第27話 ネタバレ
「私はそんなチョロい卑怯者じゃないんだから!」
ムレアがお茶をかけてきた。バレリーはマーシャルを守ろうとする。
「マーシャル!!」
バシャッ
しかし、カイロスが間に入って守ってくれた。
「・・・!!カ・・・カイロスお兄様!!」
「これはいったい何のマネだ?」
お茶に濡れたカイロスが尋ねる。
「お・・・お兄様だってご存知でしょう?これでも手加減したんですよ!私が本気を出したら・・・!」
(瞬間移動かと思った・・・これもセレニアお嬢様の特訓の成果かな?それはそうとなんだかただならない雰囲気だな・・・)とビクトール補佐官は扉の前で考えていた。
「子どもにお茶を浴びせようとしておいてどこが手加減なんですか?このお茶がもし熱かったらどうするつもりだったんですか?もしも弟が火傷でもしたら?このことがトラウマになって一生苦しんだら?
子どもの頃の記憶に縛られてこういう不当な扱いを受けても何も言えない子に育ってしまったら?」
バレリーはムレアを睨みながら言う。
「姉さん僕は大丈夫だから・・・」
「不当?ふんっ!私がしたことが不当だって言うの?私はただ事実を言っただけよ!!」
「『事実を言った』って・・・じゃあ私は本当のことを言ってあげましょう」
「?」
(なだ分別のできないお子様令嬢にここで赤っ恥をかかせたりしたくなかったけど私の家族に被害を及ぼすなら話は違ってくるわ)
「カイロスこの際はっきり言ってください。あの方は公爵様のご両親はご自分と婚約させたかったのだと仰ってますけど」
バレリーがしゃがむカイロスの頭をナデながら尋ねる。
「??そんなわけない」
「お兄様!覚えていらっしゃらないの?お父様が私を歓迎すると確かに仰って・・・!」
「どうしますか?」
「?」
バレリーがニコッと笑う。
「亡くなったご両親の意志に従ってあのご令嬢と婚約なさいますか?あのご令嬢の頭の中にある『事実』ではなく今ここにある『事実』を仰ってください。あなたの気持ちを・・・」
「気持ち・・・父上は僕に愛する女性と一緒に幸せに生きろと仰った。そして僕の気持ちは・・・あなたに恋している」
「恋・・・・・・何?」
カイロスの告白に唖然とするバレリー
パリーン
バラバラッ
ムレアがコップを握り潰し手からは血を滴らせていた。
「そうよ私だってわかってたわ。うちの家もドウェロ家の元老院も」
『ムレアそれはちょっと・・・公爵家が許すはずがない』と親は言っていた。
「カイロスお兄様でさえ私と結婚する気がないってことくらい・・・だけどそれを黙って受け入れたらあまりにも自分が惨めじゃない!分別がなく頭が悪いとか礼儀を知らないとかそんなのみんなわかってる。
だけど自分より弱そうに見える相手にしか強気に出られない卑怯者だなんて言われるのは我慢できない!!」
ガアァァァン
怒ったムレアがテーブルを破壊する。
「私は!!セレニアだってブッ潰せるくらい強いんだから!!」
第27話 感想
急展開ですねwwwもう色々と凄いとしか言えない・・・強烈なキャラだったみたいですね。