ピッコマ『小説の中の悪女皇帝になった』第39話 ネタバレ&感想

第38話 ネタバレ

ユリア
ユリア

「ようやくエンビタ伯爵の顔が拝めるな」

スチェータ男爵
スチェータ男爵

「エンビタ伯爵に会いたかったのですか?」

「そうではない。この私が来ているのに伯爵ともあろう者が挨拶にも来ないとは呆れたもんだ」

「伯爵もお忙しい方ですので」

(いくら貴族でも領地の主人の許可なしに城へ足を踏み入れることはできない。俺の頼みはいつも無視しておいてこういう時にだけ連絡をよこすとは・・・

俺だって無視するに決まってる!)

「私は後回しというわけか」

「そうご立腹なさらずとも明日のパーティーには必ず参加し陛下にご挨拶するでしょう」

「他の貴族たちからも彼のことについてあまりいい噂は聞かなかったがな」

「誰ですか?そんなことを言った者は」

(しらばっくれちゃって)

「狩場で会った者たちからだ。今まで伯爵の下で苦労したと言っていたぞ」

「そんな・・・苦労だなんて。領地のためならそれくらい我慢できます」

「お前の心は海のように広いな。あんなにつらい目に遭ったのに彼の肩を持ってやるのか」

「陛下・・・実はエンビタ伯爵は・・・」

男爵はエンビタ伯爵の実態を語り始めた。

今まで彼が他の家臣たちに理不尽な待遇をしていたことや、それに加えエンビタ伯爵がどれほど無能で伯爵に相応しくない者だと熱く語り続けた。

(墓穴を掘っているとも知らずによくもベラベラと・・・)

ユリア
ユリア

(いくらなんでも自分の主君である人をこんな風に貶すなんて皇帝が喜ぶとでも思うわけ)

(おそらくこの地域の主従関係が悪化したという証拠でしょうね。早くこの状況をひっくり返したい)

******

「陛下」

「調査の方はどうだった?」

「陛下の予想通りでした」

ユリアがため息をつき、ユーストの報告書に目を通した。

「・・・・・・」

ユースト
ユースト

(行動一つ一つに自分が尊敬していた皇帝だということを感じる。

一度失ったことがあるからこそ、どれほど大事な存在なのかは痛いほどわかっている)

「騎士団の方も深刻な状態ということだな?」

「はい、騎士団と名乗るのも恥ずかしい程です」

「これでは領地が維持できてたことが不思議なくらいだな」

「そうなるように悪循環させるためでしょう」

「・・・・・・」

ユリア
ユリア

(なんでシリルがわざわざこの地域を選んだのかわかる気がするわ)

『帝国の蝕んだところを切り捨てるおつもりなら一刻を争う地域は旧ナスラン王国でしょう』

(彼にしては珍しいくらい深刻な顔だったから予想はしていたけど・・・自分の目で見たものは想像以上だわ。

それにフェリックスとユーストが調べた内容も何もかも言葉を失うほどの内容だったわね。

どうしてこうも典型的な腐敗の温床なのかしら。腐敗した貴族がすることは全てやっていたけど・・・

人の処刑だけはしてなかったわ。そんなことをすればすぐ都に知らされてしまうからね。だから余計タチが悪い。

民から限界まで搾り取り無気力にさせて抵抗する気力も奪った。ダリオという住民が嘆願書を送ってきたのが逆にすごいぐらいだわ)

「騎士たちの給料もままならないのでほとんどの者が領主に借金をしている状況です」

「なるほど給料はあるが実際に受け取る金はないということか・・・」

「はい。住民が抵抗する度騎士たちに押さえつけるように命令を出したそうです」

「その代わり利子を減免してあげると・・・」

「ええ」

ユリアがため息をつく。

ユリア
ユリア

(これはスチェータだけの話ではないわ。

この地域の貴族たちはずる賢いわね)

第39話 感想

給料があっても受け取る金がないとか悲しすぎですね・・・闇すぎる。

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