第35話 ネタバレ
「どう保管したらいいですかね?はやく着れる日が来ないかな~街のお祭りの時かな~」
アニーが買ってもらったドレスのことで迷っているとアリアが
「なにを言ってるの?あら言ってなかったかしら?」
「「?」」
「あなた達はこれから・・・あれを身につけて仕事をするのよ」
「え・・・あのドレスをですか・・・!?それって・・・貴族のかたがやることでは!?お嬢様と共にパーティーにも参加できるということですか!」
「そうよ、あなた達にその権利を与えるわ!」
「「!」」
******
「雑用はほかの侍女に任せたわ今日からよろしくね」
「「ありがとうございます」」
「雑用係も私が選んでさしあげたのに~エマ様が侍女を送るとおっしゃるから・・・!」
「ミエールが選んだ侍女だもの断れないわ」
「でもお嬢様の付き添いをしたい子がたくさんいるんですよ!私がどんな対応を受けてるかみんな知ってるので」
(スパイがこんなだからエマが新しい子送ったのよね・・・)
******
「名前はなに?」
「ベリーと申しますお嬢様」
(オドオドしてる・・・アニーが初めて来た時と一緒まだ若いからスパイで来たことがうまく隠せないのね。あのときは気づかなかったけど。)
(待って・・・この子って・・・あのときの・・・)
『無視されたらものを投げてください』
『我慢してばかりではいけません。毒でも入れて飲ませますか?』
『カイン様!これはすべてアリア様が・・・!』
(あんただったのね?)
「まずは紅茶をお願いね。それからあなた達には~プレゼントを渡さないとね~?」
「お嬢様・・・!」
「お気持ちだけで充分です・・・!」
アリアがジェシーとアニーにブローチを渡していた。ベリーは紅茶を注ぎながらその光景をチラッと見て呟く「くだらない・・・」
いきなり、アリアがティーポットを持つベリーの手を叩いた。
「!!」
「きちんと注げていないわよまさか紅茶も注げないの?」
「いえ・・・申し訳ございません」
「謝るならはじめから気をつけて」
バシッ
「ちゃんと持てないの?」
バシッ
「テーブルが汚れたじゃない!」
バシッ
「お茶が冷めてるでしょ!新しく持ってきて」
「はい!」
「まったく・・・あんな子を渡すとは思わなかったわ。私1人でしつけるのは大変だからあなた達もよろしくね」
「はい!こういうの自身があります!」とアニーが元気よくこたえ、ジェシーは「では・・・頑張ります」と話し不思議そうにしていた。
「頼もしいわ~」と笑うアリア。
(久しぶりにいじめたら楽しくなっちゃった。いつまで耐えられるかしらねベリー)
******
「ラテにマカロンを入れて」
侍女の二人に待機してもらいアリアは案内された。
「こちらへどうぞ」
(アースからすぐに集まりの日程が聞けたことはよかったけど・・・集まって討論するだけなのにこんな場所で?まぁ危なければ砂時計を使って逃げればいいわ)
ギーッ
「!」
「いらっしゃいましたか」
「はじめましてア・・・アリアとお呼びください」
「ようこそアリア様」
「よろしくお願いいたします」
(レインに・・・雑貨店でみかけた人がいる)
「ビッキーと申します」
(この人・・・以前パーティーで会った貴族だ記憶が正しければかなりの貴族派だったはず・・・身分も性別も年齢だって気にしないなんてなんて自由なの!)
「では始めよう」
「そこで・・・」
「だから・・・———」
(テーマはカジノについてだけど・・・なんか変・・・アースは普通に話してるのに他の人は皆アースにたいして敬語を使ってる)
(テーマはカジノについてだけど・・・なんか変・・・アースは普通に話してるのに他の人は皆アースにたいして敬語を使ってる)
「遊び程度では終わらないので閉鎖すべきです」
「カジノに入る税金だけでもかなりのものなので閉鎖は・・・」
「同意いたします。皇太子本人が管理しているので他国からも関心が高いです。海外の貴族を呼ぶいいチャンスではないかと思います。」
「合法カジノを突然閉鎖したら違法の賭博場になる可能性も・・・」
(たしかに・・・過去にカジノを閉鎖したら違法賭博に薬物売買貧富格差まで・・・すごかったわ)
「利用できる額を制限すれば・・・」
「なにを基準に制限するのですか?所有財産?年収?賭博をしようとする人が正直に財産なんて伝えますかね?」とレインがウィンクしながら言う。
(それ私が言った言葉・・・こいつ・・・う~ん・・・なぜか意見が限られている気がする)
「私は結局カジノはなにかを工夫したところで失敗したと汚名を着せられる確率が高いです。皇太子殿下を恨む気持ちから」とアリアは言う。
「それは皇太子殿下の汚名を返上するのは難しいということですか?」
(それも?貴族派の人がそこまで気にするの?)
「殿下の名誉を挽回するのであればその問題を引き継ぐまでです。貴族派とかに」
アリアの発言にザワザワ
「なすりつけるってこと・・・?そしたら事業の管理ができていないと殿下が非難されてしまうのでは・・・!」
(?)
「カジノは長期的に考えると国にとって利益になりません。外国の貴族だって限られています。」
(実際失敗してるし)
「転嫁したところで殿下の選択は間違っていないと思っていただけるのですか?どうして失敗すると断言できるのですか!」
「もういい。いい意見がたくさん出たな」とアースが止めた。
「貴族派に引き継ぐべきだという意見が一番よかったぞ。そうすれば貴族派を問責できる。皇太子に反撃できるだなんてとても嬉しいです。」とアースは言う。
(私の意見が通ったの?なんか嬉しい)
「今日はここまでにしよう」
******
「こんな聡明な方を知らなかったとは・・・」と参加した貴族がアリアに話しかけた。
「たいした者ではございませんので今後ともよろしくお願いします」
一方、
「行かないのか?」とアースが尋ねレインは「僕もですか?」と驚く。
「そうだ」
「・・・・・・」
アースが「いかがでしたか?」とアリアに声をかけた。
「あ・・・さきに言うべきことがあるんじゃないですか?」
「なんのことだか」
「もう待てません。アース様はいったい何者なんですか?今日こそ・・・教えていただきます」
第35話 感想
アリアがアースに尋ねましたがついに正体を明かすのか気になりますね。そしてベリーが新しい侍女としてきたわけですが、せっかくアリアの評判が回復してきたのに元に戻りそうな予感・・・