第11話 ネタバレ
「答えろジンジャー・トルテ」
「イザナ陛下そのように問い詰められたら怖いです。どうか笑顔でお願いします」
(小説の中でレラジエに向けたあの笑顔を私にも見せて!)
「・・・・・・」
イザナが口角を上げて笑うが目は全然笑っていなかった。
「これは遊びじゃないんだ。もう一度俺に指図をすれば次は許さない」
ジンジャーはビックっと震え「そ・・・それが・・・さっき陛下が生姜の話をされたときにおかしいなと思ったのです。心の中で考えていたことが筒抜けだったので」とこたえる。
「まさか・・・理由はそれだけではないだろうな?」
「陛下は本当に人の心が読めるのですか?」ととぼけるジンジャーの腕を掴みイザナは「下手な演技はやめないか!おまえは間違いなく確信を持って言っていた」と問い詰める。ジンジャーはイザナに手を引き寄せられて心臓を高鳴らせる。
(どうしよ・・・幸せすぎる・・・!)
「・・・実は陛下に関する妙な噂を聞いたんです」
「噂?」
「タンプル塔に閉じ込められた理由が人の心を読めるから・・・という噂です。はじめは私もまさかとは思いましたが・・・つい気になって」
「誰に聞いた?」
「それは・・・あの子です。噂好きで人の男をすぐに奪う悪趣味な人がいるんです。あの子は陛下の秘密を知っています。」
レラジエがイザナの秘密を知っていて、さらにはバラしていると話した。
(はたしてどこまでが事実なのか・・・しかしたしかにどういうわけか彼女の心は読めない。しかもあの赤い髪どこかで見たような・・・)
「陛下は本当に人の心が読めるんですか?」
「こうなった以上、潔く打ち明けよう。その気になればいつでも読める」
「そんなことが可能だなんて・・・私信じられません」
「知りたくなくても・・・勝手に聞こえてくる」」
俯いて話していたイザナが顔をあげるとジンジャーは下心丸出しだった。
(あーやっぱクッソイケメン・・・!ぐぉーっ!!ダメダメ何も考えるな!!)
イザナ「こいつ~」
ジンジャー「はい?」
イザナ「っていうのが抜けていたぞ。こいつ呼ばわりされたのははじめてだったから新鮮だった」
顔を青ざめ悲鳴をあげるジンジャー。(最悪だ!やっぱ読まれてたんだ!!)
「そのことでおまえを裁く気はないむしろ楽しませてもらったよ。だがさっきのような挑発的かつ軽率な行動はやめた方が身のためだ生姜令嬢」
(たしかに・・・焦ってバカなことしちゃったよね。でも時間を巻き戻せたとしても私は何度だって同じ選択をすると思う。あ・・・もちろん『こいつ~』ってワードはもう使わないけどさ・・・)
「近いうちに宮殿に呼ぶ。次会った時はなんと呼ばれるか楽しみにしておく」
「嘘でしょ・・・」
(笑った!!私に笑いかけてくれた!レラジエじゃなくて私に!!小説みたいだった!)
(展開が変わってきてる!でも待てよひょっとして口の悪い女が好きなの・・・?)
「ジンジャー私がどうして話しかけたのかはわかるわよね?キキが女もののネックレスを欲しがるとは思えないもの。あなたがキキに頼んだんでしょ?私のネックレスを盗んで来いと!」
レラジエがジンジャーを怒る。ジンジャーはプッと吹き出し「証拠もないのに疑う癖、直した方がいいわよ?そんなネックレスよりいくらでもいいものを持ってるのにどうして私が?」
(妙な輝きを放つ赤い宝石。間違いなく神秘的な力を持ってるけどもう必要ない。あんたがそのネックレスをつけていると
イザナがあんたを警戒するように仕向けたから!)
第11話 感想
さすがに全てを信じたわけじゃないですが、レラジエを警戒させるように仕向けるとかさすがですね。