第26話 ネタバレ
「「「ご婚約おめでとうございます~」」」
元老院の老人たちが祝い、皇太子も「カイロス婚約おめでとう!鼻の下が伸びてるぞ~」とカイロスをからかっていた。
「殿下がよいお相手を見つけられたのでもう思い残すことはありません!」
「おい聞いてるのか?そんなに落ち着かない顔してどうした?トイレを我慢するワンコみたいに」
「婚約者が弟さんと席を外したからでしょう?」
「ほんの一瞬でも傍にいないと不安なんですか~?」
「バレリーの弟とちゃんと挨拶できなかった」
「彼だって初対面の男より自分の姉さんと一緒にいたいでしょう」
「違う僕のためにクマを描いてくれた人だ。もう少し誠意ある対応をしなければ・・・というわけで彼ともう一度挨拶をしてくる」
「殿下お二人のあま~い愛のお話聞かせてくださいよ!」
「あま~い愛のお話はエドウィンが代わりにしてくれるだろう。さぁ行こうビクトール」
「えっ?何言ってんだ!!なんで俺が人のあま~い恋愛話を語らなきゃいけないんだよ!」
******
【ムレアside】
ティーパーティー中に木刀がムレアに向かって飛んでくる。驚いて椅子から落ちたムレアは運よく木刀を避けた。
「ムレア」
「ムレア大丈夫?突然のことでびっくりしちゃったのね」
「もし頭に当たってたら危ない所だった」
「反射神経がよくてうまく避けたんだな!」
大人たちがムレアを心配した。公爵夫人は息子を呼ぶ。
「カイロス!!」
「すみません訓練中に手が滑って剣が飛んでいってしまったんです。僕もまだ初心者なもので。お楽しみのところを申し訳ありません。お父様お母様にも心からお詫びします。哀れな老人を驚かせてはいけないと教わったのですが・・・」
「哀れな老人・・・って誰のことだ?」
「それから本当にごめんな怪我はなかったか?」
「なっ・・・な・・・・」
目の前でしゃがみ込み謝罪をするカイロスにムレアはドキドキした。
「ないならよかった」
「まったくいつも問題ばかり起こして!!」
「本当に申し訳ない」
「まぁまぁやんちゃ盛りですから!それはそうと木刀があんなふうに刺さるなんて大した力ですよ!これだと10年後には大陸最強の騎士になりそうですね!」
「・・・いいわ。みなさん私決めました」
「どうしたのムレア?」
「私ムレア・クァルテ!帝国最強の騎士であるドウェロ卿の妻になります!」
「断る」
「では失礼」
カイロスがスタスタと去って行く。
「ムレア!レディがそんなことを軽々しく口にするもんじゃないわ!」
「そっそれよりも私たちがドウェロ公爵家と婚約するなんてとんでもない!」
「いいじゃないかこんなにしっかりしたお嬢さんなら私たちも大歓迎だよ!」
「ムレア10年だけ待ってくれ。あんな奴でも大人になれば恋もして必死になって女性の気を引こうとする日も来るだろう!」
******
【バレリーside】
「だけど先代のドウェロ夫婦はもともと高齢だったためその10年が経つ前に亡くなってしまったのもしもまだお元気だったら絶対に私と婚約させたはずなのに!」
「へぇ~そうだったんですか~!」
(もっとも公爵のあまりの美しさにほんの少しでも接点があったら都合のいいように妄想する令嬢たちがいてもおかしくないかも。もう二度と来させないように補佐官に言っておこう適当に話を合わせてこの場は去ってもらって)
「こんなことになって本当に・・・」
「こんなことになって本当に気に障るでしょうね哀れだな」
(マーシャル??)
「何ですって?別にあなたたちに同情されたいわけじゃないわ!」
「違うんですか?そうじゃなかったらこれは宣戦布告ですか?さっきだってみんなの前で婚約式をぶち壊そうとしてましたよね?もしもあなたが姉に恥をかかせるようなマネをしたら僕も黙ってはいませんから」
「はんっ!チビのくせに強気なのね伯爵家だからって偉そうにしてるかもしれないけど私の家だって男爵家だけど公爵家との付き合いは・・・」
「あなたの前でなら誰だって強気になりますよ。ビビる必要がないですから」
「何ですって?」
「うちの姉がセレニア・ホーウィンと違っておとなしそうに見えるからこんなことが言えるんでしょう?セレニア・ホーウィンとは話したこともないのでは?自分より下だとか弱そうに見える相手にしか強気に出られない卑怯者のくせに」
(この子ったらいつからこんなに辛口になったの?)
「・・・違うわ。生意気なガキが私のこと何だと思ってるのよ!私はそんなチョロい卑怯者じゃないんだから!」
怒ったムレアがコーヒーカップを持ち上げ中身を飛び散らせる。
第26話 感想
マーシャル以外にも辛口だったみたいですね。飲み物が飛び散ったようでしたが誰にかかったのかな?カイロスが丁度良く助けに入りそうですが・・・