第59話 ネタバレ
エレニカ「急に皇城に呼ばれてビックリしちゃいました。ディエリゴは何か聞いてないですか?」
「はい、まだ何も・・・」
昨日は3日目なのに会いに来てくれなかったから一人で頑張って色々考えてみたんだけど・・・
いきなり皇城に呼ばれるとはね・・・
もう神殿でしか会えないと思ってたのにな~
一体何の用だろう?
(やっぱソルレアと関係があるのかな?)
エレニカが扉の前に着くと開けてくれた。
タタタタッ
「エ レ ニ カァァア~!!」
ガバッと抱きつかれた。
「・・・っ!」
この声は・・・
「セ・・・セルゲイ?」
「エレニカぁ・・・ちゃんと生きてたんだな」
セルゲイが泣き出す。
「あれ?本当にセルゲイだ!どうしてあんたがここにいんの?」
「それが3ヶ月ぶりに再会した友だちに言うセリフか!エレニカぁ~本当に心配してたんだぞ!絶対まともな状態じゃないって思ってたんだけど無事で良かったよ」
「ちょ・・・ちょっと!苦しいからとりあえず放して!」
エレニカがセルゲイの肩をポンポン叩く。
「・・・こっちでも毎日贅沢させてもらってるし元気にしてるってちゃんと手紙にも書いたでしょ?」
「手足はちゃんと10本ずつ残ってるか?」
「へ?手足・・・?大丈夫だってば!」
「てゆーか、なんでこんなに痩せちまったんだよ!」
「あっ・・・ちょっと事情があって・・・」
(こいつも無駄に勘が鋭いな・・・)
ん?
「フェルナンデスに・・・お義兄さん?」
このメンバーは・・・
「まさかルボブニの使節団がもう来———」
「エレニカ姫!」
「姫様・・・!!」
タタタッ
「ご無事ですか?怪我はありませんか??」
「あ・・・わたしは大丈——」
「かすり傷でもあったらタダでは置かないと・・・妻に脅されました。本当にご無事なのですか!?」
「お・・・お義兄さん・・・」
みんなすごく心配してたみたい・・・なんだか申し訳ないな。
「えっと・・・みんな久しぶりです」
「ぼ・・・僕は護衛騎士失格です!ルボブニに戻り次第護衛騎士を辞任します!」
「そ、そんな・・・フェルナンデスのせいじゃないのに・・・ベルゴットの陛下も人質じゃなくて客として丁重にもてなしてくださってるし・・・
本当に全然大丈夫です!ベルゴットの観光もさせてもらったし・・・最近、神殿で過ごしながら素敵なお友だちもできたし・・・
美味しいものもいっぱい食べさせてもらってます!だから心配しなくても大丈夫——」
「大丈夫じゃない!オレの可愛い子豚ちゃんがガリガリになっちまってる!」
「こ・・・子豚ちゃんですって!?」
「3ヵ月前まではぽっちゃりして可愛かったのに・・・」
「あーもーあっち行って!久しぶりに会っても相変わらず役立たずね!」
「お前こそ相変わらず言葉遣いが荒いな・・・」
「・・・・・・?」
なんか視線を感じるような・・・
じーっと見つめるエウレディアンに気づく。
「!」
そういえばここ・・・謁見室だった。
「公爵・・・これで満足か?まさか皇帝の謁見室に来て姫を出せと脅迫するとはな」
ビクッ
エレニカ「げ・・・!」
「そういえば前回も姫の直筆の手紙を送らなかったらグルカマンを爆破すると脅されたな」
(ベルゴットの皇帝をまた脅すなんてホント信じらんない・・・)
「ご・・・ごめんなさい。みんなわたしのことを心配して——」
「ベルゴットの主人を何だと思っている」
な・・・なんでそんなに怒ってんの?
あの口調と表情からしてなんか気に食わないみたいだけど・・・
「・・・・・・」
セルゲイたちがエレニカを守るように前に立つ。
エレニカ「・・・なるほど!へへっ・・・」と笑う。
「おい大丈夫か?お前やっぱおかしいぞ」
「これ・・・妙にクセになっちゃうかも・・・」
「兄さん!さっきからエレニカの様子が変です!!歓迎式なんかどうでもいいから早く帰った方が——」
「お黙りセルゲイ」
「!」
「なんで皇城に呼ばれたか気になってたんですけど・・・こういうことだったんですね。幼なじみと護衛騎士・・・それからこっちは姉の旦那さんです。
こう見えてもルボブニの大事な姫なので・・・ご覧の通りみんなすごく心配してたみたいです」
「心配・・・か・・・」
「お騒がせしてすみません。わたしが代わりに謝ります」
「・・・姫が謝る必要はない」
これってどう見ても・・・嫉妬!だよね。
エレニカが意気揚々。そしてエウレディアンはセルゲイがエレニカの肩に手を巻き付けていたのでじーっと見つめている。
「じゃあ、せっかく皇城まで来たので・・・みんなともう少しだけ一緒にいてもいいですか?」
「一緒に?」
「はい!3ヵ月ぶりの再会なので話したいことがいっぱいあるんです!」
聞きたいこともいっぱいあるしね!
テゼビアお姉ちゃん、アレクシオスとブリズニー、フェルナンデスの奥さんになる方も!
それに何よりもエウレディアンに・・・もっと嫉妬してほしいから!
(さあ、どんどん嫉妬しちゃって~!)
「・・・・・・」
エウレディアンがふっと笑う。
エレニカ(・・・ん?)
「いいだろう。長旅で疲れているだろうし・・・とりあえず部屋でゆっくり休みなさい」
「いや私たちは大丈夫——」
「いや大丈夫ではない」ときっぱりエウレディアンが言う。
エウレディアンが使用人に合図をおくる。
「ご案内いたします」
「あ・・・」
(じゃあ、わたしも・・・)
「姫はそこに残りなさい」
(え?)
第59話 感想
嫉妬するエウレディアンに残るよう言われたエレニカですが次回も甘々展開に期待です!