第47話 ネタバレ
「それもただ学校を建てるのではなく身分や年齢に制限を設けない学校にしようと考えております」
(計画書の内容はどこに行ったの?それに事業で学校を設立するってどういうこと?)
「それが事業として成功するとお考えですか?」
「はい。事業家たちが投資をしてくれるでしょう」
「それはどういう・・・」
「簡単に説明いたしますと、まずは首都に学校を建てるのですが貴族が通うようなアカデミーとは違いここに平民を対象に必要な知識を与えることを目的としています」
「要は事業体からの投資で優秀な人材を育成するということですね?」
「はい投資が多いほど手厚いサポートをすることができるでしょう」
(優秀な人材を育成するのは構わないけど・・・)
アリア「そのような中長期計画に投資してくれるような方が見つかるとお考えですか?それに平民たちに学費を払う余裕があるとは思えません。学費が免除できれば話は別ですが
彼らは一日一日を必死に生きているんです。そのようないい加減な事業に投資される方はいないと思います」
「学費に関しては心配いりません。彼らには勤労奨学生として学校に通ってもらうので。勤労奨学生には奨学金が与えられますから問題なく学校に通うことができますし成績上位者に対する奨学金制度の取り入れも考えております」
「その費用はどこから手に入れるんですか?」
「実はすでに必要な投資金は準備できています」
アリア「それなのに新たな事業を始めようとお考えなんですか?私には事業というより平民のために動いているようにしか見えません」
「それは・・・」
(・・・・・・まさか私を思ってこの計画を立てたの!?)
(私のような身分の低かった人が成長した姿を見て可能性を感じたとか?アース・・・じゃなくてルイ・・・私のことをそういう風に見てくれていたのね!)
「優秀な人材を必要とする場所が多いからです」
(?)
「この場所で素晴らしい人材を育てあげましょう!」
(・・・・・・期待した私がバカだった・・・)
「内容は素晴らしいと思うのですが投資家A様へ支払う手数料はかなりの金額ですよ?」
「その点は問題ありません。僕は今日初めてみなさんにお会いしましたがこんなにも若くて情熱のある事業家たちに感銘を受けました。損害はないと断言できます。力を合わせて今後の更なる成長を果たしていきませんか?
新たな事業に協力していただければ優秀な人材を紹介いたします。彼らは皆さんの事業に貢献してくれるでしょう」
「たしかに人手が足りていないから・・・」
「これなら育成する時間が省けるのか」
「それでは本題に移らせていただきます。まずは各自の事業報告から始めましょう」
******
(誰かさんのせいで会議に全く集中できなかった)
アース「あの・・・お久しぶりですアリアお嬢様。まさかこの場でお会いできるとは思いませんでした」
アリア「そうですね・・・」
「少しだけお時間いただけますか?お嬢様もお話したいことがあると思うので」
(話したいこと・・・私に嘘をついた理由ならいくらでも聞いてあげるわ)
「よければ外でお話しませんか?」
「わかりました。今日こそ答えていただきます」
******
アースとアリアは人混みの中を歩いていた。
「静かな場所に移動しましょう」
「はい・・・」
「いつかはお話しようと思っていましたがまさか今日お伝えすることになるなんて・・・」
「そうですね・・・このような形であなたの正体を知るとは思ってもいませんでした」
(ピノヌアの息子・・・)
「お嬢様、僕はピノヌアではありませんよ」
「え・・・?」
(それじゃ・・・皇室の隠し子とか?)
「着きました」
「・・・・・・?」
顔を上げるとそこは森の中で近くに家があった。
「こちらへどうぞ」
「ここは・・・どこですか?」
「喋るのに夢中になってしまいましたね。ここは首都の隣にある森・・・」
「バカにしないで!!こんな短時間でそんな遠くまで行けるわけないじゃない!そういえばお祭りの時も場所を隠してましたよね!」
「あの時は・・・」
「いい加減あなたが何者なのか教えてくれませんか。私には全く想像がつきません。お答えできるのであれば教えてください。
アース様に会うたびにどう接すればいいのかわからなくて・・・」
(胸が苦しいのは私に興味があると言いつつも彼の情報を何1つ私に共有してくれないのが悔しいから・・・)
******
「・・・・・・」
「僕の話を聞いて困惑されるかもしれません」
(この『力』を何と説明すれば・・・彼女に納得してもらえるだろうか)
「まず、この場所に短時間で到着できたのは家門の力が関係しています」
「家門の力ですか?」
「はい、この力は家門ごとに異なるのですがうちの家門の場合高速移動が使えるんです」
アース(あまり驚かせないように・・・)
「身体が人よりも発達していると表現したほうがわかりやすいかもしれませんね」
(それって砂時計と同じじゃん!)
(家門の力なんて初めて聞いたけどまさか私の実父と同じ家門だったりして・・・)
「その力はピノヌア子爵から伝わるものですか?」
「いいえピノヌアという名前は借りただけです。僕を助けてくれた家門なんですよ」
(アリアお嬢様は僕の話を全く動揺せずに聞いてくれている)
「助けてもらったということはやっぱりアース様は皇室の・・・」
アース(さすがだ)
「その通りです。僕の名はアーステロぺ・プランツ皇太子です」
(皇太子・・・)
(そういえば・・・皇太子の名前はアーステロぺだった!アーステロぺ・・・略してアース!公女の時もそうだし私ったらどうして・・・一番重要な部分を忘れるのよ!
でも過去の皇太子は存在感が全くなかったから・・・忘れても仕方ないか)
「お嬢様大丈夫ですか?」
アリアはアースから貰った花束を目の前で踏み潰したことを思い出した。
(うわ~どうしよう!!)
「この間は・・・無礼な態度をとってしまい大変申し訳ございませんでした・・・皇太子殿下」
「過去のことは忘れてください」
第47話 感想
アースがアリアに正体を明かしましたがまさかその他にも秘密があったとは驚きです。砂時計と似たように特殊能力を持った人が結構いるのかな?ミエールも何か力があるのか気になります。