第13話 ネタバレ
(なぜ!フェリックスからはなんの連絡もなかったのに。どうしてユーストが・・・!)
ユリアとユーストが剣を交えていた。その時、ユリアの足がぐらつきユーストの剣が胸を貫いて目が覚める。
(・・・・・・夢?・・・・・・気にしすぎたのかしら無理もないわ。今日は270年9月14日皇帝のユリアがユーストに殺される日ですもの。昨日のフェリックスからの報告によると反逆が保留になったことは間違い無いわ)
「ユーストはいつ頃来るんだ?」
「午前11時です」
(単独面談を要請してくるのであれば間違いない。何もないはず大丈夫よ・・・ここでは生き延びれるわ。頑張ってきた前世は終わったけど。あ・・・)
ズキッと胸が痛んだユリアは胸をおさえる。
(そう、耐えれる)
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「うううう・・・」とユリアは執務室で唸る。
(フェーズ公爵・・・今まで何をやってきたの?やることが山積みだよ・・・!!)
(何もかもあの部長にそっくり!裁判中に私情を挟みそう・・・ベヌース伯爵を宰相に任命しようかしら。あの仕事ぶり・・・きっと役に立つはずよ)
(そもそも山積みの仕事を一人でやるほど馬鹿じゃないわ)
「陛下、マルカス近衛兵隊長がお見えになりました」
(ついに・・・運命の日がやってきた)
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「帝国の主、皇帝陛下にご挨拶申し上げます」
(鎧もつけていないし恨んでいるような感じもしない)
「待たせてすまない」
「いいえ」
「本日の用件を聞こうか」
「・・・・・・一つお願いがあります」
「申せ」
「剣気を・・・もう一度見せていただけますでしょうか」
「剣気?」
ユーストが頷く。
(言葉で聞くより自分の目で確かめるだけで十分だ。自分にとってあの黄金の光が一番間違いない答えだから)
「これでお前がここに来た答えになったか?」
周りを全て飲み込んだ穏やかな黄金の光はこれ以上の質問に意味をなくした。
「陛下を疑っていました・・・」
「そうか」
「もう以前の陛下はいらっしゃらないと思っていました」
「それを伝えるためにここに来たのか」
「はい、どんな処罰でも受けます」
「私がお前の忠誠に気づかないとでも思ったか?」
「陛下・・・」
「一度の過ちを許さないほど私の器は小さくない」
(私は本当のユリアではないけどこれからの彼女が私自身でもある。皇帝の本分もしっかりやり遂げるつもりよ。
そのためにはなんとしてもユーストが必要だわ)
「・・・・・・陛下・・・もう一度誓わせてください」
ユリアは頷く。
第13話 感想
夢おちだったようですね。ユーストからはしっかり忠誠を獲得できたようです。