第37話 ネタバレ
「すごいぞ!」
「こんなに当たるものか!?」
アリアはカジノで砂時計を使って一儲けしていた。
(はぁ・・・さすがに3日連続は・・・疲れる)
「おいっ、そのまま帰るのか?」
「少しくらい話しましょうよ!」と見ていた男たちがアリアに声をかけてきた。
『二手に別れて出ましょう馬車を呼んで待機してて』とアリアが小声でアニーに指示した。
「お嬢さん話がしたいと言ってるじゃないか!コツを教えてくれよ~」
アリアたちが二手に別れて走り出すと男達も追いかけてきた。
(ギャンブル依存症ばかり・・・マナーもなってないのね。どこまでついてくる気?)
「あっちに行ったはずだ!」
「なかに入ったのか?」
「俺たちが見てるから個室に移動したのかも?」
「なにか仕掛けがあるはずだ!」
(もうっ!隠れとこ・・・)
『こちらへどうぞ』
「!」
横のドアが突然開き、獅子の仮面をつけた者が小声でアリアを招き入れた。
(黄金の・・・ライオン・・・なんか・・・聞き覚えのある声だったような・・・)
「私が借りた部屋なのでごゆっくりどうぞ」
(あれ・・・やっぱり違う?)
「こっちに来たはずだぞ?」と外ではまだアリアを探しているようだ。
「上の階に逃げたか!」
「すばしっこい奴だな~はやく行くぞ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「そろそろ失礼いたします」
アリアが言うと
「まだだ。もう少し待機してから行ったほうがよさそうです」と話し、外で待機していた使いの者に獅子は『ソルーケあの集団を退出させてくれ』と命じた。
「私も機会があればお話したいと思っていたので。お嬢・・・あなたの噂を耳にしましたよ。不思議です。52枚のカードから1枚を当てられるとは・・・それも3度連続で。わざわざコツを教えていただかなくても結構です。さきほどの連中たちとは違いますから」
(ふ~ん、この人から悪意は感じられないわね。むしろ親近感がある。ただの勘だけど怪しい人ではなさそうね)
「助けていただいたので特別にお話します」
「ほぉ・・・」
「私はただ自分の力を信じてプレーしているだけなんです」
「自分の力・・・?」
「はい。だって・・・運も実力のうち・・・って言いますよね」
(怪しくないからと油断は禁物よ)
コンコン
「・・・」
「?」
『連中を追い出しました』と獅子の使いの者が戻ってきた。
「・・・早いな」
『ありがとうございます。褒めてる?』
「はぁ・・・もう大丈夫そうです」
「あっ、はい。ありがとうございました」
******
「仮面1枚では俺だとバレるだろ」と獅子の仮面を外してアースは言う。
「アース様もうすぐビッキーが報告にきます」
「案内が終わったのか。どうだった?」
「やはりビゲー子爵でした。準備が整い次第カジノを買収したいそうです!」とビッキーが話す。
「準備・・・さすがにあのレベルの貴族でも資金が足りないのか」
「すぐに用意するからキープしておいてほしいとのことです。この感じだとスムーズに買収してもらえるかと」
「皇太子がカジノ運営に負担を感じ処分したいと言ったまでだがこんなにもはやく・・・それほどナメられているということか。公女には公言するなと伝えたか?」
「もちろんです」
「言わなくても公女には伝えないと思うが子爵だっていつまで公爵家にいたくないだろう。財産を増やすために合法的には運営しないはず」
「財産の底をつかせる計画もあります」
「そのタイミングを見計らってカジノを閉鎖すれば貴族派は困るだろう楽しみだ」
「しかし貴族の欲は半端ないな。彼らがかき集めた財が下の者に渡ることはない皇太子として黙っていられないことだな」
「ちなみにロースチェント伯爵の倉庫の件は・・・税金の処理が厳しいようです。現在の法律ではちょっと・・・」
「法を改正するしかないのか参ったな」
「!」
「もう~なにをおっしゃるかと思いきや~相変わらずもう~誰かさんは~」
「この・・・」
「あっ、調べてみます」
「話が済んだら出ていけ」と怒るアース。
「はい!」
ビッキーは慌てて出て行った。
(あれ~?)
******
「ふぅ・・・」
『アース様はいったい何者なんですか?』
アースは一人になると先日のアリアを思い出す。
「僕にも聞かせてほしい。君はだれだ?どうして僕の頭の中に現れるんだ・・・知識をもっているからなのか君が美しいからなのか・・・
君は・・・君がいるだけで僕の心が動かされるんだ・・・マズい・・・これは重症だな・・・」
******
「みてくださいこの小切手のゼロの数!チップを交換したらこんなに増えました!カジノにはもう行かれないのですか?」
「もう行かないわ」
(砂時計を使いながらプレーするのは難しい・・・でも思ったより稼げた。これで充分)
「アニーお兄さんに会わせてくれる?お礼はあとでするから連れてきて。やるべきことがたくさんあるの」
第37話 感想
アリアがピンチの時には必ずアースが現れるようですね。それにアースはかなりアリアが気になっているようでした。