
第33話 ネタバレ
「疲れているのか?」
「陛下・・・」
「よかったら散歩に付き合ってくれ」
******
【フェリックスside】
「これは・・・全部・・・汚い金で作り上げたこの城のせいなんだ」
フェリックスが怒りながら書き物をしていた。
その時、肘でコップを倒してしまう。
(・・・・・・やっぱり不安だ・・・スチェーテに来る途中から嫌な予感がしてたんだ・・・!)
******
【回想】
「放蕩な皇帝を演じる以上、夜二人とも私と一緒にいると怪しまれる。監視名目だとしても不自然に見えるはずだからやっぱり一人だけ・・・」
スチェーテに向かう馬車の中でユリアが話す。
「ボクがやります!」
「いえ私がやりましょう」
「・・・・・・」
バチバチと睨み合う2人に
「ではジャンケンで決めろ」と言う。
「「え?」」
「ジャンケンなんて・・・!」
「それが一番シンプルで早く決まるだろ?」
「「・・・・・・」」
「急げもうすぐ着くぞ」
「うう・・・」
「・・・・・・」
******
【現在】
(まさか『チョキ』を出すとは・・・卑怯な!マスカス公爵はどこからどう見ても『グー』を出すタイプじゃないか!まったく何から何まで気に入らない)
ムカッ!
(やっぱりダメだ!本当に嫌な予感がする!)
******
【ユリアside】
警備そっちのけで酒を飲む姿にユリアは
(この国はまともな所がないわね・・・)と思う。
「警備がここまで手薄だったとは行くぞユースト」
******

(調査の件で来たけど景色は本当に綺麗ね。この景色を見るためにここに城を建てたのかしら)
「私も・・・陛下の真似をして放蕩な演技をすればよかったのでしょうか・・・」
「ハハ、そんなことをすれば男爵に気づかれていたぞ」
「・・・・・・」
不満そうな顔のユーストに
(カワイイわね・・・)と思った。
身長や体格は私よりも大きいのに素直にやきもちを焼くところは可愛すぎる。
(こんなにもわかりやすいのにユリアは本当に彼の気持ちに気づかなかったのかしら)
「ユーストそんなに心配する必要はない」
それとも私が原作を知っているから彼の気持ちがわかるだけなのか・・・
「陛下・・・」
「彼らは大人しく眠らせただけだぞ。演技だったのはお前も知っていたではないか。2年間乱れた姿ばかり見せていたが・・・今はもう・・・」
ユリアの言葉にユーストがピタッと立ち止まり、左手の人指し指でユリアの指に触れる。
「そんなことは・・・気配だけで十分わかっております。ですが・・・」
「陛下がやりたくないことを無理にされることが嫌なだけです」
「・・・・・・」
ユリア(こんな風に振り向かせるとは予想外だったな・・・こんなに愛おしく・・・そして素朴で・・・)
普段は背中を任せられるくらい頼れる彼が今だけはとても無邪気な人に見えた。
(胸がくすぐったい・・・)
「なので陛下は命令だけ下してください。私がなんでもいたします」
(なんでもって・・・)
ユリアの胸がズキズキといたむ。
(成人してるのになんでこんなにも心配なんだろう・・・)
「そういう発言はそんなに気軽にするものじゃない」
ユリアの言葉にユーストがハッとして「陛下私は・・・」
「ああ——覚悟なしに言ったわけではないことくらいわかっている」
ユーストはスチェータ男爵が用意した男とは違って自分の意思でここに立っている。

(だけど私は彼が望む本当のユリアではないわ)
「では陛下は・・・」
ユリアが散歩の途中で見つけたリンゴをユーストに渡す。
「お前の言葉は実に甘い。その言葉に酔うと楽になれそうだな」
だから私は彼が望み帝国が夢見た誰よりも本来のユリアが描いていた完璧な皇帝になりたい。
「しかし帝国の中でも一番高い地位にいる者が楽をするわけにはいかない。だからこれは皇帝である私のやるべきことだ」
(前世も今も仕事熱心にならないといけない状況は少し悲しいかも・・・まぁ仕方ないかな。今にも泣きそうな顔・・・なんだか悪いわね)
「・・・・・・」
(陛下は以前のお姿に戻られたのに、むしろ2年前より遠くなった気がする。お傍にいるだけでいいと思っていた・・・だけどどうしてこうも心が逸るのか・・・
2年もの間元に戻るだけで十分だと思ってきたのに俺は何を欲張っているんだろう)
「承知いたしました」
「だがお前を休ませるということではないからな」
「はい」
(なぜユリアがあんなにユーストを信頼していたのかわかる気がするわ。自分の気持ちを全て押さえてまでユリアに捧げる忠誠心)
小説の中で何度も見たけど実際に見るとなんだか違う感じ。
(複雑な気分ね。あまり好きではないような・・・)
******
(よかったギリギリ間に合ったようね。これならバレずに戻れるわ)
ユリア達がこっそり部屋に入ろうとした。ところが誰かに見つかってしまう。
「陛下!」
第33話 感想
誰かに見つかってしまったようです・・・スチェータ男爵側かフェリックスのどっちなのか気になるところですね。