第27話 ネタバレ
エウレディアンと一緒に街へ出かけたエレニカ。何だかエウレディアンは他の事に気を取られている様子だった。
(さっきからピリピリしてると思ったけどやっぱり普段とあまり変わんないかも・・・)
じーっと見つめるエレニカにエウレディアンは「なぜそんな目で見ている?」か尋ねた。エレニカは「そんな目ってどんな目ですか?」と逆に質問すると「何か企んだ目だ」と言われてしまった。「そ・・・そんなんじゃないです」と言いながら目をそらすエレニカに「本当にそうならいいのだが」とエウレディアンが話す。
「あ~!それどういう意味ですか?」
「姫がそういう目をした後は決まって私の予想を覆したという意味だ」
(わたしってそういうイメージだったの?)
「意外性がある方ではありますけど何も企んでませんから!さっきから放置されてる気がして見てただけです」
「放置?そんなはずがないではないか」
エウレディアンはエレニカの手を取り「だが姫がそう感じたのならすまない次はどこに行ってみようか?」と尋ねる。
エレニカはそれでもじーっと見つめていたが少し考えた後、「あのオオカミ像をもっと近くで見てみたいです!」とすぐ笑顔になる。
(お父様の瞳にわたしが・・・わたしだけが映ってる!とりあえず今はそれだけでも満足しなきゃね)
(まったく姫のせいで油断できないな)
オオカミ像の前まで行き「見てくださいここまさに撮影スポットですね あっ!こっちにはカメラがないんだっけ?」とはしゃぐエレニカによっぽど皇城で退屈していたようだなと思うエウレディアン。
「やっぱりルボブニとは全然違いますね!ルボブニにはこんな大きな広場もないし王宮も家も道路も全部小さいんです!そういえばこの前、見ましたよね?ルボブニの王宮どうでしたか?ベルゴットの皇城とは比べものにならないくらい小さかったでしょ?」とエレニカは尋ねる。
「確かに猫の額ほどもなかったな」とエウレディアンは言う。「猫!?ヒドーイルボブニが小さいんじゃなくてベルゴットが大きいんです!」と反抗するエレニカにエウレディアンは「そういうことにしておこう」と言う。
2人が話しているとまた黒色のビー玉のような物が転がってきた。それに気付いたエウレディアン。
(また結界石か・・・
黒い渦を描く結界石は初めてだが今日は異様に多く見かけるな暗黒の魔法と関係があるのだろうか・・・?)
結界石の使い道は2つある。何かを中に閉じ込めるか中にある物を移動させるか・・・ベルック宮殿の前にいたソルレア・エルラド皇城を出た途端、周囲を取り囲むように現れ始めた結界石。不注意を装ってぶつかってくる魔法士たち疑わしい点はいくつかあるが決定的な証拠がない。
いくら私が注意を払っても魔法士を感知できないように魔法士も神聖力を持つ者を見分けることができないはず。こんな人が多い場所ではなおさらのこと・・・だとしたら何か追われているようなこの不愉快な気分は一体・・・?と考えるエウレディアン。
(あの腹黒い女の狙いはどっちなのか把握すべき理由は十分揃ったようだな
この私を拉致するとはよく言ったものだ)
また結界石は転がってきた。エレニカの足元にまで転がってくるのでエウレディアンはエレニカの手をギュッと握り引き寄せて結界石を避ける。「足元をちゃんと見て歩きなさい」とエウレディアンが言うと「足元・・・ですか?」と尋ねるエレニカ。
伝統手工芸の展示を見るエウレディアンとエレニカ。店の者が髪飾りを見るエレニカに「フードを脱いだらつけて差し上げます」と言われフードを脱ごうとするエレニカをエウレディアンは止める。
ピンク色の髪はベルゴットでも珍しくて目立つからなと考えるエウレディアン。エレニカは「一度でいいから・・・ね」と目をうるうるさせる。きっぱり駄目だと話すと、「じゃあどれが似合うか分かんないじゃないですか!」とエレニカが言うと全部宮殿に送るよう指示しておくとエウレディアンは言う。
「無駄遣いしてもいいんですか!?」とエレニカは言うが「ベルゴット一の金持ちの私を心配しているのか?」と話す。悩むエレニカだったが「そうですね!お金は循環するものだから!」とひらきなおる。一体どう納得したんだ?と不思議そうなエウレディアン。
エレニカは商品と並ぶ結界石に気づく。
(さっき地面に落ちてたビー玉に似ている
すごい——偶然・・・あれ・・・?)
結界石に引き寄せられたエレニカは触ろうとしてビリッ!と痺れがおきる。い・・・一体何なの?無意識のうちに手を伸ばしてしまったと焦るエレニカ。エウレディアンに「陛下見てください!このビー玉!さっきからこのビー玉に引き寄せられて——」と伝えると「姫!触るな!!」と急いでエレニカを遠ざける。
「あってはならないものが堂々と街中に溢れているな」
第27話 感想
かなりストーカーなみにしつこい結界石でしたねwww