第43話 ネタバレ
「姫様どうぞこちらへ」
(お父様の寝室の隣?)
「急いで準備したものでまだ完璧とは言えませんが一度ご覧になってください」
「わあ・・・」
(ベルック宮殿の部屋よりも3倍は豪華かも・・・)
「当分の間はこの部屋で過ごすようにとのご下命がございました。ベルゴロト宮殿の警備品をすべて撤去するわけにはいかなかったのでとりあえずこの3階だけ片付けておきました」
エレニカはディエリゴが話していたことを思い出す。
『ベルゴロト宮殿には特にお気を付けください』
「あ・・・」
(そういえば・・・魔鉱石に覆われていると言っても過言ではないって言ってたわね)
『だから私が戻るまで大人しく待っていなさい』とエウレディアンも言っていた。
(だからあんなに何度も注意したんだ・・・言われなくてもちゃんと大人しくしてるつもりだったのに・・・)
「・・・ですので当分の間は退屈でも我慢してほしいとのことでした」
「はーい分かりました」
(・・・・・・)
(庭園の枯れていた草花・・・きっとあれが原因で悪夢を見たんだ!どうにかしてあれを除去しないといけないんだけどベルック宮殿に行けないんじゃ・・・)
「ところでベルック宮殿はどうなりましたか?」
「・・・ちょうど今大変なことになっています。陛下が今回ばかりは強硬に対応すると・・・」
「え?」
「あっ・・・」
「強硬って・・・どういうことですか?」
「ひ・・・姫様」
「教えてください!一体何があったんですか!?」
(まさかソルレアが犯人だって突き止めたの?それならかなりグッドニュースなんだけど!)
「それが・・・ベルック宮殿の使用人たち全員が取り調べを受けています」
「えええ!?」
(そっちかーい)
「ひ姫様!落ち着いてください!まだ危険なので下の階に行ってはいけません!」
「じゃあ今すぐ陛下を呼んでください!」
「へ陛下ならすぐ戻られるはずです」
「どうかこちらでお待ちになってください!」
(これじゃまるでわたしが・・・)
『聞き分けの悪い子だな』と神様が言う。
「わ・・・分かってます!」
「わたしだってみんなに迷惑かけたくないし・・・あなたがこっちに来たら一件落着なのに!!」と小声で言う。
『それは不可能だと言ったはずだ。同じことを何度も言わせるな』
(神様のくせにこの役立たずが!!これから先は危ないから下りたくないけど・・・お父様を呼んでくれなかったら下りるって脅してみようかな?)
「わ・・・私どもも・・・今陛下の邪魔をするとどうなるか・・・」
「へ陛下は今何をしているんですか!?」
(マリアンヌとメイドたちは何も悪くないのに!!)
「姫様?お倒れになったと聞きましたがこんなところで一体何を・・・?」
「ディエリゴ!」
『お・・・ラディエル彼は私が特に可愛がっている息子だ』
「ラディ・・・」
「え?」
「!」
(まさか洗礼名?)
「いや・・・何でもないです」
(そういう極秘情報は教えないでよ!)
「今すぐベルック宮殿に戻りたいんですけどベルゴロト宮殿に魔鉱石がいっぱい使われてるらしくて・・・」
「そうですね危ないので今はむやみに歩き回らない方がいいでしょう」
「じゃあ・・・ディエリゴが一緒に行ってくれませんか?」
エレニカが尋ねるとディエリゴは頷く。
「やっぱりディエリゴは頼りになりますね!」と喜んだ。
『私は?』
(・・・黙れ)
「ははっ、では行きましょう」
ディエリゴは困った様子で笑いエレニカに手を差し伸べた。
******
ベルック宮殿に向かいながらキョロキョロと確認する。
(ない・・・この前の枯れた草花がどこにもない!とりあえずほっとしたけど逆に不安な気も・・・)
「私が直々に使用人を配置し二度にわたりこの宮殿を隅々まで点検させたというのに・・・この国の主が目を光らせて見張っている宮殿で皇帝の客に危害を加えようとするとはいい度胸だ。」
エレニカたちが歩いているとエウレディアンを発見した。そこには跪く使用人たちもいる。
「この私が一体どこまで寛大になれるか試しているのか?マリアンヌ・ハリス答えてみろ」
「ひ・・・姫様を危険にさらすようなことは断じて・・・」
(待って!マリアンヌは何も悪くない!!)
「・・・・・・」
「・・・・・・!」
急に現れたエレニカを皆が驚いた様子で見た。
「あ・・・はは、ごきげんよう・・・」
エウレディアンはため息をつく。
「姫」
第43話 感想
エレニカがじっとできるわけがないですよね・・・良い所にディエリゴも現れた!