジンジャーの提案にイザナは「おまえは本当におもしろいね次の行動が読めないよ」と笑った。
「それが私の魅力なんです!」と答えるジンジャー。
(小説の中のあなたは知らない私の魅力!)
「そのままずっと目をつぶっているつもりか?」
「心を読まれたくありませんので。あっ、かといって陛下に嘘をつこうと思っているわけではございません」
「俺が何をするかわからないのに・・・いいの?」
「何をされるおつもりですか・・・?」
オロッとするジンジャーを引き寄せてイザナは言う。
「たとえば」
「・・・・・・!!」
「・・・こんなこと?」
思わず目を開いてしまったジンジャー。
(う・・・嘘でしょ!?これはプロ!ずっと塔の中にいたんじゃなかったの!?)
「プロではないけど」
イザナは両手を開きジンジャーを解放する。
(・・・最悪私はもう終わりだ)
「もう終わりだと決めつけるのはまだ早いんじゃないか?少なくとも今日はまだ『こいつ』呼ばわりしていない」
(あぁ・・・返す言葉が見つからない)
ジンジャーは失言の数々を思い出す。
「へ・・・陛下!あれはですね・・・その・・・!」
「生姜令嬢も俺が怖いの?」
イザナがクスッと笑って尋ねる。
(笑ってるのに・・・すごく悲しそう。私の失言で気分を害したわけじゃなさそうなのはよかったけど・・・)
「いえ怖いというか陛下の力に興味があります。私も陛下の身辺調査をしたいくらい」
(・・・もちろんイザナの情報は本で読んで知ってるけどね)
「生姜令嬢は誰も知らない俺の秘密を知っているじゃないか」
「私が知ってるのは断片的なことばかりです。陛下がどうやって人の心を読むのかとか、いつその力を手にしたのかとか・・・そういうことはわかりません」
「うむ・・・心を読むのはおまえにもできるかもしれないよ」
「えっ・・・?どうやってですか?」
「相手の行動をよく観察するんだ。そうすると大体のことは想像がつく。
ジンジャー・トルテおまえは・・・困ったことがあると唇を触り瞬きが早くなる。昨日の宴でもそうだった・・・あと何かを必死に隠そうとしているね。だから俺の目を見ようとしない。これくらいなら心を読まなくたって行動から読み取れる。
おまえにもできるよ」
「はい?」
「行動から心を読むのはそう難しくない俺をよく観察するんだ」
(どっかで聞いたことあるようなセリフ・・・)
【小説の内容】
緑が深い宮殿の庭園でレラジエを見つめるイザナの瞳
『レラジエ君にもできるよ俺をよく観察するんだ』
(小説にでてきたセリフだ!)
ジンジャーは(レラジエに言ったはずのセリフを私に!!)と喜ぶ。
(えっと・・・そこでレラジエはどう答えたんだっけ?)
「生姜令嬢?」
「わかりました!私もやってみます」
「それなら俺はおまえの心を読まないでおこう」
(しわが一つもない真っ白なシャツ首元までしめられたボタン指輪の一つもつけてなくて・・・一国の王とは思えないほど控えめな装い近づきがたさはあんまり感じないかな・・・う~んだけどもっと何か・・・彼の気を引くことを言わないと)
『・・・イザナ陛下私にはあなたの傷が見えます』
(そうだ!あれだ!レラジエと同じこと言っちゃいけないなんてルールはないし!)
ジンジャーが小説にでてきたレラジエの言葉を真似すると驚いた様子のイザナだった。
「あなたの・・・傷?」
(予想外の言葉にイザナは驚いて私に釘付けになるはず!)
しかし、イザナはやがてクックッと笑いだした。
(えっ?なんで笑うの!?)
第15話 感想
小説に出てきた言葉を口にするとか内容によっては黒歴史になりそうですねwww