第19話 ネタバレ
「もしかして予言家と知り合いか?」
******
【エドウィン回想】
予言家『デスティニー』帝国に三人しかいない魔法使いのうちの一人とはいうものの魔法使いのうち一人は90歳を過ぎた老人。もう一人は病気で寝込んでいるため事実上帝国でただ一人の魔法使い。
「帝国の未来が見える。帝国の空から灰が降り注ぎ大きな騒ぎが起きるだろう。ぼんやりしているとあなた方も一巻の終わりだぞ?」
デスティニーは皇族たちに向かって言う。こんな話を普通に口に出してしまうのはこのような背景があるからだろうか?
******
「同じことを言うにしてももう少し違う言い方があるだろう・・・陛下がショックを受けちまったじゃないか予言家さんよ!」
エドウィンが言う。飲んでいたティーカップを勢いよく置いたせいで中身が本に飛び散ってしまった。
「皇室に研究室を置いてくれたのはありがたいが、だからって勝手に私の席に座るのは・・・」
「あ~血も涙もないお人だな~」
「それはどういう・・・こう見えて私はかなり情も厚く慈悲深い人間だと思うが」
「ほぅ?それを裏付けるエピソードでもあるのか?」
エドウィンの言葉に考え込むデスティニー。
「・・・もちろんだ。その昔哀れな少女を助けてやったことがある。えーっと・・・あの子の名前は何だったかな?未来がどうなったのか・・・おそらく今頃はドウェロ公爵と婚約してるんじゃないか?皇太子あなたも知ってるはずだボルシェイク家の——」
「・・・バレリー・レア・ボルシェイクを知ってるのか?」
「あぁそうだ。そんな名前だったな。その子にこう伝えてくれ。私が言ったことを覚えているか生き残りたければもっと必死にもがくがいい・・・と」
******
【現在】
「こう伝えてくれって言ってたけど?本当に老若男女問わず無礼な言い方をするおっさんだよな。やんなっちまうぜ俺にもさぼんやりしていると一巻の終わりだって・・・」
「いったい私が何をしたっていうの?そんなにいけないことをした?もっともがけって?これ以上どうしろと言うの?何年も同じことを言い続けるならここに来て私の目の前で詳しく言ってみろと伝えてください」
「いったい私が何をしたっていうの?そんなにいけないことをした?もっともがけって?これ以上どうしろと言うの?何年も同じことを言い続けるなら
ここに来て私の目の前で詳しく言ってみろと伝えてください」
「・・・えっ?」
「いえ皇太子様に怒ってるのではなくて・・・すいま・・・」
「バレリー?落ち着けよ髪がくしゃくしゃになっちゃうぞ。せっかくおめかしして来たのに。あっ・・・危ないっ!」
ふらつくバレリーの肩をエドウィンが支えた。
そこへ
カイロスたちが戻ってきて目撃する。
「カイロス!!」
(悪いことは重なると言うけどタイミング悪すぎ・・・)と思うバレリー。
「おい!その顔は何だよ?俺はただ転びそうになった彼女を支えただけだぞ!」
「そっそうですよ!誤解しないでください!皇太子様も早くこの手を離して下さい!!」
「今離したら君の後頭部はどうなると思う?まずは自分の足で立たないと!」
「そっそうですね・・・」
(それはそうなんだけど・・・体に力が入らない・・・)
「あれどうしたんだろ?ちょっと待ってください」
「本当に大丈夫なのか?」
ゾクッとするバレリー
「君・・・」カイロスが呼びかける。
『魔法使いであり予言家でもある私にはお前の未来がはっきりと見えるのだ何が見えるか教えてやろうか?』
「バレリー?」
『生き残りたければもっと必死にもがいてみろ』
(ダメよこのまま不倫だと思われてしまったらボルシェイク家も私も終わりよ!!)
早く立たなきゃと焦ったバレリーの頭が皇太子に直撃する。
「ボルシェイク様と皇太子様がぶつかった!!」
「主治医・・・主治医を呼べ!!」
******
一方ボルシェイク家では
「親愛・・・なる・・・ドウェロ卿様・・・」
バレリーの弟マーシャルが手紙を書いていた。
第19話 感想
予言家デスティニーは不仲にしようとわざと煽っているようにしか見えないのは何故だろ・・・デスティニーの予言は本当に起きることなのかとても謎です。