第6話 ネタバレ
ユラの必殺技を受けた巧だったが
(体力が1・・・?確かにくらったのに・・・
・・・・・・!!そうか不死!!)
【不死】:生命が最小値である時5秒間ダメージを無効化します
※この能力値には能力値ポイントを分配することはできません
た・・・助かったっぁ・・・とにやける巧。
(何なの・・・レベル80じゃないってこと!?しかも・・・笑ってる!?これほどの実力者だったら私が知らないはずがない・・・!!このユーザー・・・一体 何者なの!?)
「うぐっ・・・!?」NPCのドランに踏み台にされうめき声をあげる巧。
「だから言っただろう一歩でも早く動く者が勝利すると!」
「くっ・・・!なめないで!」ダイヤモンド・シールド!!を発動させたユラ
「くぅ!!まだこんな力が残っていたとは・・・!」
「そろそろマナも限界ね・・・!あのユーザーも残っているっていうのに・・・!!」
「・・・!!」
(ログアウトした!?それより・・・あれほどの強さがありながらどうして戦闘中はあんなに大人しかったの?あのユーザーは一体・・・!!)
ズーンとした表情の巧は現実の世界に戻っていた。
キャラが死亡しました2レベルダウンします現在-3レベルです
24時間以内に2回死亡したため12時間のあいだゲームへのアクセスが不可能となります
ドランに背中を踏まれたため、ダメージ1をくらった巧はそれが致命傷となり生命力:0となってしまったのだ。
(まさかのチームキル!?ドラン・・・あの野郎・・・!!)
一方:サティスファイでは
(クエストを私に譲ったということ・・・!?お情けまでかけられるなんて・・・この借りは絶対に返してやるんだから!!)
翌日コミュニティーを揺るがした正体不明のユーザーはこう呼ばれた〈ヤタン神殿の幽霊〉
「強制クエストの上にチームキルだと!?NPCのくせにユーザーを手助けするどころかとどめ刺しやがった!!」と怒る巧。
これも全部ユラのせいだあいつのせいで拗れたんだ!いや・・・ムカつくけど強い奴が勝つゲームだ冷静に自分自身を振り返ろうと考えながらもユーザー掲示板を使ってユラをディスる巧。
(俺を・・・ただの負け犬だと思うなよ!!)
掲示板にユラの悪口を書いていると妹の星羅が部屋に入ってきた。
「お兄ちゃん・・・ついに頭おかしくなちゃったの?」「うわぁぁ!!」と悲鳴を上げる巧に「まったくもう・・・!」と呆れた様子で少しは部屋の掃除しなよという。
「髪もなんかテカってるし・・・最後にお風呂入ったのいつよ?」とぶつぶつ言いながらゴミを捨ててくれていた。妹に「おい!小言はやめろって!」と巧が言う。
「それより・・ホントにこのゲームでお金が稼げるの?」と近づいてきた星羅。「20億人もプレイしてる超有名なゲームなんだぜ大金稼ぐことだって夢じゃないさ!」と話す巧だったが妹に先ほど掲示板に書いていたものを読まれてしまい慌てて「俺じゃなくてこいつが勝手に・・・」と自分の片手を差して言い訳をする。
「お兄ちゃん・・・」「待て!誤解だ!」と真っ青になる巧。ユラのせいで何もかもうまくいかねぇ!と舌打ちをする。
「親は仕事に行ったし星羅も学校行ったし〈サティスファイ〉テレビでも見るか!」
『〈サティスファイ〉グローバルニュースの住田記者です。速報をお伝えするために現場にきています。』
どのチャンネルもサティスファイの話題ださすが人気ゲームだな。俺もいつか有名になりてぇな~遠い夢だけど・・・
『ここはエトナル王国北部の「ヤタン神殿」ですが昨晩ご覧の通り大規模崩壊が起こりました。一体何があったのでしょうか?』
テレビの話題にブホォッと食べていたものを吹き出す巧。「あ・・・あれは!!」
『取材の途中で耳にしたのは聞き慣れた名前でした。事件の主人公は総合ランク5位の黒魔術師ユラ!半壊した神殿の様子から相当激しい戦闘があったものと思われます。』
『それでは事件の唯一の目撃者に話を聞いてみましょう』
『僕が昨日モンスターに追いかけられてここまで来たんですけど突然大きな音が聞こえたんです。気になって音のする方に向かったらユラさんが男性ユーザー相手にすごい技を・・・あっそうだ本物のユラさん超可愛かったです!』
『あの・・・集中してもらえますか?』
『でもその時ビックリするようなことが起こったんですユラさんが必殺技みたいなのを使ったんですけど・・・その男性ユーザーは攻撃をまともにくらったのに平然としていたんです』
『ええっ!?トップランカーレベルじゃなければ不可能だと思うのですが。そのユーザーの顔を見たんですか?』
『ユラさんに見惚れていて岩に潰されて死んじゃったんです。マジ美人でした』
『世界中の注目を集める正体不明のユーザーは一体何者なのでしょうか?』
「何だよ・・・俺有名じゃん・・・」