第7話 ネタバレ
日が暮れると着いた先には井戸があった。
「予定通り着いたぞ日も暮れたことだし今日はここで休もう明日、日が昇る前に出発する」
ジャカ―ルが井戸から水を引いていると
「私の知る平原はこんなに乾いた土地じゃなかったわ いつからこんな風になっちゃったの?」
「随分昔の人間みたいな言い方をするんだな 帝国が築かれて300年パーズを吸収した当時すでに草地の少ない土地だったと言われていたからその頃からそうだったんだろう」
(300年ですって!?随分どころかものすごく昔の人間じゃない!)
ジャカ―ルの言葉に驚くアミーナ。時を経て良くなるどころかどんどん砂漠化していってると聞き河があるのにどうして砂漠化なんてと質問するアミーナに「土地が枯渇し河にも渇水期が生まれた北西の山脈に雪を溶かす季節が到来しない限りあそこはただの乾いた土地に過ぎない」話した。
ジャカ―ルから水瓶を受け取り水を飲むアミーナ。
「こんなことも知らないなんて・・・本当にランプの中にいたんだな」
「何よ信じるとか言って全然信じてないじゃない」
「信じることと実感することは違う不思議な格好をしているとは思ったが昔の記録でしか見たことのない服装だ」
「私からしたらこんな服装の方がおかしいわよ でもどうしてこれを着るのかは分かったわこんなに寒暖差が激しいとはね」
「こういう砂漠では全身を覆い隠した方が身のためだ下手したら死ぬからな今のうちに少し寝ておいた方がいいぞ明日は長旅になる」
布の上に横になり、飲んで食べて寝るなんていつぶりだろうと思うアミーナ。まあランプから出て来た以上栄養と睡眠は必要だし・・・じゃなきゃ死ぬわよねと考える。
自ら命を絶つこともできた真珠宮殿が襲撃された時も愛する人々が死に絶え独りぼっちになってしまった時も初めてランプから出てきた時もそして全く違う世界になってしまった今もそれでも生きているこんな境遇になってもまだ死ぬのが怖いと感じるアミーナ。
生きろアミーナ!
目を閉じてジブリルの最後の願いを思い出す。生きてるよジブリルあなたの言葉通り。
河っぽくないナナヒット河に着いた。渇水期にはいつもこうだとジャカ―ルは言うと、ここから流れに沿って歩けばいいと話した。
「・・・直接この目で見るとわかるな今年は特にひどい このまま水量が増えなければ・・・」
「どうなるの?」
「災いだ パズー市だけで70万人・・・彼らにとってこの河は全てだ第2の都市までこんな状態になれば帝国全体が危機に陥るだろう」
「なら願って」
アミーナの言葉にジャカ―ルは手綱を強く握る。アミーナは馬から降りると「チャンスは3回もあるのよ?お父さんの願いを除いてもあと2回あるじゃない河に水でいっぱいにしたんでしょ?私にできないと思う?」と話した。
「河を水で満たしてあげる言ったじゃない人間関係を変える魔法だってあなたを家に帰すことだって河に水を戻すことだって私にはできる あなたはただ願うだけでいい血で繋がってるから」
「ナナヒット河に水を流してくれ雨を降らせ元に戻してくれ」
ジャカ―ルが願うとランプが光った。
「了解」
アミーナが魔法を使うと星空がひろがりブワッと周りに因果の線があらわれた。砂漠全体に雨を!
青空に雨雲があらわれゴロゴロと雷が鳴りだす。空に光がはしった。ポツポツと降り始めた雨はだんだん強くなる。
雨を見つめて良かったと思うアミーナはジャカ―ルの方に振り返り「どう?」とほほ笑む。ジャカ―ルは「アナヒータ・・・」と一言こぼす。ジャカ―ルの言葉に不思議そうな顔で「何を・・・言ってるの」と声をかけるが魔法を使ったせいで力が抜け倒れるアミーナは目の前が暗くなる。
一方、パーズテス宮殿(西宮殿)では急に降り出した雨に騒ぎ人が集まっていた。テス宮殿執事のヤズミンは雨を見つめて「奇跡だ!」と声をあげた。
第7話 感想
アミーナが魔法で雨を降らすシーンが、きれいで神秘的なイラストでした。こうして願いを聞いてもらえるのが後2個になったわけですね・・・父親の眠りを覚ますとしたら後1個かな?