第11話 ネタバレ
「私から見せて欲しいと言ったの・・・行政官は何も悪くない」
「誰も責めたりしていませんが」
「確かにそうだけど・・・」
「行政官まだ他に何か?」
「いえ、では失礼します」
ランがユスタフを見上げた。
あれ、また・・・背が伸びたかな1か月半しか経ってないのに
「だらしない格好ですね」
ユスタフがランの服を正す。
「図書館に行こうと思っていたからラフな格好でしょ」
「治療師の言いつけは守ってください」
「2日も寝てたんだからもう平気」
「私、1人では心許ないと?」
「え?そんなことない」
ユスタフがピクッと反応した。
「コソコソ話した感じになってごめんなさい。ちょっと気になっただけ」
ユスタフがランの手を掴む。
(冷たい)
「中へお入りください」
「ん?」
******
「当主様?」
「火を入れろ」とロスに命じてから暖炉の前に椅子を用意してくれた。
「体が冷えています」
「ありがとう」
(あったかいなぁ・・・)
「そうだ、ユス」
「はい」
「リンドバーグ男爵に1万ベラトを返すの頼んでもいいかな?利息だけで月に1千ベラトも支払ってるから・・・それと」
「結婚の件ですね」
「うん、相手にもよるけどロビーは絶対ありえない!」
「相手次第では結婚する気でしたか?」
「氷水晶がなくて借金が帳消しになるなら仕方なかったかも。でも私と結婚しようとする人はラチア公爵家が狙いだろうから断っていたと思う」
「当主を譲るまで結婚するつもりはないから安心して」
「そうですか」
ユスタフがランの髪の毛に触れる。
(柔らかい)
「寝起きだからボサボサでしょ?」
「これで整いました」
(寝室で見るような光景だ・・・しかし2人は姉弟・・・いや)
(果たして姉弟と言っていいのか?血が繋がっていないことを除けば姉弟に違いないが・・・)
「ロス卿、主君が帰って来て嬉しそうですね」
「はい、もちろんです」
「私も嬉しいです」
「・・・姉上、私を信じる理由を教えていただけますか」
「それは・・・ユスタフだから」
「理由になっていません」
「ユスが・・・いつも一生懸命頑張っていること分かってるし辛いことがあってもそんなそぶり見せないから凄いと思う。だから信じてる。だから好き。
でも無理だけはしちゃダメ!仕事は分担してちょうだい!」
「はぁ・・・当主は姉上で倒れたのも姉上なのになぜそんな風に仰るのか分かりません」
(言われてみると・・・)
「私にお手伝いをさせてください。抱えている仕事が多すぎです」
「うん、分かった」
「ところで姉上いい加減お休みになってください」
「休みたいけど仕事も溜まってるし・・・」
「では、今日まで休養をとることにしましょう」
「ええ、そうね・・・うわっ!」
(!!)
「ちょっと待ってユス!」
ユスタフがランを横抱きで持ち上げた。
(ビックリした。抱きしめられるかと思った・・・)
「重いから下ろして!落ちちゃう!」
「大丈夫です」
(ユ、ユス・・・細いのに結構力あるんだ)
第11話 感想
姉弟にしては近すぎる距離感な気もしますね。しかも命狙われてるような関係でもないような・・・?