第49話 ネタバレ
【ノラside】
「母上体調はいかがですか?」
「大丈夫よ緊張のせいだったみたい心配してくれてありがとう」
「裁判のせいで不安になっていらっしゃるようですね」
「・・・・・・・・・私も・・・行ったことがあるの」
「!」
「多くの視線と判断が降り注いで味方なんて誰1人いない孤独感・・・侯爵夫人はきっととてもお辛いはず・・・やっぱりあなたも皇宮へ行った方が良さそうね」
「でも今は母上が・・・」
心配するノラに母がフッと笑う。
「私を見てすぐに良くなったでしょう?辛い時に思いがけない人に出会うと力が湧いてくるものなの。行って来なさいノラ、あなたは勇気を与えられる子だから」
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屋敷を飛び出すと使用人が追いかけてきた。
「坊ちゃん!!一体どこへ行かれるのですか!?馬車はこちらですよ!!」
「・・・!!」
何かを悟った様子のノラ。
「まさか走って行かれるおつもりだったのですか!?」
馬車の中で使用人にクドクドと説教されることになった。
——母上が少し変わられた。
俺の気持ちなど眼中にもないのかと思っていたのに
・・・・・・ありがとうございます母上
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一方
ノイヴァンシュタインの子ども達とオハラは
ガタン、ガタン
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
荷車に隠れていた。
オハラ【小声】「あの・・・!思わず一緒に隠れてしまいましたけど・・・!これが裁判所へ向かう馬車でなかったらどうするのですか?」
レオン【小声】「大丈夫ですよ!工事資材をのせていましたからこの前の雨の被害を受けて今でも修理を行っている皇宮の建物は裁判所だけなんです」
オハラ【小声】「・・・どうしてそんなことを知って・・・」
エリアス【小声】「どうせどこかで読んだんだろ。レオンは本の虫だからな!」
レイチェル【小声】「レオンは一度読んだ内容は絶対に忘れないのよ」
レオン【小声】「・・・あっ・・・!?馬車が止まりました!」
エリアス【小声】「着いたみたいだな!荷物運びが雑談してる!今だ!脱出するぞ!」
【小声】「早く早く!」
しかし、逃げる途中でパキンッと木の枝を踏んでしまった。
「ん?」
荷車の持ち主が振り返る。子ども達は心臓がバクバクしながら隠れた。
「・・・・・・!!」
エリアス「見つかるところだった・・・!!危なかったじゃねぇか!木の枝なんか踏みやがって!!」
オハラ「あんなところに木の枝があったんだから仕方ないでしょ!」
レオン「うまくいったんだからいいじゃないか~!」
エリアス「とにかく・・・これで分かっただろ?俺たちみたいに」
オハラ「!」
「無鉄砲な方がうまくいくこともあるってことさ」
「・・・知り合いが通るのを待つという方法もありましたわ早く行きましょう」
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「わあ、ママはこんな場所で戦うのね」
「おおー・・・」
ザワザワ
「あっ!ママだ!」
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【アルベルンside】
「・・・・・・」
伯爵様は現れる気配もないな
(結局あの日の努力は無駄だったということか・・・)
落胆されてもおかしくはない
シュリー「アルベルンお願いがあるの。裁判が予想通り無事に進んだら私はジェレミーに当主権を渡して『名誉の決闘』を申し込むつもりよ。
ずっと悩んでいたけど・・・相手は譲る気がないようだし嫌疑自体をひっくり返すことはできないから『名誉の決闘』で絶対に負けるわけにはいかない」
「・・・騎士であるあなたに出てもらえるかしら?」
「奥様この瞬間のための騎士団でございます。どうぞ頼みではなくご命令を。奥様とジェレミー様のために必ずや勝利いたします」
【シュリーside】
1人だけの孤独な戦いだと思っていた。
でも
少しずつ力を貸してくれる人たちがいる。
大切な人たちが見守ってくれている。
今はもうこの場所が怖くない。
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「静粛に!」
コンコンコンッ
「ただ今より『罪人』ジェレミー・フォン・ノイヴァンシュタインの裁判を始めます」
エリアス「どうして司祭があの槌を叩くんだ?」
オハラ「皇族弑逆疑惑の裁判は普通の裁判とは少し異なるのです」
「罪人を前へ!」
手錠をかけられたジェレミーが登場する。子ども達は事の深刻さを目にして真っ青になった。
「ジェレミー・フォン・ノイヴァンシュタイン帝国歴1101年生まれノイヴァンシュタイン侯爵家の長男であり次期後継者あなたには我が帝国の皇太子『テオバルト・フォン・バーデン・ヴィスマルク』殿下に対する暴行および殺害を試みた疑いがかけられています。
これについて認め罪を反省しますか?」
「いいえ」
ザワッ
「!?」
「嫌疑を否認します」
第49話 感想
ジェレミーこんな時でも堂々としてますね。不安にはならないのかな?